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幼なじみと猫

美南 海荷(みなみ うみか)…ほっとけない性格の主人公。

黒白院 向日葵(こくびゃくいん ひまわり)…海荷の幼なじみ。

日常というのは、あまり変化というのは起こらないものだと思う。変化の起こり続ける日々は、とても【日常】とは、呼べないと思うからだ。


 まず、第一に、弟が女性アイドルとしてデビューして人気者になっている段階で、平和な日常は一変するといってもいいだろう…泣

 

 「朝から、深刻な顔してるね~!!!幸せが逃げるぞー笑」

 登校中の僕、美南みなみ 海荷うみかに声をかける女子。幼なじみの黒白院こくびゃくいん 向日葵ひまわりだ。相変わらず、人の気も知らないで、こいつは…


 向日葵は、僕の顔を覗き込むように見て、笑みをこぼしている。

 「海荷は、色々と厄介事を抱え込みやすいんだよね。小さいころからそうだからよーくわかるよ。困っている人とか絶対助けるし、頼まれごとは、断らないしね」


 「それを言ったら、向日葵だってそうだろ?いつも、江崎とか鈴木の助っ人引き受けているじゃないか」

 そう言うと、向日葵は、髪を触りながら、「私のはさ。まだ助っ人とかじゃん。海荷に比べたら全然だからさ」


 「引き受けていることに大きいも小さいもないだろ。別に悪いことしているんじゃないんだし、いいんじゃないのか?」


 そんな事を話していると、向日葵は、何か見つけたのか、車道に走っていった。目に入ったのは、ぐったりと倒れている猫の姿だった。どうやら、轢かれてしまったらしい。周りに血痕が無数に散らばっていた…

 安全を確認して、向日葵は、その猫に走り寄り、制服が汚れるのも気にせず、抱きかかえ、近くの公園の茂みに埋めてやった。向日葵にとってこのような行為をすることは、【当たり前】なのだ。迷子になってる子供の親を探してやったり、道を聞かれたら、調べて、きちんと教えるようにしている。

 正直、こいつには、僕は頭が上がらない!!!


 「これで、この子も一安心だね。あんなところにずっとほうったらかしなんて見過ごせないし、可哀想だもんね」


 それから、僕たちは、学校へと急ぎ足で向かった!!!



 学校では、火事の話で持ちきりだった。このあたりで、昨日、一軒家が火事になったらしく、ほぼ全焼してしまったらしい。原因はまだわかっていないが、その家に住んでいる男が病院に搬送されて今も意識不明の重体とのこと。幸い、燃え移ったりするような事態にはならなかったが、ウチの学校にいる生徒は、近辺に住んでいる人が多いため、相当、話題となっているとのこと。


 僕は、その時、弟のマネージャー代理として、ロケに同行していたので、近くにいなかったため、後から話を聞いて知るかたちとなっていた。


 放課後、向日葵に誘われ、カラオケに行き、その帰り道、火事現場の近くを通ったとき、一人の中年の男を目にした。なぜか、寝間着姿で、裸足だったので、目に入った。


 夜も遅かったためか、巡回中の警官に声をかけられていた。その男は、必死にその警官に「教えてくれ!!!私は、一体誰なんだ?頼む!!!教えてくれ!!!」とすごい形相で訴えていた。


 この男との出会いが、また僕の日常に影響を与えるとは、この時、思ってもいなかった…


 


 

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