5 祝祭。(5)
時刻は0時30分。
最初は整理できていなかった6人もようやく理解したのか、全員がどうすればよいのかを話し始めていた。
「――は――――だから、――――――したら?」
「それだと――――――――だよ」
「――――――――――いのり?」
色々な声が重なって聞こえる。
しかし、メイたちどころか、教師の脳に響く声さえも聞き取りにくい。
(犯人は? それを止める方法は?)
何度も頭の中でシミュレーションをする。
時刻は0時55分。そろそろ逃げないと本当に大変なことになる。
時間はまるで塵のように消えていく。
(一体、どうすれば……‼)
そして、また一つのシミュレーションが終わった。
(…………?)
――何かがおかしい。
――そして、全身に静かな衝撃が走った。
(――これだ!!!)
〈いのり、わかったの⁉〉
(――――の能力を持ってる人って、いる?)
〈ぼくが祝祭について詳しくてよかった。――――の能力は、――が持っているはず……!〉
私は頭の中でもう一度シミュレーションをした。
それを踏まえれば、このやり方で成立する。
(教師、追加で質問していい?)
〈もちろん!〉
(ノラの能力がワープだけど、兄弟関係だったら同じような能力になる?)
〈普通はね……。メイとライは攻撃専門と回復専門みたいにちょっと能力は違うけど、司るものはどっちも大地だ。それと似たようになっていて、アイネとアイナは雷。ノアとノラは空間を司っていると思う〉
(そっか……。ありがとう)
〈どういたしまして~!〉
このとき、全てが繋がった。
「犯人は、あなただよね?」
「――――――――――――ノラさん?」〈ノラ?〉
私の教師の声が重なって聞こえる。
(……わかってたんだ)