心の揺れ
…フラフラ
…ユラユラ
私の心は振り子のようにあっちへこっちへ揺れる。
好き?
嫌い?
やっぱり好き?
でも…嫌いかも?
たくさん寝返りを打った。
たくさんため息をついた。
私は眠れぬまま部屋で揺れる電気の紐をボーッと見つめている。
カチカチッと音をさせて灯りを消したのに、外からの月明かりで振り子のように揺れる紐の影が浮かんで見えた。
まるで私の心のようにグルグル…ユラユラ…
催眠術のアレみたいだったのかな?
見ているうちにいつの間にか眠っていたみたい。
夢に貴方が出てきたの。
「…逢いにきたよ。」
そう言って私に向けられる笑顔に涙が溢れた。
差し出してくれた手を掴もうと私も必死に手を伸ばす。
あと少し…
あ、もう触れられる…
フッと目が覚めた。
もうっ!私のバカ!!
なんで今、目が覚めるのよーーっ!!
頬についた涙の跡が私の失恋を告げている。
知ってた。
わかってた。
…これが叶わぬ恋だって。
でも、気づかないフリしてた。
せめて夢の中では…と思うのに上手くいかない。
けれど…ユラユラ揺れていた紐は止まり、私の心も決まっていた。
好きなものは好きなのよ。
簡単には諦められない。
だからせめて…せめて貴方の幸せを祈らせて欲しい。
遠くからひっそりと貴方を想うことを許してください。
いつか貴方より素敵な誰かに出逢うまで。