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74.王女会議

「まず最初に王女達に伝えておきたいことがある。私は八人の王女が産まれるのはお前たちの代で最後にしたいと考えている」

 以前、俺がメルチェから聞いていた話だ。


「それって女王の後継争いも無くなるのですか?」

 フランが質問をした。


「お前達の代は誰かがならなければならい。だが、その後に王女が八人産まれなくてもいいようにしたいのだ。女王になったものも、そうでないものも自分が生きたいように生きて欲しい。男の子が産まれるのもいい。もちろん領地の問題などは考えなければいけないことは多々あるが、それでもこの呪いとも言えるこの国の運命を変えたい」

 メルチェの言葉に転生者の三人以外は驚いているようだ。


「私は女王に就く前から色々調べていた。最近、古文書の解読が進んだり、新たな古文書が見つかりして分かったことがある。それも共有したい」

 メルチェの言葉に誰も口を挟まない。


「結論から言うと、この一枚の魔法の予言書がある。予言者といっても一枚の紙なのだが。上に古代語で書かれた文章、下に九つの丸が並んでいる。これが解読できた」

 俺がいる場所はメルチェからは一番遠いので紙に何がある書いてあるかはあまり見えていなかった。黒丸と白丸が規則的に並んでいるのはなんとなく見えた。


「ここにはこう書いてある。『時が満ちた時、異世界から救世主達がやってくる。そして同時に九つの厄災が降りかかる。それを乗り越えた時、この国の呪いは終わりを告げるだろう』。そして、その下に並んでいる丸は王都と八つの領を現している。真ん中に王都、それを加工ように丸で囲っているのがそれぞれの領地だ」

 確かにそう言われてみればそう見える。


「領のところの色の白と黒になっているのは理由があるのですか?」

 メルチェの持っている書を近いところから見ているランダが質問する。


「そうだな。これだけだと分からないが古文書と合わせると分かるようになる。結論から言うと九つの災いは王都と領土にそれぞれ一つ降りかかる。黒いところが白く魔法の力で変わったところは災いを乗り越えたとろこになる」


 遠いので見えにくいが四つ白丸があるように見える。キッタカールも位置通りなら試練は終わったようだ。この前の大型魔獣がそれに当たるのだろう。


「古文書によると王都へは魔王級の厄災が最後に訪れる。その前に八人の王女の領地へ大型魔獣、反乱などが起きと書かれている。北、北西は大型魔獣、南西は今回の反乱がそれに当たったのだろう。丸が白く変わっている。それで、フラン。報告が無いが東も白くなっているが何か大型魔獣の撃破とかしたのか?」

 メルチェがフランに問いかけた。


「ボクのところは東だから魔獣の出現も多いし、フィルニアから侵攻してくる勢力もいる。でも、それも日常だから。苦労したと言えば魔人が三体徒党を組んで攻めて来たことかな。まぁ、ボクにかかれば楽勝だったけど」


 フランがサラッとそう言うが、魔人が三体も攻めてきたらどうなるのだろう。キッタカールの時はキョウヤが不意打ちのようにして倒してしまったから恐ろしさがいまいち実感できていない。


「恐れ多くも進言させていただきます。実際はフラン様が仰るような楽勝ではありませんでした。騎士団も総出で武装商団の協力を得て何とか撃退できました。幸い死者は出ませんでしたが、街の被害はかなりのものになっています」


「あっ、それではボクが弱くみえてしまうではないか」


 フランの後ろにいた騎士団隊長がメルチェに伝えた。やはりかなりの強敵なのだ。キッタカールはキョウヤが来てくれて助かったのだ。


「フランよ、報告は正しくするように」


「はい、ごめんなさい」

 フランは素直に謝った。ここら辺はまだ年頃の女の子に見える。


「とりあえず、場所によって起こる厄災の規模は違うことは古文書に記されている通りなことは分かった。それぞれの地で仲間と力を合わせて困難を乗り越えよ、簡単に伝えるとそのようなことが書いてある。魔人三体は王都や東でなければ対応できなかったであろう。それで今回集まってもらったのは、この予言書のことを伝えると同時に今起きていないところで何か予兆がないか聞きたかったのだ。それを全員で共有していれば北や北西のように力を合わせて乗り換えることができると考えてのことだ。まずはパルから先ほどの話を皆にも伝えてくれ」


「はい。これは遅れてきたことや騎士団の隊長が来ていないことにも関係あるんだけどさ、アタシのところも東と接しているんだよ。で、東との国境付近にどちらにも属しない独立したハネビト族の集落が突然東から攻めたてられてこのままだと彼らが滅ぼされかねないんだ。それでアタシ達に救援要請があって東の諸国と緊張状態になっちゃってるんだよね。それが厄災に繋がるかは分からないけど、ハネビト族が危機が迫っているのは間違いないし、万が一にもそこが殲滅されたら東から攻めてくることを企てている輩の足がかりにされそうで、気が気がじゃなくて。出発をも遅れちゃったし、早く帰りたい気持ちも強くて」


「ありがとう。パル、お前の気持ちも分かるがもう少しだけ皆の話を聞いてやってくれ」


「はい、それは分かってます。アタシが一人帰ってもすぐに事態がどうなるか分からないから」


 パルも素直だった。パルの話を聞いても思ったが、まだまだこの世界どころかゴルドのことも知らないことが多い。


「それでは次に南については私から共有することがある」

 南はピラクではなくメルチェが説明するようだ。

 ピラクは知らされていなかったようで驚いた顔をしている。

 対照的にピラクの後ろにいるプロシパは平然としている。この部屋に来る前にローシャと一緒に謁見の間に呼ばれた時に何か聞いたのだろう。

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