日常-通学 4月4日
制服に着替えながら寝癖だらけの頭で少年はふと思う
〔兄、海斗は完璧なのになんで俺はこんなにダメなんだろうか?兄貴は勉強も出来る、友達だって沢山いる、俺にも優しいし、彼女も...居た。〕
「ハァ...死にてぇ..」
大きなため息と共にいつもの口癖が自然と口から出てしまった。
「おーい!空!早く降りて来いよー!」
先に下に降りた海斗が声を張りながら少年・・空を呼ぶ。
「今行くー・・。」
空はボソっと呟くと駆け足で玄関へ走って行った
いつもより重く感じるドアノブを開いて外へ出ると雲一つない快晴が二人を迎えそれと同時に一人の影が現れた。
「おはよー空!海斗さん!」
と、幼馴染の声
「おはよー翔」
「おはよう。翔君」
幼稚園から変わらない挨拶を済ませて俺達は学校へ向かった。
こいつ、竹内翔は俺と幼稚園から小中高とずっと同じのいわゆる腐れ縁という奴だ。
俺の一つ上の兄貴の事を尊敬している・・らしい。
こいつもよく普通にしていられるよな、、先週のあれがあったのになんで・・。
三人で歩いているとふと少女の声が聞こえた
「...い」
空がふと振り返るとそこには自分達が歩いて来た道があるだけで声の主はどこにも居なかった。
気のせいか・・と前を向いた時ふと海斗と目が合った。
「空?どうした?」
「いや、なんでもない」
気のせいだろう。空はそう思いながら学校へ向かった。。