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バタラカッラ 最後の血統  作者: カンボロ


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世代を超えた戦い

最初の大戦!!

初代バタラ VS 継承者バタラ。



「勝利のためなら、犠牲は惜しまん……」

キリヤタマは低く呟き、獲物を狙う獣のように静かに時を待った。


五人の軍勢――キリヤタマ、パンチャカラワ(蠍の五闘士)。

口元を覆う仏像の彫刻のような仮面をつけ、神血シンケツのオルドから跳び出し、

バタラワリを五方から囲んだ。


バタラワリは静かに佇み、背後のガルーダは翼を広げ、戦いに備えて空へ舞い上がる。


「油断するな!」

キリヤタマが半ば叫ぶ。

「お前たちの目の前にいるのは、ただの老人に見えるかもしれん。だが忘れるな――

やつは千年を生き、戦いに鍛え抜かれた人間だ!」


――カチッ…

兵士の肘から柄が飛び出し、長い鎖が引き抜かれる。

その先には蠍の彫刻が刻まれた刃。

カラカラカラカラ……!

鎖がうなりを上げ、バタラワリへと振り下ろされた。


バタラワリは深く息を吸い、口元がかすかに動く。

極めて速い呪文の詠唱――瞬く間に蒸気が全身の毛穴から噴き出し、

プラーナの層が鋼鉄のような防壁を形成する!


鎖がバタラワリを絡め取り、さらに三本の鎖が襲いかかる。

ガシャン! ガシャン! ガシャン!

三人の兵士がその身を縛りつけるが――その瞬間、バフは霧散した。


次の刹那、バタラの肘が兵士の顔面を捉える。

ガンッ!!

金属同士がぶつかるような音。

だが力比べは一瞬――兵士の身体は大きく吹き飛ばされた。


次の瞬間、長剣がバタラの首筋に迫り――スウウウッ!


バタラは素早く身を屈め、両腕で渾身の打撃を叩き込む。

ドンッ!!

再び重々しい音が響き渡る。


――金属の秘術を操る者同士の戦いが、いま熱を帯びていく!


二人のパンチャカラワが倒れると――

バタラワリは肩をすくめ、薄く笑った。


「おい、インドラの孫よ。

見ろ、この子供たち。まだ“墓場のジジイ”に勝てんとはな!」


ユーモアを混ぜた声に、兵士たちの顔が歪む。

しかしキリヤタマはただ冷たく笑みを浮かべ、心の中で呟いた。


――ふん、老いぼれ小僧め。


再び五人がバタラワリを取り囲む。

だがバタラワリの一挙一動には無駄がなく、持ちうる全ての呪術を駆使し、

パンチャカラワを次々と地に叩き伏せていった。


「おい、インドラの孫よ!

一人じゃ足りんのか? もう一人臆病者を連れてきてみろ!

それでやっと、このジジイに追いつけるかもしれんぞ!」

バタラワリは呵々と笑う。


頭上ではガルーダが旋回し、主の戦いを鋭く見守っていた。


その時、パンチャカラワの一人がキリヤタマを見た。

キリヤタマが静かに頷くと、五人は小さな筒を取り出す。

青く輝く液体が詰まった「ファントム・アイス」。


瞬間、五人のプラーナが爆発的に燃え上がる。

危険を察知したガルーダは主のもとへ急降下――

ブオオオオッ……!


その姿は巨大な剣へと変化した。

バタラワリは剣を振り抜き――ブオオオオシュッ!

背後の山が真っ二つに裂けた。


二人のパンチャカラワは一刀両断。

残る三人は間一髪で斬撃を避けた。


三人は地に手をつき、怒涛のプラーナを解き放つ。

秘術――「グントゥル・ブミ(大地の雷)」。

大地から雷鳴が轟き、バタラワリの足元を直撃した。


ジェゲエエエエエエッ!!


防御が揺らぐ。

その隙を突き、一人が剣に稲妻をまとわせ飛び込む。


ビリビリビリッ!!


――ザアアアンッ!!

だがその斬撃はガルーダの聖剣に阻まれ、両者は弾き飛ばされた。


「さすがだな、ジジイ!

これが天獣の力か!

山すら両断するガルーダの剣――!」

キリヤタマが歓声をあげる。


しかしバタラワリは血を吐いた。

「……そうか、これが結末か……。

ありがとう、サン・ヒャン・ウィセサよ。

生も死も、ここで終わりか……。」

心の奥で呟く。


その時、キリヤタマが呪文を唱えた。

天を裂いて一羽の巨鴉が舞い降り、

その姿は巨大な鎌へと変化した。


「ふっ……」

キリヤタマはそれを握りしめ、バタラワリに歩み寄る。

残る三人の兵士は後退した。


ドオオオオオオオオオオオオオオムッ!!


天獣の武器が激突し、周囲数キロにわたり荒れ狂うプラーナの衝撃波。

バタラワリはさらに血を吐き、遠くへ吹き飛ばされる。


だが残された力で呪文を唱え、剣を再びガルーダの姿に戻すと――

「……行け……」

その声に応え、ガルーダは主を離れ、天空へと舞い上がっていった。


「ちっ……所有権を手放すか?」

キリヤタマは舌打ちし、倒れた老戦士に歩み寄る。


「まあいい。いずれ奪い取る。

それよりも……お前の身体だ。

千年を生きたこの肉体――どんな薬が作れるか、楽しみだな。」


バタラワリは血に濡れた口元で微笑む。

――アビマニュよ……この後を託すぞ。


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