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異世界で時代劇やってます  作者: ぽぷねこ
21/43

9-4

 ♢♢♢9-4

 僕がシャワーから出ると、部屋は女子会になっていた。どこから手に入れたのだろうか、テーブルに色んなお菓子がならんでいた。

 ビリーを見ると笑っていた。まだ声が出ないようだが、表情がいい。早く声を聞いてみたいものだ。

 ナミも上手くみんなに馴染んでいる。

 僕は火照った体を冷まそうと、女子会の横をすり抜けベランダへ出た。

 手すりに両手を添え、眼下に広がる漆黒の湖を見つめた。

 時折光る蛍火、それを幻想的と見る人たちがいる。

 呪われた漆黒の湖をロマンチックと見る人たちがいる。

 真実も知らないくせに、呑気に楽しんでいる。

 悔しさと歯がゆさが感情を高ぶらせた。

 自然と涙が溢れてきた。

 涙を拭きながら、僕はルシファのことを考えた。

 ルシファはなんの抵抗も無く、僕の刃に倒れた。

 その時ルシファは笑った。

 その時ルシファは「ごめん」と、言った。

 あれは見間違いではなかった。

 あれは聞き違いではなかった。

 今の僕ならはっきりとわかる。

 何故笑ったかを。

 何故「ごめん」と、言ったかを……。

 それを知ったからこそ、僕は自分の無能さに腹が立った。

 何が勇者だ。みんなに絶賛され自惚れ天狗になり、神に踊らされているとも知らずにいい気になって、その結果がみんなを陥れた。みんなはまだ戦っているというのに、お前は何をしている。

 気持ちの高ぶりが抑えきれない。

 今すぐにもそこへ行きたい。

 行ってどうする?みんなの期待を裏切り死に追いやるのか。

「ごめんなみんな、僕にはまだみんなを救う力がない。すまない、もう少し待ってくれ」

 心の中で叫び、涙が止まらなかった。

 いつのまにかナミさんが近くに寄ってきた。優しく抱きしめるような感情が心に湧いてきた。振り向くと、笑顔が僕を見ていた。

 ビリーも寄り添い何か必死に言おうとしているようだ。声には出ないが必死さは伝わってくる。ありがとうと、優しく頭を撫でた。


 僕は2人を抱き寄せ魔力を高めた。

 3人の体が宙に浮く。

 心の中で「ゴー」と呟くと、物凄いスピードで移動した。

 ほんの数秒でビーワン湖の中心部、上空10メートルくらいの位置に到着。

 僕は眼下を見ながら2人に秘密を打ち明けた。

「この湖底の最深部に、友が今でも戦っている。僕は友を助けたい。でも、今の力じゃどうしようもない。力が足りない。利用するようで悪いが、どうか力を貸してくれ、頼む」最後の方は涙に咽びながら2人に懇願した。

 ナミが涙ながらに何度も頷いてくれた。ビリーも必死に声を出そうとしながら頷いてくれた。

 僕な何度も2人にお礼を言い、3人で泣いた。

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