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73.騒がしい王女たち

 ガルメロから王都に向かう馬車の中でシノブとタモツはミネスとナズマに自分たちの素性や経緯を説明していた。

 ミネスもナズマも驚いていたし、ナズマはタモツも疑っていてことを謝った。

 五人で馬車での旅は退屈することもなく無事に王都へ到着することができた。


 王都へ着くと城へ直行し会議が行われる部屋へ案内された。


 部屋の扉を開くと長い机があり、左右に四脚ずつ上座に一脚の計九脚の椅子が用意されていた。

 そしてその椅子には既に何人か座っていて後ろには騎士団隊長が待機している。


「タロウ様、お元気でしたか?」

 扉から一番近い向かって左手側に座っていたノエルが声をかけてきた。


「タロウ、久し振りじゃの、会いたかったのじゃ」

 ノエルの向かい側に座るのはモニカだ。

 ノエルの後ろにはクリス、モニカの後ろにはラフィッカが待機している。


「モニカ様、ノエル様、お久しぶりです。元気にやってました」

 俺がそう挨拶している間にミネスはモニカの隣に座り、その後ろにナズマが立つ。


 ミネスの更に奥隣はピラクがいる。


「タロウ、私にも挨拶しなさいよ!」


「リエスもいるよ……」

 ピラクの前にはミネスもいた。


「はい、すみません。ピラク様、リエス様もお久しぶりです」

 ミネスの後ろには騎士団隊長がいる。ローシャの公認の隊長だろうか。ブライやサラと同じくらい若く見える。

 ピラクの後ろには誰もいない。 の父親が隊長のはずなのだが来ていないのだろうか。


「ねぇ、そこの男、ボクにも挨拶しなよね!」

 ピラクの更に奥、恐らく女王が座る席に近い赤髪の王女が遠くから叫んでいる。


「あ、いや、あの……」

 俺が返事に困っているとモニカが助けてくれる。


「こら、フラン! タロウが困っているのじゃ!  フランのこと知らないから挨拶できるわけないのじゃ!」


「そうよ、 フランちゃん。初めての方にはこちらから挨拶しないとダメでしょ」

 そう言ってリエスの隣にいる王女が立ち上がり自己紹介を始める。


「わたくし、第二王女のランダと申します。以後、お見知り置きを」


「申し遅れました。私、キッタカールに転生して参りましたタロウと申します。こちらこそよろしくお願いします」


「拙者はガルメロに転生したタモツと申す」

 タモツも一緒に挨拶していた。

 王女もほとんど揃っているしタイミングとしては良かったと思う。シノブは挨拶していないけど。


「これでフランだけタロウに挨拶してないのじゃ。王女としてしっかりしないとダメなのじゃ」


「何よ、モニカ! ボクだって挨拶ぐらいできるんだから見てなさいよ。ボクは第一王女のフラン! 覚えておくといい」


「それじゃ王女というより王子なのじゃ」


「何よ! ボクが第一王女なんだから」

 モニカのからかいでフランは泣きそうになっていた。


 第一王女のフランは赤髪のショートで背が低い。一番低いモニカと同じくらいか。

 第二王女のランは今までとは違ったタイプだった。土色の長い髪にウェーブがかかっている。王女の中では残り一人は分からないが一番背が高くて胸も大きい。包容力がありそうというか、王女の中では一番大人びている。

 フランとランダの後ろにも騎士団隊長が待機している。

 フランの後ろにいるのが以前話に聞いたクリスの姉弟子の女性最強の騎士だろう。

 ランダの後ろにいるのはニメートルくらいありそうな大男だった。髭も蓄えていてかなり無骨な印象を受ける。今まで騎士団の隊長達は美男美女ばかりで、これぞ戦士って感じの人がいなかったから少し嬉しい。


 これで席順は把握できた。席順で察すると第六王女以外は揃っている。

 全員同じ歳くらいなのだろうが、ノエル、モニカ、ピラク、リエス、フランは子供っぽい。可愛いのだが年相応に見える。

 ミネスは少し系統が違ってアイドルができる感じで可愛いと美人が同席しているような独特の魅力がある。

 ランダは他の六人とは違い大人っぽい、というか包容力を感じさせ過ぎる。

 モニカ以外は誰が母か知らされていないということなので、母が同じの姉妹がいるのかもしれないが顔立ちは整っているものの誰が姉妹かとかはさっぱり見当が付かなかった。


 俺は立ち位置的にモニカの後ろ、クリスの隣に立つことにする。


「拙者はどうしたらいいでござるか?」

 タモツに聞かれたので、ミネスの側にいたらいいと思うと伝えておいた。シノブは部屋の隅にいる。


「タロウ様、今回は女王様に呼ばれてローシャとプロシパも来ています。先に話があるということで謁見の間で三人で入っていきました」

 ノエルが俺にそう教えてくれた。

 隊長に関係ある二人だった。

 これだけ人を集めているから余程のことがあるのだろう。

 それにしてもプロシパが呼ばれたのに、その父親は来てないのはどういうことなのだ。


 俺がそんなことを考えていると扉が開きメルチェが入ってきた。騎士団の面々は緊張感が増したように感じたが、王女達はそうでもなさそうだ。

 メルチェと一緒に四人が部屋に入ってきた。

 ローシャとプロシパ。この二人は分かる。二人ともノエルの側に来るかと思ったらプロシパはピラクの後ろへ行った。


「何であんたがこっち来るのよ?」


「あとで女王様から説明があるから黙って待っていなさいよね」

 ピラクとプロシパでそんなやり取りがされていた。


 残りの二人。

 金髪の爽やかイケメンでザ・英雄みたいな男はメルチェと一緒に上座は進んだので彼が騎士団団長なのだろう。

 それにしても若い。ランダのところの隊長以外、みんな若く見えるので女王の交代と同時に代変わりするのかもしれない、と考えてしまう。


 最後の一人は銀髪の外ハネの髪型の少女だ。

 彼女はモニカの横に座った。ということは、第六王女ということだ。

 しかし、お供になるはずの隊長は付いてきていないようだ。


「女王様と同時に入室したから間に合ったってことでいいよね?」

 第六王女は遅刻じゃないと言いたいらしい。


「パルにも事情があるのは分かっている。気にしなくていい。今日は忙しい中、皆を集めたのには理由がある。大事な話なので心して聞くように」

 第六王女はパルというらしい。

 メルチェがそう宣言してから話を始めた。

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