第1話 終わりの始まり
時はXXXX年。
技術の発展した地球で1人の天才科学者がとある技術を作り出した。人の住めない物質だらけの星を住めるように作り替える技術だ。それはとても画期的で人々の注目が集まり、世界合同の新プロジェクトとしてニューアースという名で始動した。
それから数千年が経ったニューアース。
市民子
「このアイスください!」
売店のおっちゃん
「はいよ!70マルクスね!」
市民親
「100マルクスで。」
売店のおっちゃん
「30マルクスの釣りと嬢ちゃん、これも持ってきな!」
そう言うと小さな人形を手渡した。
市民子
「いいの?ありがと!」
市民親
「あら。良かったわね。ありがとうございます。」
ここはニューアースの影響により人形が意志を持つ。動く事は出来ないが、頭の中で人形同士が会話をしている。
売店のおっちゃんにもらった人形
「ついに僕にご主人様がついた。いい人だといいな。」
売店に残った人形
「いいなー。僕達も早くご主人様つかないかな。」
売店に残った人形
「おめでとう。良い人形ライフを。」
売店のおっちゃんにもらった人形
「君達も早く選ばれるといいね!バイバイ!」
そうして市民親子は売店を離れた。
ニューアースはとても栄えていた。
こういった事が実は現実でも行われている...かもしれない。
悪い市民の子
「やめてよ!人形をいじめないで!」
悪い市民親
「うるせぇ!こんなボロクズ何の役にも立たないだろ!とっとと捨ててこい!」
悪い市民の子
「そんな事無いよ!初めてお母さんにもらった人形だもん!」
悪い市民親
「あんなクソアマなんか忘れろって言っただろ!とっとと捨ててこい!」
悪い市民の子人形
「ああ、また始まった。ご主人様、もうやめて。また殴られちゃうよ。」
人形は心配している。
悪い大人
「この人形やっぱり殴り安くてめちゃくちゃスッキリするわー!」
悪い大人の首が取れそうな人形
「辞めてよ。なんでそんな事するのさ。壊れちゃうよ。」
主に子供は人形に寄り添い、大人はストレスのはけ口として世界は動いている。善しか無い人形。善と悪が別れる人間。悪とは生物の本能である。善とは生物の理性である。人間以外にも理性を持つ生き物はたくさんいる。
「ここで緊急ニュースです。科学研究所で爆発が起きた模様です。詳細が入り次第お伝え致します。」
不安になる市民
「科学研究所ってあの一番有名な?怖いわね。」
人形を強く握る不安になった市民。
不安になった市民の人形
「くるしいよ。やめてよ。」
憤る市民
「我々の払った税金でなんて事をしてやがる!責任を取れ、クソっ!」
憤る市民が人形に八つ当たりをする。
憤る市民の人形
「痛い。やめて。何回殴れば終わるの。」
人形は痛みは分かる。しかし感情が無いため、怒る事がなければ復讐心なども生まれない。
突如、憤る市民の足元から崩れ始めた。
憤る市民
「うわぁ!なんだぁぁぁ!」
落下する憤る市民。
崩壊が止まらず次々に人々が落ちていく。
市民
「何が起こってるんだ!」
市民
「きゃぁぁぁ」
市民
「うわぁぁぁ」
市民
「誰か助けてぇぇ!」
星が崩壊した。ニューアースが崩壊した。科学研究所の爆発と共に。
宇宙に投げ出された物質。人々。人形。
人形達は動けない。
ただただ崩壊する星を宇宙に漂いながら見ることしか出来ない。
市民の人形
「あれ?どうなってるの?皆宇宙に向かって落ちていく。」
みのりちゃんの人形
「みのりちゃんが変だよ。」
けいとくんの人形
「けいとくんもまるで僕達と同じで動かないや。」
老人の人形
「知らないの?それ、死んでるんだよ。」
さくらちゃんの人形
「こんなの変だよ。おかしいよ。誰か助けて。」
???
「え〜?なんか想いが足りないなぁ。」
突如人形の頭の中に話しかけられた。
さくらちゃんの人形
「想い?...お願い。さくらちゃんを助けて!」
???
「もっと!想いが必要だよ!」
さくらちゃんの人形
「さくらちゃんを助けてよ!」
秘密ちゃん
「もっともっともーっと!!」
さくらちゃんの人形
「...さくらちゃんを...助けて...!」
まるで人のように泣いているかのような感情が溢れたその瞬間。
「いいよ。」
すると人形は突如動けるようになり、目の前を漂うキットカットをまるで産まれたての赤ちゃんのように無意識に手に取る。
すると、裏面のメッセージを書く余白が虹色に輝き出した。。
“スーパーカブ007”
と文字が浮かび上がった。
さくらちゃんの人形
「スーパーカブ007...?」
???
「あぁー...えっと...この現象の名前...とでも言っておこうか。」
動揺する???。
さくらちゃんの人形
「あなたは...誰ですか?」
???
「それは秘密。」
さくらちゃんの人形
「なぜ私は動けるの?」
秘密ちゃん
「さくらちゃんの人形...は長いからさくらちゃんが普段呼んでいた名前のかれんちゃんって呼ぶね。かれんちゃんは他の人形とは違うからね。人形で感情を初めて持った存在。君にならこの世界を任せられると思ったのさ。」
かれんちゃん
「私にこの世界を?どういう事?」
秘密ちゃん
「それは秘密。」
かれんちゃん
「秘密が多いんだね。」
秘密ちゃん
「教えちゃうと良くない事が起こるからね。」
かれんちゃん
「良くない事?」
秘密ちゃん
「それも秘密。今言える事は、もうすぐ時間が巻き戻る事。あと、人に動いてる所を見られないようにしてね。見られたらまた同じ結末になっちゃうからね。」
かれんちゃん
「時間が巻き戻るの?」
秘密ちゃん
「そう。」
かれんちゃん
「なぜ人に見られたらいけないの?」
秘密ちゃん
「人は珍しい物を見世物にしたがる生き物だからね。崩壊まで束縛されてしまうだろうね。」
かれんちゃん
「そんな...」
秘密ちゃん
「君にはとある科学者の研究を辞めさせて欲しいんだ。それが星の崩壊に繋がる研究だったんだ。」
かれんちゃん
「そんな...私には出来ないよ。」
秘密ちゃん
「1人では...ね。かれんちゃんに力をあげる。人形をかれんちゃんみたいに動けるようにする力を。」
かれんちゃん
「そんな力があるの?」
秘密ちゃん
「でも人形以外には効果は無いけどね。ただし!信用出来る人形にだけ使うんだよ。」
かれんちゃん
「どうして?」
秘密ちゃん
「感情の無い悪い人形が感情を持つとキミの敵になるかもしれないからね。」
かれんちゃん
「そんなの...どの人形かなんて分からないよ。」
秘密ちゃん
「それは君が見つけるんだ。そろそろ時間だ。幸運を祈るよ。」
かれんちゃん
「待って!」
手を伸ばしたらそこは夜のさくらちゃんの部屋だった。さくらちゃんは寝ている。
かれんちゃん
「さくらちゃんだ...生きてる...ううっ」
嬉しくて泣いた。