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転生魔女のがんばり日誌  作者: 諫山杏心
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11話 初めての修行






朝だ。

パチリ、目を覚ました私は勢いよく起き上がる。

さぁ、今日から修行が始まる!

そういき込んだ私はふかふかの毛布をバッと体から退ける。


ベッドから降りた私は、まず洋服を脱いで風呂場に向かった。

昨日はお風呂に入らずそのまま寝てしまったのだ。


風呂場に入ると、そこは不思議なことに元の世界の風呂場に似ていた。

使い方も、一緒なのだろうか?ちゃんとお湯は出るのだろうか?

少し不安に思いつつも、水が出るであろう上下に動かすタイプのレバーを上に上げた。

すると、シャワーヘッドから勢いよく熱めのお湯が出て私の体を濡らした。

この世界にきて初めてのお湯でのお風呂だ!気持ちいい!


思わず興奮した私はそのまま頭を洗う。

そしてふと思った。…シャンプーとかもあったりしない?

そしてキョロキョロと見渡すと、石鹸らしき物が置いてあった。


シャンプーとかはさすがにないらしい。

けど、石鹸があるだけマシだ。

リリスはその石鹸を手に取ると、頭と体にゴシゴシと擦り付ける。

そしてそのままお湯を含ませ、泡立てた。

前の世界のものより香りも使用感も劣る。

なんだかべっとりしているし、香りも獣臭い。

…それでもないよりマシだ。


そこからたっぷり約30分、私はお風呂を楽しんだ。

お風呂場から出た私は血色もよく、ピカピカになっていた。








風呂を楽しんで洋服を着てのんびりしていたら、

コンコン、とノックの音が響いた。

フェイン様が来た。そう思い「はーい」と言いながら扉を開ける。

そこには真っ白で昨日よりラフな格好のフェイン様がいた。


「おはよう、リリス。よく眠れたかい?」


「ええ、それはもう!

こんな良い部屋を貸してくださって、

本当にありがとうございます!」


私は満面の笑みでお礼を言った。

すると彼も嬉しそうにうんうんと頷く。


「愛し子は人にお礼が言える良い子だね。

そんなに喜んでくれたなら、僕も嬉しいよ。

…さて、リリス。早速だけど、修行の時間だ」


着いておいで、と言ってフェイン様は部屋から出ようと歩き出す。

私はワクワクしながら彼に着いていく。


部屋から出て少し歩いた所で彼は立ち止まった。

そこはカウンターキッチンとテーブルと椅子のある部屋だった。


「さて、早速修行をしてもらおうか。

君にはきっと、座学とかするより、

感覚で掴んでもらった方が早いしね」


そう言ってフェイン様はキッチンカウンターの中に入って行く。

私もそれに続いてキッチンに入った。

そこには水が延々と流れているシンクと、

魔法具だろうか?コンロの様な物。

壁には調理道具一式がかかっており、

床には大きな箱が3つ並んでいる。

食器の入った食器棚は壁を背にして置いてある。


「これら調理道具は好きなように使っていいよ。

それと、食材はこの箱の中だ。

奥の箱の方から凍った食材、冷えた食材、常温の食材が入っている。

…そして、修行を始める前に君にプレゼントだ」


そう言ってフェイン様は自分の服のポケットから

小さな箱を取り出した。

その箱を私に渡し「開けてご覧」と言う。なんだろう?

気になった私はその箱を開けた。

…中には入っているのは、眼鏡だった。


「眼鏡…?」


「そう、眼鏡。でもただの眼鏡じゃない。かけてご覧よ」


ニコリと微笑みそう言うフェイン様に頷き、その眼鏡をかけた。

そしてフェイン様の方に目を向けると

…そこには異様な光景が映っていた。


「フェイン様が青い!?」


そう、フェイン様の体が真っ青になっていたのだ。

しかもただの青じゃない。薄い白や水色が混じっているその青が、

まるで川の水のようにフェイン様の体を巡っているのだ。


「驚いたかい?実はその眼鏡はね、魔力を可視化できる代物なのさ。

まだ魔力を視ることができない今の君にはピッタリだと思ってね。

これなら修行が捗るだろう?」


確かに。魔力の流れがわかれば、

調理をしている時も魔力を込められているかどうか分かりやすいし、

魔力のコントロールもしやすそうだ。


「何から何までありがとうございます!」


感激して私がお礼を言うと彼は

「美味しい食事を期待しているよ」と部屋を後にした。


よし。こんなにも良くしてくれているのだ。

彼には美味しいご飯を食べてもらわなくては。


チラリと壁にかけてある時計を見る。

すると、もうあと2時間でお昼という様な時間になっていた。


今から作るともうお昼だし、ガッツリしたもので良さそう。

そう思い服の裾を上げ、気合を入れた私は

早速冷えた食材が入っているという箱を開けて中を見た。


中には鶏肉と豚肉と牛肉らしきもの、

果物や野菜、液体が入った複数の瓶が詰められていた。

…うん。初日だし、簡単にステーキにでもしようか。

そう思い私は牛肉らしき分厚い肉を取り出した。


肉を常温に戻している間に他にも何か作ろう。

私は常温の食材が入っているという箱を開けた。

そこには元の世界でも見知った野菜たちが詰まっていた。

そこから(この世界での名前を知らないが)

人参、ジャガイモ、玉ねぎを取り出す。

おっと、ニンニクも忘れてはいけない。


まずはスープ作りだ。スープは魔力を込めずに作ってみよう。

味付けは…そうだ。簡単にだけど、ガラで出汁を取ろう!

そう思い、再度食材が冷えた箱を開けた。


鶏肉は、っと。…あった。ちゃんと骨付きだ。

お目当ての物を見つけた私は上機嫌でそれを取り出し、

キッチンの上に置いた。


さて、早速料理をしていこう。

まずは野菜を切る。食べやすいように全て一口サイズだ。

切った野菜たちは野菜別に皿に入れておく。


そしてお次は鶏肉。肉の部分を削ぐように切っていく。

そして骨を鍋にいれ、たっぷりの水を入れて火にかける。

肉の部分はもったいないので、今日の夕食にでも使おう。

お皿に入れて冷蔵保存だ。


ぐつぐつ、鍋が沸騰してきた。

浮いてきたアクを丁寧にお玉で掬って捨てる。

それを繰り返して少し経つと、お湯の色が変わってきた。

試しにスプーンで掬って飲んでみたら、

美味しいチキンの味が口いっぱいに広がった。

短時間しか煮込んでいないが、

この世界の鶏は出汁が出やすいのだろうか?


早速出汁の中に切った野菜たちを入れていく。

まずは人参とジャガイモ。火の通りやすい玉ねぎは後入れだ。


煮込んで玉ねぎも入れ、塩胡椒をして更に煮込む。

試しに一口味見をする。…うん、美味しい!


この世界に来て初めて出汁があるスープを前に、

私はニヤリと笑った。


フェイン様の反応が楽しみだ。



ブクマ・星評価ありがとうございます!


お料理シーンっていいですよね。

書いててとっても楽しいです。

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