サンド島
第8章
「おいルシファ見ろよ、また戦やってるぞ」天使の一人が声かけた。
地上を見ると、人間たちが次々と倒れているのが見えた。
「しかし、人間てやつは殺し合うのが好きだな」と、嬉しそうに天使の一人が言うと「ほんと、飽きないね」と、他の天使が笑った。
こいつらなんで嬉しそうなんだ、なぜ笑っている。ルシファはふつふつと怒りがこみ上げてきた。
人間はどうしてこうも好戦的なんだろう。そのことを考えるとルシファは頭が痛くなった……。
「ベリアル、ベリアルはいるか」ルシファはベリアルの家に着くと大声で叫んだ。
「おはよう」ベリアルが朝の挨拶を言うと、挨拶をそこそこに「いい考えがある、手伝え」とルシファが叫んだ。
「いい考え?」
「そうだ、さあ行くぞ」と、ルシファは急かした。
ルシファの考えはこうだ。
「絶対的な強者の王国を作り、統治させる」
「なるほど、単純だけど面白そうだな」ベリアルは顎に手を当て考えを巡らせた。
「で、どこに作る」
「中央に作ろう、そして女王に統治させる」
この計画は成功した。
ヤーマン台国の女王ヒーミンコは神の化身として人の上に立ち、全土を統治した。
♢♢♢
旅たつ前に、みんなにはステータスの確認をしてもらった。
オギン
レベル135
生命力:980,000
攻撃力:940,000
守備力:900,000
魔法力:800,000
素早さ:940,000
器用さ:970,000
運 :1,000
感 :1、000
職業 :魔法鞭師LV100
個性 :昇天拷問LV50、火魔法鞭LV10、土魔法鞭LV5、風魔法鞭LV10
水魔法鞭LV3、聖魔法鞭LV1、闇魔法鞭LV1、鞭バーサーカLV30
この中にある鞭バーサーカってのが、鞭を持った時のガラリと性格が変わる原因かな?。
次はスケさん
レベル145
生命力:1,040,000
攻撃力: 900,000
守備力:1,200,000
魔法力:2,000,000
素早さ:1,000,000
器用さ: 900,000
運 : 300
感 : 300
職業 :賢者LV15
個性 :ドジっ子LV7
火魔法ランク1 ファイヤーLV10
ランク2 ファイヤーニードルLV10、ファイヤーウォールLV4
ランク3 ファイヤーボムLV5、ライト
ランク4 ファイヤードラゴンLV1
地魔法ランク1 アースLV1
ランク2 アースニードルLV5
ランク3 グラウンドイクスプローション、マップ
ランク4 テレポート
ランク5 グラウンドシェイクLV1、シェルターLV1
風魔法ランク1 ウインドLV5
ランク2 ウインドニードルLV5、ウインドカッターLV5
ランク3 サーチ、ウインドシールドLV2
ランク4 トルネード
水魔法ランク1 ウォーターLV5、ウォーターシャワーLV7、アイスLV5
ランク2 ウォーターニードルLV7、ウォーターシールドLV4
ランク3 ホットスプリング
ランク4 マディストリーム
聖魔法ランク1 リカヴァリLV7、ボディストレングスLV5
ポイズンイレーザーLV2
ランク2 ピュアリフィケイション
闇魔法ランク1
僕はこれを見て笑った。
ファイヤーニードル、アースニードル、ウインドニードル、ウォーターニードル、どんだけニードル好きなんだ、アースニードルって何、僕には想像できない、彼女はある意味天才なんだろうな。
次はカクさん
レベル 149
生命力 :1,200,000
攻撃力 :1,300,000
守備力 :1,200,000
魔法力 : 200,000
素早さ :1,200,000
器用さ :1,200,000
運 : 640
感 : 1,240
職業 魔法剣士LV20
個性
正義感 LV5
火魔法剣LV17
地魔法剣LV10
風魔法剣LV15
水魔法剣LV10
聖魔法剣LV1
カクさんはもう超人の域に達している。これからは自分自身との戦いになる、それは彼女自信も重々承知している。カクさんはもっともっと強くなる、僕はそう信じている。
次は僕だ
レベル 86
生命力: 9,000,000
攻撃力:15,000,000
守備力:12,000,000
魔法力: 8,300,000
素早さ:14,500,000
器用さ:15,000,000
運 : 1,000,000
感 : 500,000
職業 剣聖LV50
個性 勇者LV100、鑑定LV15、ボケLV2、魔法剣LV100、聖剣LV50
神殺しLV1
これを見て、意外にもみんなは納得していた。てっきり驚くだろうと思ったが、あの天使を瞬殺したことで、納得していたようだ。
次はタイポイ
レベル 147
生命力 :5,000,000
攻撃力 :5,000,000
守備力 :5,000,000
魔法力 :1,000,000
素早さ :4,300,000
器用さ :4,000,000
運 : 1,000
感 : 1,000
職業 剣豪LV77
個性
爆裂剣LV75、空撃剣LV73、地割れ剣LV75、神殺しLV5
タイポイは自分のステータスを見て納得したようだ。
彼がパーティーに参加してくれるのは有難い。
最後にビリーもチェックしておこう
レベル 1
生命力 :200
攻撃力 :130
守備力 :130
魔法力 :130
素早さ :110
器用さ :110
運 : 4
感 : 7
職業
個性
無口LV1
ビリーのステータスを見て一番驚いた。レベル1でこのステータスはすごい。これで戦力になってくれれば……。今は無理か、相変わらず僕の服を掴んで離さない。出来れは早く親じゃなく僕から離れてほしい。四六時中一緒だと僕の理性が飛びそうだ。
風呂に入る時も、無防備なのは困る。目のやり場に困るし、ジュニアが起きないよう子守唄を歌うのに必死だ。
そんなことを考えていたら、そっと近ずいてきたカクさんが、スケベと囁いて、虫けらを見るような目を向けた。相変わらず勘が鋭い。
♢♢♢
日が暮れ旅籠屋へ行こうとした時、忍者姿の女が僕たちの前に現れた。目以外全て黒く覆われていたが、胸の膨らみから女だとわかった。それもかなり大きい、スケさんと同じくらい巨乳だ。
カクさんはすかさず寄ってきて「すけべ」と言った。こいつうざい。
女忍者は覆面を取り
「水戸赤門とお見受けいたします。拙者は御庭番衆のイケという者です」そう名のると、後ろから
「いーちゃん」と声を掛け、前にオギンが出てきた。
「ギンちゃん?」声でわかったのか、イケさんが反応した。
二人は知り合いみたいでキャッキャやりだしたので、とりあえず旅籠屋へ行って話そう、と持ち掛けた。
二人の話が尽きないので、イケさんに用件を訪ねた。
「あっ!」と、言って、用件を切り出した。
「実は、頭領からの連絡が途絶えて3日になります。毎日の連絡が義務ずけられているので、何かあったのではと……」
ーーへー、そんな重要なことなのに、友達とのお話に忘れ去られるって、頭領もうかばれないな。あっ、まだ死んでないか。
「で、頭領はどちらへ」と、僕は聞いた。
「はい、アラガタのサンド島です」
「サンド島か、簡単には行き来できないな……」
「船でしたら、20日後に出ます」
ーー船で行くしかないか……。
「頭領は強いのか」
「はい、強いです。私たち御庭番衆で敵うものなどいません」
「うむ、わかった、なんとかしよう」
「あ、ありがとうございます」イケさんは、テーブルに頭を打ち付けんばかりに何度もお辞儀した。
「それで報酬はいかがいたしましょう」イケさんはもじもじしながら聞いてきた。
「そうだなあ~」天井を見ながら思案して
「皇帝の丁髷」
「え、えええええ!無理無理無理、無理です」両手を左右に振りながら拒否した。
「大丈夫だ」僕は右手の親指を立てて、太鼓判を押した。
翌日
「君のレベルは27だね。今日1日で100上げるぞ」
「え、えええええ!無理無理、無理です」イケさんの必死の抵抗も無視して
「さあ、いくぞー」僕は右手を挙げ、気合いをつけた。
手始めに迷宮3層めからはじめる。
ぶっ続けで3時間、8層まで到着。小休止はさせないで、スケさんにリカヴァリしてもらい、鬼教官に徹する。
夕方にはレベル130をクリア、テレポートで帰還。
さてさてイケさんのステータスをチェックしますか
ランク1
レベル 133
生命力:930,000
攻撃力:950,000
守備力:940,000
魔法力:900,000
素早さ:980,000
器用さ:960,000
運 : 400
感 : 700
職業 忍者LV90
個性 火魔法手裏剣LV7、風魔法手裏剣LV10、 地魔法手裏剣LV7
水魔法手裏剣LV11
うむ、満足、満足、これなら任務遂行大丈夫だよな。
♢♢♢
「ミトさん、ミトさん、今日もいい天気ですね」と、いつも元気なスケさん。
「そうですな、いい天気ですな」こちらもおつきあいで、笑顔の応答。
「見て見てミトさん、ヒコーキ雲ですよ」スケさんが、僕の肩を叩いてから、指差した。
「本当だー、青空に映えてきれいだなあー……?、あれ?ちょっと、この世界にヒコーキあるの」僕は慌てて聞いた。
「はい、おりますよ」
「え?今おりますと言った?」
「はい、言いましたよ」
「ヒコーキってなんだ?」
「ヒコーキって、ドラゴンですよ」
「ドラゴン?」
「はい、ドラゴンのヒコーキ族ですよ。こんなよく晴れた日は見ることができますよ」
「へー」と言いながら、路肩にある石を拾った。
「なあ、ドラゴンなら石ぐらいぶつけても死なないよなぁ」
「あははは、あんたバカなの、届くわけないでしょう」カクさんが会話に入ってきて笑った。
「よし、じゃやってみるか」と、思いっきり投げた。
石は爆音を残し飛んでいった『ドカーーン』
「あ、当たった」ドラゴンが近くに落下した。
僕はビリーをお姫様抱っこして落下地点に近ずいた。
近ずくと、大きなクレーターの中に人らしき姿が見えた。頭をスリスリしていた。
僕が近づくとその人物は怒りをあらわにして
「お前か、石をぶつけたのは、俺を誰だと思ってやがる。俺様はなぁ、誇り高きドラゴンのヒコーキ族……」
カチャッと『隷属のリング』を相手が話し終わる前に頭部につけた。
「こらぁーこのガキ、人の話聞かんかーって、なんだこりゃー」
「隷属のリング」
「はぁー、てめー殺されてーのか」
「はいお手、はいおかわり」ドラゴンは言う通りに、僕の手に手を乗せた。
「こらぁー、おちょくってるのかぁ、俺様はなぁ」
「そんなのはいいから、お座り」ドラゴンは素直にお座りした。
とりあえず名前を聞いてみた。
「ジェットキ」
そこへやっとみんなが追いついた。はあはあぜいぜい言って息絶え絶えだ。
「ねえ、あんた何者」イケさんが、はあはあ言いながら聞いてきた。
「アカトさんは勇者ですよ」と、オギンさんはイケさんに向かって言った。
「知っているわよ、でも、ポンコツ勇者って聞いてたわよ」
ぼくは笑って「能ある鷹は爪を隠すって言うだろう」
「はぁ?爪隠してどうするんだ」
「へ?、だってほら、爪隠せば小鳥たち安心して寄ってくるんじゃない?」
「はあ?それおかしいよね。だってほら、爪隠してたら、魔獣に寄って行くわけ?、小鳥だって、爪があろうがなかろうが鷹がいれば逃げるよね」
「いやそのう、喩えだよ、喩え」頭を掻きながら、僕、イケさん苦手かも……。
「変な喩えだね」イケさんは不思議そうな顔をする。
「イケさんアカトは……」とカクさんは自分の頭を指で指しながらくるくるぱーしてから、以前言ったあの石鹸の話をした。そして二人してキャッキャ笑った。
ーーぜってえ殺す。
僕は心の中で呟きながら、無視を決め込んだ。
「あのう、俺はどうなるんでしょうか」不安そうにジェットキは言ってきた。
「う~ん、ドラゴン鍋もいいかなあ」と、冗談を言うと
ジェットキは青くなり、わなわな震えだした。
「冗談だ、少しお手伝いしてくれ、すぐに解放するから」と、優しく言うと「是非、お手伝いさせて下さい」冗談がきいたのか、ジョットキは涙ながらに言ってきた。