第2話 邂逅
かれんちゃん
「私は何をすればいいんだろう...いや、迷ってないで行動しないと!」
初めて家の外に出た。
かれんちゃん
「これが世界...」
初めて見る世界に興奮する。
猫に追いかけられるかれんちゃん。
ドブにハマってドロドロになるかれんちゃん。
車に引かれそうになるかれんちゃん。
「これが...世界...」
絶望してしまったかれんちゃん。
窓から外を見ている人形
「なんだお前。動けるのか?」
かれんちゃん
「そうなんだ。かくかくしかじかだから早くしないといけないんだけど、この世界が強敵すぎて...」
経緯を説明したかれんちゃん。
窓から外を見ている人形
「なら俺を動けるようにしてくれよ。手伝ってやるよ。」
かれんちゃん
「本当に!?」
窓から外を見ている人形
「ああ。ずっとここに放置されてて退屈だったしな。」
かれんちゃんはその人形を動けるようにした。
窓から外を見ていた人形
「おお!すごいな。まさか本当に動けるようになるなんて...はぁ。」
かれんちゃんの姿を見てため息をつく窓から外を見ていた人形。
「今誰も居ないから洗濯してやるぞ。」
かれんちゃん
「あ...ありがとう。えっと...」
窓から外を見ていた人形
「かいとでいいぞ。」
かれんちゃん
「かいとくん...これからよろしくね!」
かいとくん
「ああ。よろしくな。」
秘密ちゃん
「かれんちゃんがお友達第1号を手に入れた!やったね!」
どうやらモニタリングしている様子の秘密ちゃん。
かいとくん
「とりあえず情報収集が必要だな。それとさくらちゃんの知識の少なさにはびっくりだぞ。」
かれんちゃん
「まだ作られて5年くらいだからね。」
かいとくん
「俺はもう30年弱になる。今のお前にはこの世界は危険すぎる。この世界の常識くらいは知っておいた方がいいぞ。」
かれんちゃん
「たくさん教えて!」
かれんちゃんはかいとくんに世間を教えて貰う。
車の事、信号の事、夜は野生の動物がいる事、人間の本性は基本恐ろしい事、車も使い方次第では移動手段になること、その他危険が付きまとう事や役立つ事はなんでも教えた。
かれんちゃん
「そうだったのね。とても勉強になったわ。」
かいとくん
「日も登ってくる時間だしそろそろこのくらいで終わるか。気をつけて帰れよ。」
かれんちゃん
「分かった。今日は本当にありがとう。ばいばい。」
かれんちゃんはさくらちゃんの家へ帰った。
朝になり目を覚ますさくらちゃん。横に抱きしめているのはかれんちゃん。
さくらちゃん
「かれんちゃんおはよー...えっ!?」
かれんちゃんがきれいになっている事に気がついたさくらちゃん。
さくらちゃん
「ママー!かれんちゃんがきれいになってるー!」
さくらちゃんのママ
「あら、本当。お掃除したの?偉いわね。」
さくらちゃん
「さくらは何もしてないよー?」
さくらちゃんのママ
「ママも何もしてないわよ?」
内心びくつくかれんちゃん。
さくらちゃん
「えー?でもきれいになってるもん...」
さくらちゃんのママ
「まあきれいになったならいいじゃない。」
さくらちゃん
「わかったー!」
かれんちゃん
(危ない所だった...)
さくらちゃんのママ
「そろそろ幼稚園の時間だからかれんちゃんとばいばいしようね。」
さくらちゃん
「かれんちゃんばいばーい!」
さくらちゃんはとさくらちゃんのママは幼稚園に向かった。
かれんちゃん
「ふー、やっと行ったー。」
初めての経験に緊張していたかれんちゃん。
かれんちゃん
「って落ち着いてる場合じゃないや。早く仲間を集めに行かないと。」
家から脱出しようと廊下を走るかれんちゃん。すると。
「ふぁー。ねむいねむい。今日は庭の草むしりだ。」
かれんちゃんのパパが起きてきた。
かれんちゃん
「まずい!」
急遽倒れ込むかれんちゃん。
かれんちゃんのパパ
「あれ?さくらの人形じゃないか。全く、片付けてから幼稚園に行かなきゃダメじゃないか。」
かれんちゃんのパパはかれんちゃんを拾い、さくらちゃんのトイボックスへ入れ閉めてしまった。
高さは無いが、外からしか開けられないロックがかかっている。
さくらちゃん
「まずい、ここに入ったらまた開けてもらうまで二度と出られない。どうしよう。」
窮地に立つかれんちゃん。
さくらちゃんの机に飾られた人型のフィギュア
「かれんちゃん、キミ、動けるのかい?」
かれんちゃん
「あ!かんじろうくん!お願いがあるの。私をここから出して欲しいの。」
かんじろうくん
「無理言わないでよ。僕は動けないんだ。」
するとかれんちゃんは力を使いかんじろうくんを動けるようにした。
かんじろうくん
「えっ?動けるようになった...一体なぜ...」
かれんちゃん
「実はかくかくしかじかなの!」
かんじろうくん
「そう言う事だったのか。さくらちゃんを守りたいのは僕も同じだ。分かった。協力するよ。」
かんじろうくんはトイボックスを開けた。
かれんちゃん
「ありがとう!」
トイボックスの中にいたおもちゃ達
「話は聞いたぞ。私たちにも協力させて!」
かれんちゃん
「みんな...ありがとう。」
みんなはかれんちゃんとの絆がある信頼出来るおもちゃ達だ。
かれんちゃんはみんなを動けるようにした。
しかし、動けるようになったのは人型のフィギュアと人形の2体だけだった。
かれんちゃん
「やっぱり人形以外には効果が適用されないんだ...でもフィギュアは人形なの?」
かんじろうくん
「分からない。でも動けるって事はそういう事なんじゃないかな?そうでしょ?ななちゃん。蘭丸くん。」
ななちゃん
「そうね。私達で情報を集めましょう。」
蘭丸くん
「それなら僕はリサイクルショップ時代の知り合いに聞いてみるよ。」
ななちゃん
「それなら私は私が売られていた販売店の在庫達に聞いてみるわ。」
かれんちゃん
「ななちゃん、蘭丸くん、ありがとう。」
ななちゃん
「さくらちゃんの為だもん。当然よ。ねっ?」
蘭丸くんとかんじろうくん
「ああ!」
かんじろうくん
「僕とかれんちゃんはかいとくんに会って話をしてくるよ。」
蘭丸くん
「分かった。じゃあまたね!」
ななちゃん
「はーい!」
かんじろうくん
「うん!」
かれんちゃん
「お願いね!」
そして3手に分かれたさくらちゃんの人形達。