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男と火事

美南 海荷(みなみ うみか)…やっかいごとに巻き込まれやすい主人公。


中年の男…火事現場にいた男。

 もし、この世に神様がいるとしたら、悩むことなくこう答えるだろう。


 ―運命にもっと愛されたい!!!―と大声で叫ぶだろう。


 なぜなら、今、目の前で面倒事に巻き込まれているからだ。火事現場にいた中年の男で、自分が何者なのか分からないらしい…持っていた財布のなかの身分証で身分は大体把握できた。


 この男は、火事になっていた家の持ち主で、妻と娘との三人暮らしをしていた。家はほぼ全焼で、現場からは、一人の身元不明の焼け跡が出てきたとのこと!!!


 火事の原因だが、家族誰も煙草は吸わないとのことで、不始末ではないと思われる…ただ、【一点】気になることがある。近所の人の話によると、何度か黒いスーツ姿の男達とこの男が口論になっているのを見たという証言があったのだ。

 そのことを聞いたが、案の定、この男は、何も思い出せないの一点張りで、記憶喪失になっていると思われるため、追求して聞き出すことは不可能だったとのこと。


 結局、重要な部分は、何もわからないまま、その日の取り調べは終わった…



 事が動いたのは数日後だった。火事現場の焼け跡の人間は、【男性】であることが分かった!!!


 あの家には、男は昨日の中年の男しかいないため、すぐに身元の取り調べが行われ、その男が、口論になっている男の一人だと判明!!!その男は、金貸しをしているらしく、中年の男も顧客として名簿に記録が残っていた。どうやら、ギャンブルで借金を作っていて、返済をしつこく迫られていたらしい。家でも家族の口論が何日も続いていたとのこと。


 妻や娘は、火事になっていた時、近くの公園にいたため、無事だったとのこと。自分の主人が記憶喪失になったことを伝えると、「生きていてホントによかった」と妻は、涙ぐみ、中学生の娘は、下を向いていたとのこと。

 

 個人的な意見としては、納得いかない部分が多すぎると思う。そんなことを思いながら、公園のそばを通りかかった。


 ここは、先日、猫を埋めた公園だ。よーく見ると、猫を埋めた近くの土が少し膨らみができていた。やけに、大きな膨らみに見えるが、誰かが何か埋めたのだろうか?子猫を埋めた時にはなかったのに…

 そういえば、この公園は火事現場から近くにあり、避難したりするにはうってつけの場所と言える。街灯も多くあり、夜でも明るいためだ。


 「この前の子猫ちゃんと成仏できたかな?」隣で、向日葵が尋ねてきた。


 「きっと大丈夫だよ。それに、向日葵に感謝してると思うよ。お礼を言いに来てくれるかもしれないな(笑)」


 「別にお礼とかそんなのいいのにー当たり前のことをしているだけなんだからさ」

 笑ってそう答える向日葵。その【当たり前】ができない人が多すぎるんだ。だから、もっと胸を張っていいんだけどな。


 その日の夜、事件は大きな展開を見せることになったのをまだ、僕は知る(よし)もなかった…


 

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