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59.大型陸上魔獣

 村の門へ到着した俺たちは他のゴブリンから報告を受けたグリーンから状況の説明を受けた。


「魔障気からいつもと違う魔獣が出現しました」

 村の外を見ると遠目から巨大な魔獣が現れたことが分かった。しかし、動いていないように見える。そしてそこから狼型や熊型の魔獣が湧いて出ている。


「うちの時と同じじゃ……大型魔獣は出現すると動かなくてもそこから小型の魔獣が湧いてくるのじゃ」

 王女達も付いてきていた。モニカはプロントでのことを思い出していた。

 狼型はブライやサラなど、ある程度戦える者なら対処できる。ただ、熊型は魔力を帯びていないと攻撃が通らない。数が少なければ何とかなるだろうが、大型を退治するで発生し続けるのはさすがにこちらが持たない。

 すでにブライやゲンサン、オークやゴブリンの戦えるものが迎撃に向かっていた。


「大型は止まっているように見えますが、超低速でこちらへ向かっています。あの巨大な魔獣がこのまま前進してきたら村はひとたまりもないかと」

 偵察に行っていたサラが戻ってきてクリスに報告する。

 巨大な魔獣、象に見えないこともないが体の大きさからすると象というよりマンモスに見える。体長は6メートルくらいか。大きな牙もある。他に攻撃をしてこずとも、あれがそのまま全身したらひとたまりもないだろう。


「ご苦労であった。王女達は前線からは避難をしてください。ローシャは私と共に出るぞ。早速、腕輪が役に立つ時が来た。ズザ、ポワン、プワンは村に私達の迎撃をすり抜けてくる魔獣の村への侵入を阻止してくれ。ただし、騎士団ではないのだ。決して無理はするなよ。それとタロウ殿は防壁の上から様子を見て何か打開策を考えて欲しい。頼んだぞ」

 クリスはローシャと前線へ駆けていく。


「私も少しは役立つでしょう、ノエル様のことは頼みます」

 ジョルジュもクリス達に続いた。

 俺はクリスに言われた通り土塁の上へ登った。ここからなら戦況がよく見える。

 王女達も登ってきた。


「危ないですから、ノエル様達は避難を」


「何を言ってるのですか、タロウ様。私たちの村なのです。魔法を使える私も一緒に戦います」


「タロウよ、うちの強さは知ってるじゃろ。うちに任せておくのじゃ」

 ノエルとモニカは前回の戦いで活躍した。ここは頼らせてもらいたい。


「私は水上じゃないから活躍できないだろうし、避難させてもらおうかな」

 ピラクはそう言った。可能ならすぐにリエスと一緒に湖から帰って欲しい。


「なんて言うと思った。水流斬!!!」

 ピラクは水を刃の形にして魔獣目掛けて飛ばした。魔獣達が斬られて倒れていく。


「こうやって水を使えば倒せるのよ。ノエルやモニカばかりに戦わせるわけじゃないじゃない」

 ウォーターカッターの要領で斬撃を与えたのか。俺も練習したら使えるようになるのだろう。ピラクは口調は強めでも仲間思いのいい子だ。


「幸いここはキッタカールじゃ。鉱石を集めてプロントの飛行魔獣にやっつけてやるのじゃ」

 モニカはノエルに許可を貰って鉱石を集めるようにハーピー達に指示をした。


「あのね……私はできること、あまりないかもだけど……モニカちゃんの用事の一緒に……できたら木材も使っていいものがあれば……全部持ってきて欲しいな」

 リエスは遠慮して言い出しにくかったようだが何か策があるようだ。俺はハーピーだけでなく人間やゴブリンやオークにもリエスの頼みを手伝ってもらうように指示した。


 とにかく今はそれぞれでやれることをやるしかない。

 幸いマンモス型の大型魔獣はこちらへ向かってきているが、歩みは遅く対策の準備をする時間はありそうだ。


 だが、無限に湧き出てくる魔獣に対して前線で戦ってくれている皆の体力が無限にあるわけでない。

 早く打開策を見つけないと結局は負けてしまう。時間との勝負だ。


 すぐにキッタカール鉱石はモニカの元に届いた。モニカはプロントでの戦闘の時と同じように魔力を込める。ハーピー達も前回の経験を活かして魔獣に括り付けに飛ぶ。今回は相手が飛んでいない分、楽にできそうだ。

 ハーピー達の合図を確認してモニカが魔法を放つ。


「落雷撃!!!」


 ハーピー達が魔獣にどれくらいダメージを与えたか確認するが、あまり与えられていないようだ。

 飛行魔獣と違って雷は弱点ではないのかもしれない。


 大型魔獣のキッタカール村への侵攻はゆっくりだが続いている。

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