表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/173

プロローグ

 中嶋尋は勇者になりたかった。

 剣や魔法で人々を助ける、そんな存在になりたかった。

 しかし、彼にはその資格がなかった。

 運動も勉強も平凡未満の高校生が抱いていい幻想ではなかったのだ。


「尋くん! 尋くん!!」


 その日、すべてが大地震と共に崩れ去った。

 崩壊した屋上から投げ出された尋の身体に向けて、唯一の親友が手を伸ばしていた。


「真央! 嫌だ……俺は、俺は!!」


 尋もまた、真央の手に向けて右腕を伸ばしていた。

 だが彼女の伸ばした手は遠くなり、刻一刻と見えなくなってゆく。


「なんでだよ……なんでいつも何もできないんだ!」


 子供の頃は、何でもできると思っていた。

 だが歳を重ねるごとに、自分は何もできないことに気がついていった。


「……ひでぇよ、神様……」


 もし次があったなら、誰かを守れる最強が欲しい。

 淡い幻想を抱きながら、尋は奈落に落ちていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ