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夜咄

作者: 坂本 尊花

寝る前、ノリで書きました。

変なところあるかもです。

ご了承ください・・・。

夜、私は話を始める。

夜咄というものだ。私は今日が初めてである。

夜咄が初めて、というのはちょっと言い過ぎだとあの夜月は語るかもだけど、しかし家のしきたりで就寝が夜の8時である私にとってこれほど嬉しい日はない。

夜景をバックに酒を呑む、なんとも豪華絢爛な都会の夜風を浴びて街灯という太陽に消えゆく。

夜の街は眠らない、いつもなら私が眠る時間、やはり夜は眠らない。つられて私も眠らない。

夜咄の理由、眠らない理由、聞いてもらいたいな。

夜ももう深いけど、いいかな?

夜に駆けたい、なんて考えて流行りに流されるままに夜行バスに乗ってこんな街中まで来た。結局のところ夜な夜な家出したわけだ。もう二十歳、もう大人で、夜の東京も怖くなくなってきた。だけど、独りきりの夜は怖い。まるで自分だけが世界に取り残され、皆は夜に呑み込まれてしまったかのような錯覚になる。

夜は実際、そうかもしれない。誰もが夜の何かに、月夜の光か何かに魅入られて見入ってになる。

夜が明けるまで、酒場も橋もルナティック。明けない夜は無いというから大丈夫だけど、人々の心を放つは夜にありと見た。もし夜が長ければ、人々の内に潜む夜がーーー欲望や悪意や正義やら雑多な物物が現実の夜に侵攻するだろう。そうはなってほしく無い。

夜にそびえる我が家は、誰もいないと寂しいかな?

夜も半ばに差し掛かった、そろそろ帰るとする。

夜にいきなり飛び出して、家出するのは少し悪い。深夜に遊びまわるなど尚悪い。でも、それらは全てこの夜が悪い。遊ばせる気にする夜が悪い。

夜の交差点、あの日、夜に消えた両親が悪い。

夜の学生塾、独り残された夜が悪い。

夜なのに黎明が来ない、私の夜が悪い。

夜、私は話を終わらす。

夜咄は話すぎては面白みに欠けるから、これで終了。

夜の話は、もう終わった。

夜に、私の話は終わった。

夜咄は、もう終わった。今、終わった。

夜景をバックに夜風に当たりながら夜月の下夜間に、夜は深まりまた一人の人を呑み込んだのだった。

コメントが欲しいです。(おわり)

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