耳かきされちゃう小説
「はい、こんにちは♪」
「耳かきお姉さんです」
「ん〜? なんで耳かきお姉さんなのかって〜?」
「それは、耳かきしちゃうお姉さんだからだよ〜」
「ほーらっ、頭ここに乗せて?」
「うん、そうだよ♪」
「好きでしょ? ひ、ざ、ま、く、らっ」
「なーに、恥ずかしいの〜? ほら遠慮しないでっ」
「はーい、いらっしゃいませ〜」
「どーお? お姉さんの膝枕?」
「いい、匂いが…する…? ふふっ、ばーかっ」
「はい、それじゃあ早速耳かきするね〜」
「まずは右耳からね」
「ほら、右耳を上に向けるのっ」
「はーやーくっ」
「なぁに?……いやだっ…くすぐったいよぉ…」
「そうやっていたずらしてると、耳かきしてあげないよ〜?」
「あ、急に素直になったね」
「そんなに耳かきして欲しかったの?」
「も〜、しょうがないなぁ」
「え〜? 自分から耳かきする〜って言い出したって…?」
「そうだよー、耳かきお姉さんは、耳かきが好きなお姉さんだからねー」
「はい、それじゃあまずはお耳を軽く蒸しタオルでふきふきしますよー」
「ん〜? まずはこうやって、耳垢を少しふやかしたほうがよく取れるからだよ〜」
「それじゃあ、ふきふきするね?」
「うんっ、熱かったら言ってね♪」
「よいしょっと……どう? 熱くない?」
「きもち…いい? ふふっ、良かった」
「よーし、それじゃ綿棒で綺麗にしますよ〜」
「…………ねぇ、普段耳かきってしてるの?」
「あ、わたしにじゃなくて…その、自分でとか……」
「あ〜、やっぱり♪ この耳は耳かきしてない耳だと思ったのだよー」
「名探偵耳かきお姉さんは、なんでもお見通しなのだーっ」
「え〜? ふざけてないで、早く耳かきしろって〜?」
「ごめん、ごめん。それじゃあ、するね♪」
「まずは耳の縁からねー」
「ん……どう? 痛くない?」
「ちょうどいい? なら、この強さで耳かきするねっ」
「………………あ、喋らないほうがいいかな?」
「だって、さっきから迷惑そうだったから……」
「迷惑じゃない? ふふっ、ならお姉さんいっぱいお喋りしちゃうよ〜」
「何を喋っちゃおうかなー」
「あ、そういえばこないだねっ、お料理をしている時にねっ」
「お醤油だとおもって入れたのがねっ」
「ボトルコーヒーだったの!」
「お姉さんうっかりさんだよ〜」
「えっ? そんなの、間違うはずな…い?」
「だ、だって、ほら! 色とか似てるし、それにほらっ」
「…………はい、次から気を付けます」
「あっ、お話していたらあっという間に外側は綺麗になったよー」
「次は中を綺麗にするねっ」
「あんまり動かないでね? へんな所に綿棒が当たるといたい、いたい〜ってなっちゃいまちゅよ〜?」
「あ、笑った! 今笑ったなぁ〜」
「急に赤ちゃん言葉を使う…から?」
「だって、あなたが赤ちゃんみたいなんだもん♪」
「なぁに? 赤ちゃんじゃないって〜?」
「じゃあ、耳かき止める〜?」
「ふふっ、そんなに勢いよく首を振らないで大丈夫だよー」
「うん、ちゃんと最後までしてあげる」
「お姉さんもそうしないと、気がすまないからね〜」
「ん〜? どうしてって、そりゃ……」
「耳かきお姉さんだからなのだよっ」
「あ、はいはい。そろそろ中に挿れますね」
「よいしょっと………どう?」
「がさがさ言ってる〜? って! そうじゃないよっ」
「痛くないか、ってことだよっ」
「平気? なら良かった♪」
「あ、ちょっとまってね〜 綿棒チェンジのお時間ですっ」
「そうだっ、この綿棒はね、赤ちゃん綿棒なんだよ〜」
「赤ちゃん綿棒って言うのはね、赤ちゃん用の綿棒でね、先が細いから使いやすいのだよっ」
「耳かき七つ道具の1つと言っても過言ではないのだよっ」
「あ、耳かき? はいはい、しますしますぅ〜」
「……それじゃあ、また挿れるね?」
「ねぇ、少し奥に挿れたいんだけど大丈夫かな?」
「ここ……なんだけど、平気?」
「うん、じゃあ奥も綺麗にしちゃうよ♪」
「ねぇ、お耳ぐりぐり気持ちいい?」
「気持ちいいの?」
「え〜? 気持ちよくないの〜?」
「気持ちいいよねー」
「分かるよ。だってお目々がはにゃ〜んってしてるもの♪」
「ふふっ、可愛い」
「あー、照れてる〜、可愛い〜っ」
「こーらっ、暴れないの。もう少しで終わるから……んしょっ」
「よしっ、右耳はおーわりっ」
「うん、綺麗になったよ」
「それじゃあ、反対の耳もする〜?」
「はいはい、じゃあごろ〜んって」
「ふふっ、ごろ〜ん」
「あっ、こら! そんなところの匂い嗅がないの!」
「めっ」
「も〜、いたずらするなら、左耳はしてあげないよー?」
「ん〜? なぁに? だって、いつもいたずらばっかりするんだもの」
「もうしない?」
「本当〜?」
「…分かった。じゃあ、約束だからね♪」
「破ったら? 破ったら、うーんそうだなぁ……」
「そうだっ、わたしがあなたにいたずらしちゃうの♪」
「こちょ、こちょ、こちょ〜!」
「くすぐったい? ふふっ、ならわたしのかちっ」
「はーい、勝者の言う事ちゃんと聞いて大人しくしててねー」
「それじゃあ、また蒸しタオルで……って」
「ひんやりタオルになっちゃってるね」
「まぁ、時間経っちゃったしねー、しょうがないよー」
「んー、どうしよっか?」
「あっ、いいこと思いついちゃった〜♪」
「なぁに? 怪しい顔してるって?」
「そ、そんなことないよー」
「ほんとだよー」
「…………………はいはい、降参です、怪しいこと考えてました」
「どんなことかって? んっとね〜、ピンセットでね」
「あっ、医療用の先の細いピンセットでね」
「ん〜? また無駄な買い物してるって?」
「そんなことないよー」
「通販で、1500円くらいだったよ!」
「買った理由? それはぁ〜……ふふっ、内緒♪」
「だーめっ、内緒なのー」
「言わないよー、あんまりしつこいとこのピンセット使わないよー?」
「これ? これでね、耳垢をぺりぺりぺりぺり〜♪って剥がしちゃうのっ」
「どお?」
「ちょっとワクワクしないっ?」
「あ、はい。ワクワクしてるのはお姉さんですね……」
「ねぇっ、いいでしょ?」
「やらーせーてーよぉ〜!」
「お願いっ」
「……えっ? いいの! ふふっ、ありがと♪」
「それじゃあ、早速……ぺりぺりぺりぺり〜♪」
「どお? 気持ちいい? ほんとっ? 良かったっ」
「あ、奥に大きいのがあるよ」
「まさに黒船来航だね、ペリーだけに」
「……………はい、ごめんなちゃい」
「ジッとしててね?」
「……んっ、……もう…少しで、とれそう………むっ………とれたっ」
「隊長、大物を捕獲しました〜♪」
「引き続き、警戒にあたりまーすっ」
「真面目にやれって? やってるよー」
「本当だって、ほらその証拠にこっちのお耳も綺麗になったよ♪」
「両方綺麗になったね」
「はい、それじゃあ今日の耳かきはお終いです」
「また、してほしい?」
「ふふっ、気が向いたらね♡」