おぐらの不思議
世の中に「おぐら」と名の付く物があります
他愛ないことですが子供の頃からこの「おぐら」と言うのが何のことなのか不思議だったんです
まずは、京都市右京区に小倉山(小椋とも雄蔵とも書くそうです)という低い山があります
小倉百人一首はあの有名な歌人藤原定家がこの小倉山の山荘でいろいろな方が詠んだ歌をチョイスしてかるたとしたものが後にこの名前になったらしいとか
何故か蝉丸が出てきたら「うわ~」と言ってしまうのですが・・・
京都市伏見区・宇治市・久世郡久御山町にまたがってかつて巨椋池という湖のような大きな池がありました
これも「おぐらいけ」なんですよ
でも、小倉ではない
さらに疑問は深まりました
食べ物で小倉餡というのがありますよね?
これはこしあんに大納言小豆を混ぜたものらしいのですが、この大納言というのも宮廷の官職の一つで京都の公家を思い起こしてしまい、また京都かよとなるのです
さらにさらに調べてみると歌舞伎・浄瑠璃の外題に小倉山というのがあるそうです
なんと植物にも・・・カエデ科の落葉高木,高山植物でハウチワカエデの別称を小倉山と言うらしい
ますます謎は深まります
そもそも「おぐら」の語源は何なんでしょうね・・・
「樹木が繁茂して暗いこと」が名の起りだとか・・・
うっそうと暗いわけですね
なんでも巨椋池の名前の由来はこの湖畔に巨椋氏という氏族が住んでいてそこから巨椋池になったとか・・・そして小倉も巨椋の転化ではないかと言う説もあるらしい
ということは、おおもとは巨椋なんや!
驚きました!
しかしその後は小倉山関連が多いようですね
小倉山は紅葉の名所でもあるそうなので、この時期は賑わっているでしょうね
小倉餡も小豆の色を小倉山の紅葉の色に例えてそう呼ぶと言う説もあるらしい
なんとなくすっきりしました
良かったですわ
巨椋池は平安京に対する四神相応の朱雀の位置です
今は池もなくなり田んぼが広がっています
追い出された朱雀は今頃どこで何をしているのでしょう?
長年の懸念であった「おぐら」が解決したら、こんどは巨椋池を追い出された「朱雀」のことが気がかりになってきました
奈良県の自動車の飛鳥ナンバーに描かれてはいますけどね・・・