第4話「手がかり」
教室に着き自分の席に座ると、朝のホームルームが始まった。まずは新学期恒例の自己紹介からだ。
僕は自分の名前や趣味等当たり障りのないことを話し、自己紹介を終える。
他のクラスメイトが自己紹介をする中、どうやって幼馴染をこの学校から見つけ出すかについての方に意識が移る。
幼馴染の手掛かりと言えばユキという名前と、綺麗な黒髪。僕の高校は中々校則が厳しく、染髪をしている生徒はいないため基本的に全員黒髪である。髪の色は全く手掛かりにならないであろう。ユキという名前の方はかなり大きな手掛かりになるのではないだろうか。ユキが苗字か名前に入っている人数は全校生徒を合わせても相当少ないであろう。ただ苗字が幼いころから変わってしまった場合も考えられるので100%絞れるというわけではないだろう。となると、ある程度目星をつけてその子と仲良くなり、過去の共通の思い出があるか確認するしかないだろうか。
とりあえず僕は全校生徒の名前にユキを持つ人がいないかを確認するために、昇降口に向かった。そう、今日は新学期であるため全校生徒の名簿が張り出されているので生徒の名前が確認できるのである。
僕は昇降口に向かうと名前を確認し始める。
「えーっとユキ、ユキ……」
全員の名前を確認し、一息ついて整理し始める、
苗字にユキがつくのは3-Bの雪村奏多という先輩だけみたいだ。逆に名前にユキがつくのは二人いる。一人は1-Aの三船由紀、もう一人は1-Eの高村有希という子みたいだ。
なるほど。雪村さんも知らないし、新入生の三船さんと高村さんも全く知らない。とりあえず3人まで絞れたのは良かったがここからどうしようかな。
「その顔を見る限り、何かしら幼馴染を探す方針はついたのかしら」
校内に入ってから、ここまで沈黙を守っていたエルミラがそう口を開く。
僕は周囲を見渡して人がいないことを確認してから答える。
「まあ何人か目星はついたかな。後はその子たちと話す機会をどうにかして作って、長以内頃に僕と公園で遊んだことがあるかを聞くだけ。」
「なるほどね。ただそのプランには一つだけ欠点があるわ」
「欠点?その子たちとどうやって話す機会を作るかとか?確かにそれはどうしようかなと思ってるけど」
「違うわ。たとえ過去の出来事について聞いてもその子が何も覚えていなかったら?もしくはそんな思い出は無いととぼけられたら?」
「確かにその可能性はあるかもしれない。けどとりあえず手掛かりがそれしかないんだからやってみるさ」
僕はそう答え、休み時間が終わる前に教室に戻った。