第6話:シルムダン
スモル村にたどり着いたハルキ達。
見るかぎり村はそこまで大きくなく、建物は全部中世ヨーロッパ風の木とレンガで出来た家であった。
虎は情報収集のため、近くに居た村の女性に話しかけた。
虎(日本語通じるかな。。)
虎「あの、すみません。少し宜しいでしょうか?」
村女「はい、どうしました?」
ハルキ(おお!日本語が通じる!)
ナギ(やっとこの世界の人と話が出来た。。)
虎の言葉が通じたのを見て一同はほっとする
虎「その。。図書館などってあります?色々調べたい事がありまして」
村女は虎達の姿を見て答えた
村女「他国の兵の方です?似たような服を着てらっしゃるので」
クマ(兵に勘違いされているのか。みんな瑞反の制服をを着てるからか。)
虎「いえ、遠い場所から来ましたが兵士ではないですがよ。その。。私達は何というか。。」
村女「冒険者の方です?図書館は無いですが、この村の村長の家に本とかありますよ。村長もあなた方が調べたい事がを知っているかも」
虎「はい、ちょいとみんな旅をしてて、教えてくれてありがとうございます」
村女「いえいえ、村長は村の北の家に住んで居ますよ。小さな村ですがごゆっくりしてってください」
虎「お気遣い感謝いたします」
話を終えた虎は事情をみんなに説明する
虎「っという事で村長の家に行ってみましょう。全員で行くと驚かせると思うので私とハルキ、クマさんでいいです?」
ハルキ、クマ「おk」
ぽよ「それじゃ俺たちは他の場所で色々聞き込みするよ、あまり村に迷惑かけるなよ。とくにやきお」
やきお「大丈夫ですって!とてもフレンドリーに行きますよ」
ハルキ「それじゃ他のみんなは一応2人以上で一緒に行動しましょ。日が暮れる頃には村の中央の噴水前集合でおなしゃす」
虎「ヒビキさん、ゆみを頼む」
ヒビキ「わかりました」
ハルキ、虎、クマは村長の家に向かった
ぽよ「げん、気になる事があるんだ。一緒に来てくれないか?」
げん「はいす」
やきお「それじゃ俺はらみちゃんと回ろうかな」
らみ「ごめん私アリサとゆみさんと行ってくる」
やきお「ヒビキさん」
やきおがヒビキを見る
ヒビキ「すみません。虎さんに女性方を守るよう言われてるので」
やきお「エルさーーーん」
エル「ごめ、ぽよさんについて行くわ俺」
やきお「2人っきりだね。。ナギ君」
ナギ君「うわぁ。。」
村長の家に着いたハルキ達
虎「すみませーん」
コンコンと家のドアをノックする
ドアが開き村長らしき老人が出てくる
村長「はい、どちら様かの?」
虎「私旅人の虎と申します。こちらはハルキさんとクマさんです」
ハルキ「どうもです」
クマ「どうも」
村長「旅の方でしたか。ワシは村長の【モルス】と言います。魔物も出て物騒な中良くこんな田舎まで。さぁ、どうぞどうぞ」
どうやら虎達を歓迎してくれたようだ
虎「お邪魔します」
家の中にはモルスの妻らしき人がいた
妻「いらっしゃい。この村に客なんて久しぶりだわ。何も無いけどゆっくりしていってね」
ご婦人は虎達に微笑んでくれる優しそうであった
テーブルに3人がつくと虎の質問が始まった
虎「恥ずかしながら私達この辺りが初めてで。。いろいろ教えてくれるとありがたいのですが」
モルス「ほうほう、ワシが知ってる事なら良いですぞよ」
虎「モルスさんは日本って国を知っていますか?」
モルス「いえ、聞いたことはないですの」
虎「それじゃ変な事を聞きますが、私達が今使って話している言葉って何語って言います?」
モルス「ジャパニ語ですよ。この世界では共通用語として教えられています」
クマ(ジャパニ語。。似てるな。。)
クマ「この国の名前って?」
モルス「ここは一応田舎ですが【ベルガン王国】に所属するスモル村です」
ハルキ「すみません。この世界って?」
モルス「【シルムダン】の事ですかな?」
ハルキ「シルムダン。。ベルガン王国以外に国ってあるんです?」
ハルキ達はこの世界の名前がシルムダン。この今いる場所がベルガン王国の領域、その他に五つの国【メルバス帝国】、【アリバ共和国】、【クルノ王国】、【ルゴール皇国】、【テルミナス帝国】が有るのを教えてもらった
モルス「他にも魔軍を率いる魔王の国がおっての。。今は全国魔王と対立しているのじゃ」
ハルキ「魔王。。。」
クマ「まるでファンタジーの世界だ」
モルス「魔王も知らないのですか?」
虎「ええ、もっと遠い場所からの出で」
モルス「おお、そんなに遠い場所から」
本棚を見つけた虎はモルスに呼んで良いかと尋ねた
虎「これちょっと読んでも良いですか?」
モルス「どうぞどうぞご自由に」
本棚には歴史の本、数学の本、知識纏わる本が沢山あった
虎「これ、全部ジャパニ語です?」
モルス「ああ、そうじゃよ」
それからもいろいろシルムダンについてモルスに聞き、3人は村長の家を後にした
虎「モルス村長、色々ありがとうございました。今日は宿屋で泊まろうと思います。お邪魔しました」
モルス「いえいえ、久しぶりに他国の人とお話ができて楽しかったぞい。またいつでも来ておくれ」
虎「はい、それでは」
虎達はあらかじめ集合場所にしておいた村の中央の噴水前に向かう
ハルキ「モルスさん、すごい優しかったですね」
虎「ああ、私のお爺ちゃんを思い出しました。とりえあず今日は宿屋でみんなと今後の事を話し合いましょう。情報も手に入れた。後はこれからどうするか。。」
クマ「異世界生活だな」
ハルキ達が噴水前にたどり着いた頃には、らみグループとやきおグループが既に居た。
やきお「ちょりーす虎さん。もう暇でしたよー村の人達のお手伝いしてましたわ。ナギ君がドロだらけになっちゃって、テラワロスw」
ナギ君「仕方ないじゃないか!足場が濡れてたんだ」
泥だらけのナギを見て大変そうに思うハルキ
らみ「私達は村の人から裁縫グッズ譲ってもらったんだー。これで色々作るよ!コスプレしますかアリサ!」
アリサ「いやいや!」
ぽよ「うぃーす」
そうこうしてる内にぽよ達も来た
ぽよ「やっぱこれ通貨だったよ。銅、銀、金でギルって呼ぶんだってよ」
ぽよはゴブリン達から奪ったであろう銅貨を見せた
虎「良かった、これから私達が手に入れた情報も含め色々話したかったところだったんです。今晩は村の宿屋を使おうと思ったので」
ヒビキ「お金足りますかね?」
クマ「行って見てみるか」
全員は宿に到着した
宿屋の主人「いらっしゃい。久しぶりの客だ。何名様ですかな?」
ぽよ「12人いるのですが、何ギルぐらいになります?できればまけてくれると。。」
宿屋の主人「久しぶりの客だ、一泊12人3部屋で20ギルでどうだい?
ぽよ「少々お待ちを」
銅貨一つで1ギルなので、ぽよ達は今持っているギルを数え始めた
ぽよ「っく。。3ギルたりん!ゴブリンめ。。もっと探してれば良かった」
やきお「今日俺とナギっちで村のアルバイトしてたんで15ギルもってまっせ」
ぽよ「でかした!」
ぽよはギルを主人に渡し、部屋を取った。
宿屋の主人「ごゆるりと〜」
ぽよ「とりあえず一旦虎の部屋に集まって会議しようか」
部屋で虎達は仕入れた情報をすべて話しあった。
シルムダンなど新しい言葉を聞き困惑する全員。見知らぬ土地、恐怖もあるが少し楽しんでいる姿がみんなにはあった。
虎「と言う事で今後はお金が必要になるのでここから北西に進むと【ヘルマンの街】があるみたいです。そこなら冒険者用に受けれる仕事かあるみたいです。明日はヘルマンに行き、私達の寝床を確保しましょう」
ハルキ「村長によると日本とは結構違う世界みたいなんだ。だけど俺たちは同じ瑞反高校出身の仲間だと俺は思ってる。みんなで助け合っていこうぜ」
やきお「おーーーーー!」
らみあ「いえあ!」
ナギ「そうだね。とりあえず僕はシャワー浴びてくるよ。まだドロが全部取れてなくて」
全員はそれぞれの部屋に戻って行った。
虎、ハルキ、げん、エルは同じ部屋で寝る支度を整えて居た。
ハルキ「あんな事言っちゃったけど不安だ。この世界に来る前俺はパジャマだったはずなんだ。でも今は瑞反の制服。みんなもだ。俺達大丈夫かな。。」
虎「平気ですよ、あなたの強さはゴブリン戦の時にたっぷり見させてもらいました。ここは外国だけど日本語は通じるんだ。なんとかなるでしょう。クマさんぽよさんも居るのです」
げん「ああ、がんばろうぜハルキ」
ハルキ「うん」
エル「いやー久しぶりにゆっくり寝れるね。。お休みなさい、みんな」
部屋の電気が消え、4人はぐっすりと寝た
やきお「枕投げしない?ナギっち」
ナギ「おやすみ」