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『屋上の嘆き』『久方の』
久しぶりの投稿です。
今回は2作品あります。
『屋上の嘆き』
あゝ
昨日も一人また一人
今日も一人また一人
明日も一人また一人
一人が繋ぐと引っ張られ
終わらぬ連鎖は千切れない
鎖は引き止めるものなのに
時に繋がりはアダとなる
透明なそれに切れ目はない
硬さは重さの分だけ強く
本人さえも解くのは難い
僕が楔を打ち込めたなら
鎖がたとえ切れずとも
ここから真っ赤な花を
見ることはないだろうに
『久方の』
茫漠たる青い空
傲岸不遜に流れる白い雲
とりとめなど一切なくて
何も気にもとめず
ただ僕らの頭上を支配する
久方の見上げる先は
自由に広がり
人の敷く固い床のような
息苦しさもなくて
何ものにもとらわれず
ただ僕らの頭上に居座っている