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勘違いと妄想とジオラマ

こいつなに見てんだ?


穂香がガン見している立て看板に書かれてあるもの。

それは穂香がもしかしたら自分の為に開催しているのではないかと一瞬勘違いしかけた特別展示の世界遺産ジオラマ展である。


どうしよう世界遺産ジオラマ展って…見たい凄く見たいでも赤池くんをどうする?はぁぁ知ってたら一人で来たかったよ。


と思いながらチラッと不比等を見ると同じ立て看板をガン見していた。


同じ看板見てるのかな?いやいやあり得ないでしょ。でももし見てたとしたら…


穂香は思いきって


「あの私あれを見に行ってくるんで待っててもらえますか?」


と指差した


「は?」


と不比等がポカンとしていると


「ダメですかね?」


穂香が申し訳なさそうにしている。


はぁ?一人でって新手の気の引きかたかよ?


横にあるホラーハウスを見ていた不比等は


なるほど、俺がついてくるのを見越しての一人で行きますだな。そんで暗いところに男を誘い込んで吊り橋効果を狙って手中に納めるって魂胆丸出しとは、初めてって言ってたくせに男の気を引くの慣れてるなんて、コイツって本当に腹黒い女だな


と思いながら穂香を見ると凄く期待をした目で立看板を見ている。不比等は


いいじゃんアンタの腹黒さ俺が暴いてやるよ


「分かった俺がついて行けばいいんだろ行ってやるよ」


と言うと立ち上がった。そんな不比等に穂香は驚いて眉間にシワを寄せてチラ見をして


はっ?ついてってやるってなんですか?一人で十分なんですけど…

それに、この展示は明後日までだからとっとと行かなきゃだし

でも…こんなイケメンと一緒に行くなんてもう二度とないかも知れない

あぁお願い誰かエジプトの衣装を持ってきてちょうだい、そうねクフ王にメンカウラー王に…いやいや此処はツタンカーメン様でしょう。

黄金のネメス冠にウジャトの胸飾りとスカラベの胸飾りも重ねて、ヘカとネケクを持たせて黄金のサンダルを履いて…


妄想全開で赤くなったりうっとりしたり照れたり考え込んだりどうしたもんかとコロコロ表情を変える穂香を怪訝な顔で見ていた不比等は


なんだ顔面七変化か!バカみたいに表情をコロコロ変えやがって本当に気持ち悪いな、絶対に変なことを想像してんだろ。


と身の危険を感じつつ


「おい一緒に入ってやるって言ったけど絶対に変なことだけはすんなよな」


と言い不比等が歩き出した。


変なことってなに?なんの事?

…まさかコスプレさせようと考えていたのがバレた?いやいやまさか


とぐるぐる思いながら穂香は不比等のあとを慌てて付いて行くと不比等がホラーハウスの前で立ち止まった。穂香がキョトンとして見ていると不比等が


「ほら、ここで良いんだよな」


とホラーハウスを指差した。それを見た穂香はワナワナと目を点にして


「なんですかそれ‼️違います。そうじゃなくて私が行きたいのはこっちです」


と言うと不比等は立て看板とホラーハウスをキョロキョロ見て


はい?世界遺産ジオラマ展…


「ってそっちかよ」


と不比等がおもいっきり突っ込みをいれると穂香が微笑み


「はいっジオラマ展です。でもこれは、めったにお目にかかれないジオラマ展なんですよ」


ドキッ


えっ…ドキッってなんだ?どうした俺


嬉しそうな穂香とは対照的に不比等は戸惑いながらも


「いや俺も好きな方だから知ってるし」


それより待っててってなんなんだ?こいつ一人で楽しみに行くつもりか?いや勝手に行けばいいんだけど俺もジオラマ気になる…


「もしかして、赤池くんも好きなんですかジオラマ」

「ああ、この規模のジオラマ展が珍しいの知ってるし。て言うかこういうの気になるって…あんた変わってんな」


穂香は明るい表情になって


「はいっ、大好物ですから」

「おま好物って食いもんかよ。本当に変わってんな」


と言って笑う不比等を見て


ん?あれ?何か思ってた反応と違う

もっと冷たいかと思ってたのに

こう眉間にシワ寄せて無口で睨み付けて黙れ岩石がって感じだと思ったんだけど


「おい、なにしかめっ面してんだよ」

「あっいやその…」


思いがけず不比等と目があった穂香はひきつりながら意を決して


「一緒に見ます?」

「へ?」

「あっ嫌ならいいんです。私は一人でも十分なので」


と言う2人の後ろを何組ものカップルが不比等をちらりと見て通りすぎ過ぎていく。


何なんだよアイツら気味悪いな


と不比等が思っていると


「あれ見てみろ、情けない男だな女の子いじめてるぞ」

「恥ずかしいわねとっとと入ればいいのに」

「やだぁ女の子可哀想!」

「入り口でもめるなんて男の風上にもおけないな」


と言う声が不比等の頭のなかで鳴り響く。固まったままの不比等が心配になった穂香が


「すいません無茶を言いました。大丈夫ですから赤池くんは好きなところに行ってきてください」


と言うと不比等は


はあ?コイツこんなカップルだらけの所で俺に一人で歩きまわってこいっていうのか。それって…


「さっきのヤツだ、やっぱりフラレたのか恥ずかしー」

「女をバカにしてるくせにあんたが一番のバカよ」

「本当よね~」

「おい不比等どうした」

「あータジ聞いてくれよ!みんなひどい言い方して」

「そうか相手にしてもらえないのか…お前って可愛そうなヤツだな。まさかお前は男が好きなのか…俺か?俺が好きなのかそうだったのか」


と迫ってくる碧人。


うわぁぁぁぁぁぁぁ


最悪の想像が頭をよぎった不比等はその想像をかきけすように


「俺も見に行く」

「はいっ?」


と言い入っていった。穂香は驚いて慌てて付いて行った。


「うおおおおエジプトの三大ピラミッドことギザのピラミッドだぁ」


と目をキラキラさせて駆け寄る穂香。


「なんてこと中の構造解説の図面までちゃんとあるし至れり尽くせりじゃないですか。きゃーこのスフィンクス可愛いこっちには屈折ピラミットにサッカラのピラミッドでしょ、カルナック神殿にルクソール神殿と…うおっラムセス二世様のアブ・シンベル神殿があるう~」


コイツ心の声が漏れまくってるぞ


不比等が隣にいることなど気にもせず穂香は我が世界に入っていた。それを見ていた不比等は


これはどういう作戦なんだ?そうか心の声が漏れまくりで夢中になってる私って可愛いでしょ作戦か


と考え込んでいると、そんなこととは露知らない穂香が


「赤池くんこっちはイシス様とハトシェプスト様の神殿ですよ絵画(かいが)やレリーフがあってすごく素敵なんです」


と興奮ぎみに話しかけてくる。


「レリーフねぇ」

「カルナック神殿のオベリスクを運ぶ様子とかほかにも色々壁画に書かれていて、当時の様子が生き生きと表現されているからすごいの」


と一生懸命に説明する穂香を見て


知ってるし俺をなめんな…でもコイツ楽しそうだなさっきとは段違いじゃないか


と不比等が思っていると穂香が小走りで奥に向かっていき


「うわぁエドフ神殿だこの繊細なレリーフがたまりませんなぁ。いつか本物をこの目で見てみたいなぁ」


これは知らなかった…なかなか綺麗だな


うっとりと見ている穂香の横でほぉーと感心しまくりで見ている不比等。不比等がいる事を思い出した穂香が


「うわっすいません私ったら一人で暴走してました。ツマらないですよね私をお気になさらず出ていっていいですよ」


と言って来たので不比等は驚き


だから何なんだコイツ俺と一緒は面白くないし邪魔だから出ていけってか。


「別に面白いし、久しぶりに模型作りたくなったし」

「えっ模型作るんですか?」


キラキラした尊敬の眼差しで見てくる穂香にひきつりながら


「ああ、まあ」

「あの資料画像なら本をお貸ししますので、出来たら見せてくださいお願いします」


と言われ少し気分のよくなった不比等は


「わかった見せてやるよ」


と言うと穂香がはにゃっと笑って


「楽しみです」


ドキッ


いやだからドキッって何なんだよ


不比等が戸惑っていると


「あの…と」

「と?」

「とっトイレに行っても」


と穂香が困った顔をした。


「えっあっ」


不比等は動揺を隠しながら


「分かった、じゃあ先に見て出とくから」

「はいっありがとうございます」


と言い穂香はトイレに向かった。


はぁ何なんだよメチャ疲れる…


不比等はジオラマ展を見ながら出口に向かった。

トイレから出て不比等のことを忘れてジオラマと説明の地図を嬉しそうに見ていた穂香だが


「あれ?何か忘れて…あー」


あわてて外に出ると向かいにあるベンチに腰かけた不比等がウトウトしていた。穂香は悪いことしたなぁと思つつい不比等のとなりに座った。


心春ったらまだ戻ってこないなぁ。それにしても赤池くん気持ち良さそう…それにまつげ長いし


ふと手を伸ばしかけた自分に


うわっなにやってんの私は、ごめんなさい神様もうしませんから許して


と祈ったあと


でも、本当に気持ち良さそうだから起こすの悪いし、もうしばらくこうしていよう。そうしよう


どれくらい時間がたったのか。多分20分くらいだろう


コツン


不比等は肩になにかが当たり目を覚ました。


なんだ?


と見ると隣に座っている穂香が不比等の肩に頭をのせて寝ている。


バクバクバクバク


これは何なんだ?


不比等は驚きどこうとしたが身動きできない。


落ち着け俺大丈夫だ、まあ俺と同じでコイツも気を使ってたんだろうし疲れるのは同じだ、よしここは俺様の肩を仕方なく貸してやろう


と頷き暫くそのままでいたが


ドッドッドッ


と心臓の音が大きくなって行く。


うわぁぁぁもたねぇ心臓がもたねぇ…やっぱりこれもコイツの作戦かもしれないぞ騙されるなオレ


と思い直し


「おい何時までそうやってんだ起きろ」


と言うとホエッと言いながら起きた穂香は目の前にいる不比等と目があった。


「うぎゃぁ」

「うわぁ」


と言い後ろに飛び退くとベンチからずり落ちる穂香。


こっちが驚いたぞ


やだ痛い…恥ずかしい…もう帰りたいよ


ひきつる不比等とぐるぐるしている穂香。不比等はビックリしたのを隠すようにぶっきらぼうに手をだし


「みっともないからほら立てよ」


と引っ張り立ち上がらせてくれた。穂香は恥ずかしそうに横を向いて


「…ました」


と言うと少しイラッとした不比等はつい


「はあ?聞こえないハッキリ言えよ」


と言ってしまった。穂香がビクつきながらも


「ありがとうございました」


と大きな声で言うと不比等の顔が真っ赤になっていった。


やばっ俺なんかへんだぞ


何で真っ赤になっているのか訳のわからない不比等。そこにやっと碧人と心春が戻ってきて2人を見て


おっとぉこっちもなんかあったみたい


と顔を見合せにっこり微笑んだ。

上半身ははだかで腰に白い布を巻き、ネメス冠…ツタンカーメンの黄金のマスクで頭に被っている冠をかぶり、ウジャト…ホルス神の左目、魔除けの護符を、胸に飾る。スカラベ…フンコロガシ(汗)ですが太陽を運ぶ神なので守護と繁栄の結構大きめの胸飾りもつけて、ヘカとネケク…ファラオが両手に持っている(しゃく)と杖の事を持ち、サンダル…ツタンカーメンの黄金のサンダルをはく…とまあこんな感じで想像してください。

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