新生活
恋愛ものが書きたくて始めた新作です。
今日から俺こと久墨玄哉は高校生だ。
俺にはどうしてもここ私立赤嶺学園に受からないといけない理由があった。
なぜ俺が頑張れたのか、それは彼女の存在が大きい。
東雲陽依さん、中学からの同級生だけど彼女とはあまり話せたことはない。
それでもあの一件以降俺は彼女のことが好きだ、絶対にこの3年間で彼氏の座を勝ちとって見せようと思う。
そのためにはこのクラス発表、ここで彼女と同じクラスにならなければならない!!
勉強も運動も人並み、顔だって普通な俺が彼氏になるにはまずは仲良くならなければ話にならない。
なぜならクラスを制する者は青春を制すのだから。
「俺は2組か… さて問題はここからだぜ…」
俺の苗字は久墨、陽依さんは東雲だ。
つまり俺の名前の少し下に彼女がいるはずなのだ、いなかったら俺の青春は終わる。
「斎藤… 佐久間… あった!!あったぞ東雲!!」
脳内にファンファーレが鳴り響く、これが福音か…
「…哉! 玄哉!」
「なんだ悠來か、今俺は喜びを噛みしめているんだ。」
「そんなの見りゃわかる、相変わらずアホやってんのな。」
この会うなり失礼な男は涼風悠來。
中学からの友人で、黒髪を今時のセンター分けにしたイケメンだ。
しかしこいつはとんでもないオタクなのだ。イケメンが霞んで消し飛んでいく男である。
俺もコイツの顔なら攻められたと思うのだが…
「どうせ東雲さんとクラスが同じだったんだろ?」
「そうだ、これで俺の3年間が光り輝くことが約束された。」
「普通の人間はクラスが被っただけじゃそんな勝ち誇らないんだけどな。」
「どうとでも言うがいい、今の俺は無敵だぜ?」
とは言ったものの中学ではあまり接点を持てなかった、ほんとに大丈夫なんだろうか。
実は内心不安である。
「それではこれでクラスルームを終わりますね~」
担任の先生が優しそうな人で良かった。
クラスの雰囲気もよさそうだし頑張った甲斐がある。
「玄哉くん!クラス一緒だったね!高校でもよろしくね!」
「陽依さん!こちらこそお願いします!!」
なんと陽依さんから声を掛けてくれるとは思わなかった。
相変わらず彼女は可愛い、外面だけが魅力じゃないとはいえ可愛いことに違いはない。
明るい茶髪を少し変わったボブにしていて、目は大きく鼻筋はスッと通っており、肌はシミ一つない美しさを誇っている。
俺の中で美しいという言葉が一番似合う人だと思う。
「陽依~? 誰この人?」
見たことのない人が彼女に声をかける、誰だろう?
陽依はウルフボブです。
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