1章出会い 前
いきてます!
1週間に1話かけたらいいなとおもってます!
ガヤガヤと賑やかな音が聞こえるこの場所は、山奥にある小さな町の酒場だった。
「嬢ちゃん、ビール一つこっち持ってきてくれ!」
「わかりました!」
男達の騒がしい声の中に聞こえる、よく通る透き通った声。
こんな酒場には、似つかわしくない綺麗な声だった。
「おまちどう!」
「ありがとな、てかなんで嬢ちゃんはこんな店で働いてるんだ?」
「…なんででしょうね?」
とぼけるように嬢ちゃんと呼ばれた子は首をかしげた。
「なぁ店長なんでなんだい?」
酔っ払った客はどうしても知りたいらしく店の店長にまでも問いかけてきた。
強面の店長は、話しかけられた事にうんざりしながら
店長はチラリと女子店員の方見てすぐに答える。
「あれは、捨て子なんですよ。
拾ってやった恩を返すために働いてるんだとさ。」
「父さん!勝手に言わないでよ!」
「すまん。」
店長が暴露したことを咎めるような口調で怒っているけど顔は、笑顔だった。
そのまま今日の営業が終わり、店から客がいなくなり静かになった店内には店長と店員の二人だけになっていた。
静かな店内に食器を洗う音が響く中、店長が口を開けた。
「今日は、お前の誕生日だったよな。18になったんだからもう世間では大人と呼ばれても問題のない年だ。もっと自由にしていいんだぞ。」
「大丈夫だよ、お父さん。私も好きでここ手伝ってるから。」
「ならいいが」
「こっちの仕事終わったから、家に帰るね。」
「あぁ、ありがとうな。」
「いいってことよー!じゃあお先ー。」
店を出て帰り道に店員は考える。
そういえば父さんいきなりあんなこといったんだろ。
今まではあんなこと一度も言わなかったのに。
けど私はここが一番好きなんだけどなー。
やっぱり義理なのがダメなのかな.........。
と、今までに言われた事無かったを急に言われて少し気持ちが下がっていた。