表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

耳かきされちゃう小説





「はい、こんにちは♪」


「耳かきお姉さんです」


「ん〜? なんで耳かきお姉さんなのかって〜?」


「それは、耳かきしちゃうお姉さんだからだよ〜」


「ほーらっ、頭ここに乗せて?」


「うん、そうだよ♪」


「好きでしょ? ひ、ざ、ま、く、らっ」


「なーに、恥ずかしいの〜? ほら遠慮しないでっ」


「はーい、いらっしゃいませ〜」


「どーお? お姉さんの膝枕?」


「いい、匂いが…する…? ふふっ、ばーかっ」


「はい、それじゃあ早速耳かきするね〜」


「まずは右耳からね」


「ほら、右耳を上に向けるのっ」


「はーやーくっ」


「なぁに?……いやだっ…くすぐったいよぉ…」


「そうやっていたずらしてると、耳かきしてあげないよ〜?」


「あ、急に素直になったね」


「そんなに耳かきして欲しかったの?」


「も〜、しょうがないなぁ」


「え〜? 自分から耳かきする〜って言い出したって…?」


「そうだよー、耳かきお姉さんは、耳かきが好きなお姉さんだからねー」


「はい、それじゃあまずはお耳を軽く蒸しタオルでふきふきしますよー」


「ん〜? まずはこうやって、耳垢を少しふやかしたほうがよく取れるからだよ〜」


「それじゃあ、ふきふきするね?」


「うんっ、熱かったら言ってね♪」


「よいしょっと……どう? 熱くない?」


「きもち…いい? ふふっ、良かった」


「よーし、それじゃ綿棒で綺麗にしますよ〜」


「…………ねぇ、普段耳かきってしてるの?」


「あ、わたしにじゃなくて…その、自分でとか……」


「あ〜、やっぱり♪ この耳は耳かきしてない耳だと思ったのだよー」


「名探偵耳かきお姉さんは、なんでもお見通しなのだーっ」


「え〜? ふざけてないで、早く耳かきしろって〜?」


「ごめん、ごめん。それじゃあ、するね♪」


「まずは耳の縁からねー」


「ん……どう? 痛くない?」


「ちょうどいい? なら、この強さで耳かきするねっ」


「………………あ、喋らないほうがいいかな?」


「だって、さっきから迷惑そうだったから……」


「迷惑じゃない? ふふっ、ならお姉さんいっぱいお喋りしちゃうよ〜」


「何を喋っちゃおうかなー」


「あ、そういえばこないだねっ、お料理をしている時にねっ」


「お醤油だとおもって入れたのがねっ」


「ボトルコーヒーだったの!」


「お姉さんうっかりさんだよ〜」


「えっ? そんなの、間違うはずな…い?」


「だ、だって、ほら! 色とか似てるし、それにほらっ」


「…………はい、次から気を付けます」


「あっ、お話していたらあっという間に外側は綺麗になったよー」


「次は中を綺麗にするねっ」


「あんまり動かないでね? へんな所に綿棒が当たるといたい、いたい〜ってなっちゃいまちゅよ〜?」


「あ、笑った! 今笑ったなぁ〜」


「急に赤ちゃん言葉を使う…から?」


「だって、あなたが赤ちゃんみたいなんだもん♪」


「なぁに? 赤ちゃんじゃないって〜?」


「じゃあ、耳かき止める〜?」


「ふふっ、そんなに勢いよく首を振らないで大丈夫だよー」


「うん、ちゃんと最後までしてあげる」


「お姉さんもそうしないと、気がすまないからね〜」


「ん〜? どうしてって、そりゃ……」


「耳かきお姉さんだからなのだよっ」


「あ、はいはい。そろそろ中に挿れますね」


「よいしょっと………どう?」


「がさがさ言ってる〜? って! そうじゃないよっ」


「痛くないか、ってことだよっ」


「平気? なら良かった♪」


「あ、ちょっとまってね〜 綿棒チェンジのお時間ですっ」


「そうだっ、この綿棒はね、赤ちゃん綿棒なんだよ〜」


「赤ちゃん綿棒って言うのはね、赤ちゃん用の綿棒でね、先が細いから使いやすいのだよっ」


「耳かき七つ道具の1つと言っても過言ではないのだよっ」


「あ、耳かき? はいはい、しますしますぅ〜」


「……それじゃあ、また挿れるね?」


「ねぇ、少し奥に挿れたいんだけど大丈夫かな?」


「ここ……なんだけど、平気?」


「うん、じゃあ奥も綺麗にしちゃうよ♪」


「ねぇ、お耳ぐりぐり気持ちいい?」


「気持ちいいの?」


「え〜? 気持ちよくないの〜?」


「気持ちいいよねー」


「分かるよ。だってお目々がはにゃ〜んってしてるもの♪」


「ふふっ、可愛い」


「あー、照れてる〜、可愛い〜っ」


「こーらっ、暴れないの。もう少しで終わるから……んしょっ」


「よしっ、右耳はおーわりっ」


「うん、綺麗になったよ」


「それじゃあ、反対の耳もする〜?」


「はいはい、じゃあごろ〜んって」


「ふふっ、ごろ〜ん」


「あっ、こら! そんなところの匂い嗅がないの!」


「めっ」


「も〜、いたずらするなら、左耳はしてあげないよー?」


「ん〜? なぁに? だって、いつもいたずらばっかりするんだもの」


「もうしない?」


「本当〜?」


「…分かった。じゃあ、約束だからね♪」


「破ったら? 破ったら、うーんそうだなぁ……」


「そうだっ、わたしがあなたにいたずらしちゃうの♪」


「こちょ、こちょ、こちょ〜!」


「くすぐったい? ふふっ、ならわたしのかちっ」


「はーい、勝者の言う事ちゃんと聞いて大人しくしててねー」


「それじゃあ、また蒸しタオルで……って」


「ひんやりタオルになっちゃってるね」


「まぁ、時間経っちゃったしねー、しょうがないよー」


「んー、どうしよっか?」


「あっ、いいこと思いついちゃった〜♪」


「なぁに? 怪しい顔してるって?」


「そ、そんなことないよー」


「ほんとだよー」


「…………………はいはい、降参です、怪しいこと考えてました」


「どんなことかって? んっとね〜、ピンセットでね」


「あっ、医療用の先の細いピンセットでね」


「ん〜? また無駄な買い物してるって?」


「そんなことないよー」


「通販で、1500円くらいだったよ!」


「買った理由? それはぁ〜……ふふっ、内緒♪」


「だーめっ、内緒なのー」


「言わないよー、あんまりしつこいとこのピンセット使わないよー?」


「これ? これでね、耳垢をぺりぺりぺりぺり〜♪って剥がしちゃうのっ」


「どお?」


「ちょっとワクワクしないっ?」


「あ、はい。ワクワクしてるのはお姉さんですね……」


「ねぇっ、いいでしょ?」


「やらーせーてーよぉ〜!」


「お願いっ」


「……えっ? いいの! ふふっ、ありがと♪」


「それじゃあ、早速……ぺりぺりぺりぺり〜♪」


「どお? 気持ちいい? ほんとっ? 良かったっ」


「あ、奥に大きいのがあるよ」


「まさに黒船来航だね、ペリーだけに」


「……………はい、ごめんなちゃい」


「ジッとしててね?」


「……んっ、……もう…少しで、とれそう………むっ………とれたっ」


「隊長、大物を捕獲しました〜♪」


「引き続き、警戒にあたりまーすっ」


「真面目にやれって? やってるよー」


「本当だって、ほらその証拠にこっちのお耳も綺麗になったよ♪」


「両方綺麗になったね」


「はい、それじゃあ今日の耳かきはお終いです」


「また、してほしい?」


「ふふっ、気が向いたらね♡」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 耳かきしてもらえるシチュエーションが新鮮で良いと思いました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ