第4話:ゴブ襲撃
ハルキ達は湖の水をゴブリン達から奪った石で出来てるコップ状の容器に水を汲み終え、傷ついたエル達の元に戻ろうとしていた。
まだ太陽の日が森の枝から差していたが、徐々に森が暗くなりつつあった。
虎(嫌な予感がする。。このままで大丈夫か?)
虎「皆さん、エルさん達が待っている。日も沈んで来ているので少し急ぎましょう」
ハルキ「了解」
らみ「はい」
ヒビキ「わかりました」
3人は少し駆け足で手に入れて水をこぼさぬ様、来た道を引き返していった
ハルキ「これから俺達どうするんでしょうね」
ヒビキ「大変ですよね、12人分の食料の確保も必要しないといけませんし。寝床も必要ですよね」
虎「食料ならクマさん達が今頃沢山森のキノコ達を取っているでしょう。寝床はゴブリン達が危険ですが、今日は先ほど見つけた湖の前が結構視野が広く取れるので一晩あの場所に警戒しつつ過ごすのを他の皆さんに相談して見ましょう」
らみ「うえ、キノコか。。。」
ハルキ「キノコ嫌いだったっけ?」
らみ「だ。。大丈夫」
ヒビキ「こんな時ゴーヤでもあれば、 僕がゴーヤチャンプル作ったのですが。。」
拠点に帰還したハルキ達はやきおが地面に倒れてるのを発見し走ってやきおに近づいた。
虎「やきお!何があった!ゆみ達はどこだ!」
やきお「と。。虎さん。。ま。だ」
やきおが何とか伝えようとしてる中、近くの草むらからエルとげんがゆっくりと出て来た
エル「みんな。。まだクマさん達がゴブリンと戦っている。助けてあげてくれ」
虎「なにっ!」
ハルキ「敵は何体です?」
げん「4体いた。クマさん、ぽよさん、ナギ君、ゆみさん、アリサ達がゴブリンを引き連れて時間稼ぎで逃げ回ってるはず。。ごめん。。力になれなかった。。」
げん、やきおはゴブリン達との戦いで傷ついていた。エルも傷口は塞がっているがまだ辛そうだ。
ハルキは汲んできた水をげん達に飲ませてあげた。
ハルキ「みんな、近くに湖があったから汲んできた。飲むといい。少ししかないけど、傷口もこれで洗って」
虎「ハルキさん!急ごう!ゆみ達が戦っている」
げん達の介護を終えハルキ達は急いでクマ達の援護に向かおうとした時、草むらから人が飛び出してきた
息遣いが荒く、ハルキ達を確認した彼はその場で地面に膝をついた。
ハルキ「ナギ君!」
ナギ「み。。みんなが。。はぁ。。はぁ。。」
ハルキ「落ち着いて、水を飲むんだ」
ハルキはコップに残った最後の水をナギに飲ませた
ナギ「ゴクッ。。はぁはぁ。ありがとう。。」
一息ついたナギは先ほどクマ達に起きた事を説明した
ナギ「俺達が食料を探している時ゴブリン達に見つかっちゃったんだ。敵は7体いて急いで拠点に戻ってぽよさん達の援護を貰ったんだけど、数が数で結構苦戦しちゃって。。」
虎「まだ戦ってるんですよね?急いで行きましょう」
ナギは虎がクマ達を追おうとしたのを止めた
ナギ「虎さん。。ダメだ。敵を引き連れようと頑張ったんだけど 。。」
らみ「まさか。。死ん」
ナギ「まだ大丈夫のはず、クマさん達4人はゴブリンに連れてかれたんだ。僕はクマさんのおかげで何とか逃げ切れたんだけど。。く。。みんなが」
悔しそうに涙するナギ
ハルキ「どこに連れてかれたかわかる?」
ナギ「うん。。あいつ等が逃げていく先に結構な灯火が見えたから。多分あそこが奴らのアジトなんだと思う。でも。。敵は何体いるのか。。」
少しの沈黙が訪れ、虎が口を動かした
虎「私は行きます。恋人が捕まって居る。1人でも行きます」
ヒビキ「無謀です。敵の数がわからない」
らみ「もしかしたらもうみんな。。」
虎「私は行きますよ、ゆみを傷つけたあいつ等に報いを」
虎の目は強張っていた中、ハルキが話し始めた
ハルキ「待って虎さん。僕も行く。作戦があるんだ。だがとても危険だから俺と虎さんがその役をやる。他のみんなは安全な所でカバーして欲しい」
げん「俺はついて行くよハルキ」
ナギ「俺も、助けてくれたクマさんを今度は俺が!」
エル「私も行きます。傷も少しは治ってきた」
虎「ありがとうハルキ」
ヒビキ「わかりました、頑張ります」
らみ「安全なら。。行く」
やきお「お、おらも。。」
ハルキはみんなにクマ達救出作戦の説明をした。
・・・
ハルキ「危なくなったらすぐ走って逃げていい。その時のプランはデルタで。俺が叫ぶ」
ハルキ「それじゃまずは敵を調査しよう。作戦の変更もあるかも。急いで敵アジトを発見してまた考えよう」
ハルキ達はナギの案内の元、ゴブリンのアジトを発見した。
ハルキ「ここか。。。みんな無事かな。。」
ハルキ達はゴブリン達に見つからないようにアジトを見渡せる草むらの中に隠れ、状況を探った
ナギ「まだみんなが居たよ!」
アジトはテニスコート2、3個分ぐらいの小さな広場であった
ゴブリン達は20体ぐらい広場にいるのをハルキ達は確認し、広場の端でクマ、ぽよ、アリサ、ゆみが棒に体を縛られ捕まっていた。広場で酒を飲み、宴をしていたようだ。広場の中央では3メートルぐらいのでかいゴブリンも居た
エル「あのデカイのボスゴブリンっぽいですね」
ナギ「あいつには気をつけないと。。」
虎「ハルキ!やろう!」
ハルキ「やはり多いな。。それじゃさっきと同じ作戦で!頑張ろうみんな!」
虎とハルキ達はクマ達いい北にし北、南で二手に別れた
北ハルキグループ
《ハルキ、ヒビキ、らみ、げん》
南虎グループ
《虎、ナギ、やきお、エル》
作戦アルファ(ハルキが命名)が決行された
虎「それじゃ始める、エルさんお願いします」
エル「うん」
虎は剣を構えた
エルはあらかじめ準備した石をゴブリン一体に投げ、命中させた
ゴブリン「うご!。。?」
石をぶつけられたゴブリンは石が飛んで来た方向にフラフラと歩いて行く
茂みの中に顔を出した瞬間虎の斬撃がゴブリンの頭を一刀両断した
虎「フン!」
ゴブリン「ぐ。。ぁ。。」
一撃で
頭を斬られ死ぬゴブリン。その後すぐにやきお、ナギによって死体を他のゴブリンに見つからない場所に移動させる
やきお「チャンスでこれ、あいつ等に酒臭え。酔ってますよこれ。どんどんやりましょ」
虎「ああ」
一方北グループのハルキ達も慎重に同じ方法でゴブリン達を殺して行った
ハルキ「おら!」
ゴブリン「あ。ががが。。」
ハルキ「ふぅ。。今何体いる?」
げん「今13体ぐらいだ」
ハルキ「よし、ヒビキさん。虎さん達に次フェーズに移行するようお願い」
ヒビキ「わかりました、行って来ます」
ヒビキはアジト周辺を回るよう虎達の場所に向かった
ヒビキ「虎さん!次フェーズとハルキさんから!」
虎「おk、行くぞ。みんな無事に帰ってこい!」
虎、やきお、エルはアジトの南側に飛び出し、ゴブリンを襲撃した
虎「おらあああ!」
エル「うおおおお!」
やきお「かかってこいっやああああああ!びびってんのかああ!」
ゴブリン達は武器を取り虎達に向かって行った。ボスゴブリンも気づき、虎達を襲う」
ハルキ「今だ!」
その隙をついてハルキ達は捕まっているクマ達の縄をほどき助ける
ハルキ「クマさん!みんな!大丈夫か!」
ゆみ「みなさん。。ありがとうございます」
ハルキ「急ごう!虎さん達が戦っている!今の内後ろを取って援護します!」
ハルキ達はゴブリンのアジトにある武器を手に取り、虎達と戦っているゴブリン達の背後を取り襲いかかる
ぽよ「おらあ!さっきのカタキ!」
虎「ハルキ達が上手くやったようだ!やきお!エル!ナギ!ヒビキ!。俺が囮になる。後ろを頼む!」
ナギ、ヒビキ、エル「了解!」
やきお「じゃ、あと頼んだ」
虎、エルがゴブリン達を正面で気を引きつつ、ナギ、エル、やきおは東の方にゴブリン数体連れて逃げた。
虎「ここからが正念場だ。。たのむ!ハルキ!」
ハルキ「うおおおおおお!」
ハルキは背後からボスゴブリンの頭に剣を突き刺そうとした
ザッ、カキン!
鈍い音と共に剣が折れる音が響いた
ボスゴブリン「ぐわがあああああ!!」
動きが一瞬鈍ったがまだ生きているボスゴブリン
ハルキ「か。。固すぎる。。剣が折れるなんて。。しかも少ししか刺さらなかった。。」
ボスゴブリン「うごおおおおお!」
怒りと共にハルキに突進するボスゴブリン。
ハルキ「うっ!」
なんとか間一髪に避けたハルキ。ボスゴブリンは避けた先の木にぶつかった。木はドミノ倒しの様に簡単に折れていた。
ハルキ「なんて力だ。。。」
他のゴブリン等もハルキ達に気づき襲いかかった。それに応戦するクマ達。
ぽよ「どうするハルキ!!数が多い!まだ9体はいる!」
ハルキ(っく。。数も多い。。何より厄介なのはあのボスゴブリンだ。。動きは鈍いが力がある。。あれをどうにかしないと。クマさん達も捕まって疲れ切っている。逃げ切れるんだろうか。。)
ハルキは覚悟を決めた
ハルキ「俺がボスをやる!その隙に雑魚をお願いします! げん、俺と一緒に頼む!」
げん「おう!」
ハルキはボスに石を投げボスを挑発した
ボスゴブリン「うごごごごごーーー!!!」
ボスの突進をなんとか避けるハルキ
ハルキ「おらあああ、ここなら食らうだろ!」
グサッ!ザッ!
ハルキは 突進し怯んだボスゴブリン隙をつき、ボスの両目にダガーを突き刺した
ハルキ「はぁ。。はぁ。。目が固え生き物なんて少ないんだ。。やったぞ。。っく」
ボスゴブリン「うがあああああ!!」
叫びと共に暴れるボスゴブリン。視界を失ったボスは周りのアジトを暴れ破壊し続ける
ハルキ「まだ生きてるのかよ。。くそ。。げん!いくぞ!
合図と共にハルキはボスゴブリンに近づきボスの右足に剣を振りかざす。
同じくげんも左足に剣を突き刺す
ボスゴブリン「があああ。。ぐ。。あああ」
げん「動きが鈍ってきた!もう少しだハルキ!」
もう一度ボスの背後をを取り今度は頭を狙ったハルキ
ハルキ「おらああああ!くたばれええ」
グザっ!
上手くボスの額に刃を突き刺しうろたえるボス。すかさずハルキは刺した剣をグリグリと動かしボスの傷口を広げていく
ボスゴブリン「があああ!」
ハルキ「しまっ!」
どん!
ボスゴブリンに掴まっていたハルキはボスの右腕からの打撃をくらってしまった
ハルキ「うっ。。」
その衝撃で数メートル先まで吹き飛ばされ頭を強打してしまう
ハルキ「。。ぁ。。」
ハルキ(やば。。意識。。が。。)
視界が暗くなり、そのまま倒れこむハルキ
げん「ハルキ!!」
・・・・・