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扉を開けるとそこは新しいスタートだった

とうとう不比等と穂香が終わりです!

「なあ、まえに何で女性のことが嫌いになったか話した事あったよな」


当然話をふられた穂香が戸惑いながら


「えっ?ああうん」


と言うと複雑な顔をした不比等が


「金目当てのあいつらを選んだ親父も兄貴もクズだと思ってた…なのに今さら本当の事を教えられてもすんなり信じられるかってんだ」

「本当の事?」

「親父の結婚も兄貴の結婚も母さんが望んだ事だったって…でもそんなの信じられるかよ死人に口なしじゃねえか、ふざけんなよ」


頭を抱えソファーに座る不比等を穂香は抱き締めた。そんな穂香に不比等はしがみつき


「女子に間違われて元教師に誘拐されて閉じ込められ、てめえが間違えたのにキレて殴る蹴るされた俺を助けに来たのがあの女だったなんて知るかよ」


救急隊や警察と共に倉庫の扉をこじ開けると縛られ血だらけで倒れている不比等がいた。

加奈子は不比等にかけより抱きしめ


「不比等…不比等ごめんね、遅くなってごめんね」


不比等は虚な目で加奈子を見て


「母さん…」


そう呟きパトカーや救急車のサイレンや警察官達のざわめきのなか気を失った。

そして目覚めたときにはその時の記憶を失っていた。


「よくよく考えれば母さんはもう亡くなってたからそうなのかもしれないけど…でも今頃になってあの女だったなんて…俺は何を信じれば良いんだ」


穂香は言葉を失っていたが


「ごめん…すごすぎる話を聞いてるはずなんだけど、ちょっと非現実的すぎてついていけない」

「はあ」


思いもよらない穂香の言葉に不比等は思わず大きな声で突っ込んだ。


「だって誘拐ってこんな身近であると思わなかったし…まあ、あるって言えばあるんだろけど…イヤイヤイヤ」

「なんだよ」

「テレビの中の事だと思ってたんだ…何て言うか金持ちって大変なんだね」


穂香の真剣な言い方に拍子抜けした不比等はフフッと笑いながら


「ああそうだよ金持ちってのは色々あんだぞ」

「んーやだな金持ち怖いなぁ」

「だから金持ちが怖いんじゃなくて犯人な犯人がわりいから、それにお前は俺が守るって言ってんだろ」


穂香は不比等を見て固まった。


「は?なんだよ」

「守るって不比等君が?」

「当たり前だろ」

「よけい心配かも」

「お前なあ」


穂香がクスクス笑っていると


「だから俺が言いたいのは、まだどれを信じたらいいのか迷ってる…それでも全部否定ってのは止めようかなって思うってこと」

「うん」

「すぐには無理だけどな」

「うん」

「それと…」

「それと?」


不比等は息を整え


「あれもこれもひっくるめて、お前はずっと俺のそばにいろ」

「…」


えっ?これってプロポーズ?


穂香がキョトンとしてみていると、みるみる真っ赤になる不比等。


「お前、俺を見んな」

「だって…それってプロポーズ?」

「はあ?知るか」


顔をそむけて照れる不比等を穂香がニコニコみていると


「話は終わったかな?」


と哲成の声がした。不比等は慌てて


「じっ祖父さんいつからそこにいたんだよ」


と聞くとニヤリと笑って


「ああ、だから俺が言いたいのは…から」

「うわぁぁぁあ」


頭を抱えてしゃがみこむ不比等を横目に


「穂香さん、これは君へのプレゼントだよ」


赤い表紙の本を差し出した。その本を驚きながら受けとる穂香。


「これ…赤い表紙の…」

「実はねこれを書いたの私なんだよ」

「え?」

「それにね、不思議な扉って言う題名と赤い表紙を決めたのは瞳さんでね」


と言い遺影を見て


「初めて会ったときから彼女に囚われたままなんだ」


と言い微笑んだ。そんな哲成を穂香は微笑みなから見て


「素敵な出会いだったんですね」

「とんでもない彼女は凄腕の策略家だったんだよ。私はまんまと罠にはまってしまった幸せな罠にね」


哲成はいとおしそうに遺影の瞳を見た。


帰り道で穂香は不比等に


「ずっと一緒にいるからね」


と言い微笑んだ。穂香の不意打ちに戸惑った不比等は真っ赤になりながら


「何があっても逃がしてやらないからな」


と言い抱き締めた。


あれから3年がたった。

不比等も穂香も大学生になっていた。


大学の校内で不比等が穂香を待っていると、幸村と楽しそうに話ながら泥だらけの靴で穂香がやって来た。

幸村朔は目ざとく不比等を見つけたが気付かないふりをして


「その泥落としてから帰った方か良いよ」

「あーだよね洗って帰るか、そうだ次のフィールドワークもよろしく」


アイツ何くっついて話してんだよ


不比等がイライラしてみていると全く気づいていない穂香に幸村は


「了解、そうそうゼミで再来週博物館にいく話になってるんだけど、どうする?」

「いく!絶対にいく」

「良いの?」

「ダメだ」

「えっ?」


声に驚いてみると仁王立ちでムッとしている不比等がいた。


「不比等…えっどうしたの?」

「お前なぁ忘れてるだろ、今日うちに来る予定」


青ざめる穂香


「穂香ちゃん?」

「ごめん、後片付けよろしく」


慌てて不比等に駆け寄る穂香。

穂香の手を握ると


ジャリ


「おまっなんだよ」

「あー今日土器の発掘と修復をしてたから」


と笑う穂香に不比等はため息をつきながら車に乗るようにいった。


車のなかで不比等が


「やっとあの人を母さんって呼べるようになったんだ、あと姉さんとも話せるようになった。だから今日合わせたかったのに」


少し寂しそうに言う不比等に


「えっとそう言うことなら着替えてから行こうかな、これじゃああまりにもだし」


すると不比等は車を路肩にとめ


「あのさ、来年結婚式でいいよな」


と突然言い出した


「えっ突然なにを言うの?今日は家に行くんだよね」

「だから結婚の報告だし」

「イヤイヤイヤ結婚してないし、今すぐはちょっとムリだし」

「え?」

「だから、すぐには結婚出来ないよ学生なんだし…待ってって言ったよね」


穂香の返事に不比等は目を点にして


「だからってなんであいつといつも一緒なんだよ」

「はあ?幸村君とは同じ学部なんだし仕方ないでしょ」


カチンときた不比等は


「アイツは考古学なんて全然興味ないんだよ、おまえは本当にバカだな」


その言い方に今度は穂香がカチンときて


「何それ私は良いけど幸村君にはあやまってよ」

「やだね」

「あっそ」


と言い穂香は車を降りて歩き出した。不比等も慌てて車を降り


「ちょっと落ち着けって悪かったって、おい穂香」


その言葉に見向きもせず穂香は歩いていった。


ヤバイ本気で怒らせた…


あれから2週間、メールは既読スルーだし電話にもでない。

不比等はため息をつきどうしたら良いのかと悩んだが、その事を碧人に話すわけにもいかずバイト先に李々子の出産報告に来ていた巧馬を捕まえ相談すると


「あの穂香ちゃんがそんなに怒るなんて…何やらかしてんだよ」

「うるせ」

「とりあえず婚約してるんだから卒業して落ち着くまで待っててやれよ、てか幸村君にとられそうで怖いとか?」

「うっ」


本当にますます可愛いなこいつ


「まあそんなに落ち込むな、穂香ちゃんは何があってもお前が好きなんだから」

「うん、だよな」

「てかさぁおめでとうとか言ってくれないわけ?」

『あっ今度、穂香と赤ちゃん見に行きます』

『おう』



それをこっそり聞いていたひかる店長と伊織は微笑み懐かしそうに


「はじめは面倒臭い子だったのにね」

「本当に大変だったわあ、引き受けた自分を呪ったわよ」


不比等が初めてバイトに来た日を思い出していた。


「お前らの世話になんかなる気ねえんだよ」

「子供が生意気なことを言うんじゃないわよ、こっちはね専務に頼まれてるからやってやってんだよ!」


とひかる店長が軽くキレて言うと不比等は


「ほらなヤッパリごますりかよ、兄貴に金をだすとか何とか言われてやってんだろ」

「金じゃないわよ、あっ」

「やっぱりそう言うことか」


隣で聞いていた伊織が


「お金が絡んでようがなんだろうがアンタはそのひねくれた根性をどうにかしなさいよ、みんな心配してんの分かんないの?そんなんじゃ彼女を作るなんて夢のまた夢だわよ」

「はぁ彼女なんて要らねぇんだよ女はみんなキタねえんだから」


ひかる店長はため息をついたあと


「そういうのは自分でアパート代だけでも稼いでから言うことね、学費もアパート代も生活費も何もかも出してもらってる今のあんたが一番カスなの、分かった」


と言われ唇を噛み締めていた不比等。


「あの不比等がねぇ…変われば変わるもんね」

「本当に穂香ちゃん様々だわ、あっ店長あとで李々子のお祝いどれにするか決めてよ」

『ハイハイ』


伊織が先に店内に向かった。ひかる店長は優しく微笑み不比等を見たあと


「頑張れ不比等…それにしても幸村君ってまだまだ油断大敵だなクフフ、てか李々子の長女も楽しみ」


と言いながら店内に戻っていった。


穂香がアパートに帰ってくると玄関に不比等がいた。不比等がぎこちなく


「この間は悪かった」


と言うと穂香はフフッと笑って


「仕方ないなでも結婚はまだ先だからね」

「なっなんでだよ」

「だって行きたい場所が多すぎるんだもの」

「行きたい場所それって何処だよ」


エジプトか?ペルーか?インドか?何処なんだよ


「覚えてないの?」

「覚えてるも何も、てか考古学はいいけどアイツと行くのはなしだからな」

「アイツって幸村君は良い友達って言ってるでしょ」

「分かってるけど」


不比等がムッとしていると


「じゃあ結婚しないから」

「お前なに言ってんだよ」

「不比等さぁ…」


と言って玄関の鍵を開け中に入って行った。


「おい穂香変なところでやめんなよ気になるだろ、てか開けろよ」


本当に覚えてないんだ…

初めてのデートだったのに


「北海道のオムサロ遺跡公園もいいんだよ…でも金山も捨てがたいし銅剣(どうけん)も見に行きたいよぉ。いっぺんに見に行けないの辛いなぁ羽があればなぁ…」

「日本国内なんだからのんびり見に行きゃあいいじゃん、全部俺がついてってやるよ」


って言ってたの、いつ思い出してくれるのかなぁ…


穂香はドアを開け


「覚えてないの?」

「覚えてないって何が」

「思い出すまでそこに居なさい」


と言いドアを閉めようとする穂香の手を止め


「絶対にやだね」


不比等は穂香の部屋の中に入っていった。


不比等はいつ約束を思い出すのか?

穂香はいつ結婚を受け入れるのか?


そして書店のみんなの明日は…


そう何があっても変わらずに一つ一つ新しい扉を開けて冒険は続いていく


大切な仲間と共に


『あなたに素晴らしい愛を仲間と共に』


長々とお付き合いいただきありがとうございましたm(_ _)m


さてさて、この二人は無事に結婚式にたどり着けるのか?

それはまた別の話で(笑)

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