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第23話 乱痴気パーティ

夜7時半…。カナはダンジョン前1号店の店長室で大あくびをしていた。

「ふわぁぁあああわあ…」

机にはファッション雑誌と、その上に散らばるピンク色のクッキー。

「なんで店長はこんなにもヒマなのかしら…」

カナは椅子に深々と体をあずけながらつぶやいた。

所変わって街中央の2号店の店内の入り口前では、3人組の男が立ったままおでんにむさぼりついていた。

「モグモグ…このちくわぶってのもまた…」

「いや、からしをつけてすする白滝もこれまた…」

「はんぺんのからし揚げもあなどれず…」

焦った店員は、3人組の男に寄って行った。

「アノ、イリグチデタベルノハ、コマリマス…」

つゆまですすった3人組は大きなズダ袋を取り出し、言った。

「強盗だ!レジの金をこの中に入れろ!」

店員は全員慌てた!そこへちょうど現れたエルフの影が一瞬現れ、スっと消えた。

所変わってまた1号店。店長のカナは、

「もう寝ようかな~することないし…」

と、ちょうど布団を敷いていた時だった。

「店長はいる!?」

1人の女性の声が聞こえて来た。

「ほぇい?」

カナが店長室から顔を出すと、いつぞや私達を鍛え上げてくれたハイエルフがいるではないですか。

「2号店に強盗が来てるわよ!すぐ退治しにいくわよ。店にある弓矢はもらっていくわ」

「え……ええぇ!!??」

いきなりのことで大いに狼狽したカナは、慌てて店長室にある杖を持って1号店をハイエルフと後にした。


「そうだ。小銭も入れるんだよ」

強盗は店員にレジを開けさせ、レジの金を袋にいれさせていた。

「ずいぶん儲かってるじゃねぇかよ、へへっ」

「終わりそうか?」

「もうすぐだ。あとは金庫の金をいただくまでだぜ」

「金庫の売り上げもやはりいくのか?」

「当たり前だろう。お前は先に行って金庫を確認しろ」

盗賊がそう言った時である。背中に強烈な痛みを感じた。ハイエルフの放った弓矢である。ハイエルフは弓を連射した。

「ひえっ」

弓矢は次々と強盗に当たってゆく。そこへカナが、

「地獄に落ちろ!ファイアー!!」

と火の玉を撃ち放った。炎に包まれた強盗はそのまま塵となった。燃え広がらないようにカナはズダ袋を引っぺがした。

敵は店内に1人と、店長室へと消えて行った1人がいる。標的はもう1人の店内にいる強盗に移り、エルフも弓矢をあちらに向けた。の前に私がもう1発炎を食らわせようと呪文を唱える。敵も弓矢を食らいながらも呪文を唱えている。

「ファイアー!」と叫ぶと火の玉が現れた。しかし敵も氷の魔法を撃って来た。2つは重なりバチバチと音を立てた後、ボワンと立ち消えてしまった。

「消えたッ!?」

敵がもう一度呪文を素早く詠唱し、撃たんとしているその時、何者からか首を狙った一撃が入った。首は取れなかったものの、詠唱はストップされ、

「ちっ誰だよ…?」

そこには忍者ピピンがいた!

「ピピン!」

「空気を読んで登場しました!」

ピピンは麻痺の吹き矢を拭き、敵に見事ヒットし動けない。今だ!

「ファイアーっ!!」

今度は敵に見事火の玉がヒットし、煤と化した。

「残りあと1人!」

強盗が店長室の金庫前で悩んでいる。

「開け方がわからんなぁ…」

そこへ後ろから声が聞こえた。

「私の金庫に何か用ですか?」

強盗が振り向くと、ハイエルフと忍者とカナは杖を持って凄んでいる。

「まいった」


残った強盗1人だけ警察に連行され、何とか無事強盗騒ぎは終息した。

「ハイエルフさんありがとうございました」

「たまたま通っただけだから。今度は気をつけることね」

「僕もたまたまミルクコーヒーを買いに来たんす」

「ピピンもありがとね」

それ以来、ぜコムというセキュリティを店に搭載することになった。

「あーまたヒマになったわ」

カナはまた、相変わらず店長室でおでんを食べながら相変わらずヒマを満喫していた。

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