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僕がシャワーから出ると、部屋は女子会になっていた。どこから手に入れたのだろうか、テーブルに色んなお菓子がならんでいた。
ビリーを見ると笑っていた。まだ声が出ないようだが、表情がいい。早く声を聞いてみたいものだ。
ナミも上手くみんなに馴染んでいる。
僕は火照った体を冷まそうと、女子会の横をすり抜けベランダへ出た。
手すりに両手を添え、眼下に広がる漆黒の湖を見つめた。
時折光る蛍火、それを幻想的と見る人たちがいる。
呪われた漆黒の湖をロマンチックと見る人たちがいる。
真実も知らないくせに、呑気に楽しんでいる。
悔しさと歯がゆさが感情を高ぶらせた。
自然と涙が溢れてきた。
涙を拭きながら、僕はルシファのことを考えた。
ルシファはなんの抵抗も無く、僕の刃に倒れた。
その時ルシファは笑った。
その時ルシファは「ごめん」と、言った。
あれは見間違いではなかった。
あれは聞き違いではなかった。
今の僕ならはっきりとわかる。
何故笑ったかを。
何故「ごめん」と、言ったかを……。
それを知ったからこそ、僕は自分の無能さに腹が立った。
何が勇者だ。みんなに絶賛され自惚れ天狗になり、神に踊らされているとも知らずにいい気になって、その結果がみんなを陥れた。みんなはまだ戦っているというのに、お前は何をしている。
気持ちの高ぶりが抑えきれない。
今すぐにもそこへ行きたい。
行ってどうする?みんなの期待を裏切り死に追いやるのか。
「ごめんなみんな、僕にはまだみんなを救う力がない。すまない、もう少し待ってくれ」
心の中で叫び、涙が止まらなかった。
いつのまにかナミさんが近くに寄ってきた。優しく抱きしめるような感情が心に湧いてきた。振り向くと、笑顔が僕を見ていた。
ビリーも寄り添い何か必死に言おうとしているようだ。声には出ないが必死さは伝わってくる。ありがとうと、優しく頭を撫でた。
僕は2人を抱き寄せ魔力を高めた。
3人の体が宙に浮く。
心の中で「ゴー」と呟くと、物凄いスピードで移動した。
ほんの数秒でビーワン湖の中心部、上空10メートルくらいの位置に到着。
僕は眼下を見ながら2人に秘密を打ち明けた。
「この湖底の最深部に、友が今でも戦っている。僕は友を助けたい。でも、今の力じゃどうしようもない。力が足りない。利用するようで悪いが、どうか力を貸してくれ、頼む」最後の方は涙に咽びながら2人に懇願した。
ナミが涙ながらに何度も頷いてくれた。ビリーも必死に声を出そうとしながら頷いてくれた。
僕な何度も2人にお礼を言い、3人で泣いた。




