サンド島-2
「イケさん、行き先わかりますか」僕が聞いた。
「はい、何度か行ったことがありますので……」
「それじゃ、ジェットキに教えて」
二人が打ち合わせしている間に、僕はスケさんにドラゴンの上に乗る時に必要な魔法を教えた。
「僕ならまずカゴを作り、それをドラゴンの背中にくくりつけるといった魔法にするけど、スケさんならどうする」
スケさんは暫く考えてから「フランスパン」と、言った。
「フランスパン?」
「そう、フランスパン。細長いあのパンの形の乗り物を作るの、そしてそれに乗ればいいんじゃない」
「なるほど、それは面白い」
「それじゃ、頼むよ」そう言って、僕は感心した。彼女の発想は面白い。
準備ができ、ジェットキがドラゴンに変身した。スケさんが魔法を唱える。出来たものを見ると、本当のフランスパンだ。色や形の細部までフランスパンだ。これだと、ネギを背負ったカモならぬ、フランスパンを背負ったドラゴンではないか……。
中は意外にも快適な乗り心地だった。リクライニング式の椅子に意外にも広々としていて、タイポイのような巨漢でもゆったりと座れるくらいだ。ビリーもおとなしく隣に座ってくれたので助かる、僕の上にでも座ろうものなら、僕のジュニアおとなしくしていないだろう。このまま僕離れ?してほしいものだ……。
これならビジネスクラスと言ってもいい。これで機内食でも出れば最高だなと思っていたら、スケさんがカートで食べ物を運んできた。なぜかカートの中はフランスパンだけだった。
タイポイが「俺にお酒をひとつ」と、言ったら、フランスパンを渡された。
「イケさん、行き先わかりますか」僕が聞いた。
「はい、何度か行ったことがありますので……」
「それじゃ、ジェットキに教えて」
二人が打ち合わせしている間に、僕はスケさんにドラゴンの上に乗る時に必要な魔法を教えた。
「僕ならまずカゴを作り、それをドラゴンの背中にくくりつけるといった魔法にするけど、スケさんならどうする」
スケさんは暫く考えてから「フランスパン」と、言った。
「フランスパン?」
「そう、フランスパン。細長いあのパンの形の乗り物を作るの、そしてそれに乗ればいいんじゃない」
「なるほど、それは面白い」
「それじゃ、頼むよ」そう言って、僕は感心した。彼女の発想は面白い。
準備ができ、ジェットキがドラゴンに変身した。スケさんが魔法を唱える。出来たものを見ると、本当のフランスパンだ。色や形の細部までフランスパンだ。これだと、ネギを背負ったカモならぬ、フランスパンを背負ったドラゴンではないか……。
中は意外にも快適な乗り心地だった。リクライニング式の椅子に意外にも広々としていて、タイポイのような巨漢でもゆったりと座れるくらいだ。ビリーもおとなしく隣に座ってくれたので助かる、僕の上にでも座ろうものなら、僕のジュニアおとなしくしていないだろう。このまま僕離れ?してほしいものだ……。
これならビジネスクラスと言ってもいい。これで機内食でも出れば最高だなと思っていたら、スケさんがカートで食べ物を運んできた。なぜかカートの中はフランスパンだけだった。
タイポイが「俺にお酒をひとつ」と、言ったら、フランスパンを渡された。
室内にジェットキの声が響いた。
「間も無く到着致します。急降下致しますので、気おつけてください」
そう言ったと思ったら、ジョットコースター並みの急降下した。
後方の方から「ひー」と、カクさんの悲鳴が聞こえた。そういえばカクさんおとなしくしていた気がする。高い所怖いのかも?
「ああー、落ちるー」僕が叫ぶと
「ひー」カクさん真っ青、頭抱えて俯いた。
そうっと近づき、カクさんの耳元で「ドカーーン」と叫ぶ。
カクさんはびくーんとして頭を上げ、白目になり泡を吹いた。
ジェットキが地上に下りると、スケさんは魔法でみんなを地面に立たせた。ジョットキが人間に変身した。
カクさん以外はみんな元気だ。
僕はイケさんに尋ねた「これからどうする」
「この道をまっすぐに行ったところに領主の城がある、先ずはそこを訪ねるとしよう」イケさんは前方の道を指し、みんなに聞こえるように言った。
そういえばビリーが僕の服を掴んでいない。ビリーを探すと、オギンちゃんと話し込んでいる。ビリーは話せないから、もっぱら聞き手に徹しているけど、時折笑顔が見えるのは良い兆候でだ。
オギンちゃんもビリーを自分の妹のように可愛がっている。ちょっと寂しいけど、オギンちゃんには頑張ってもらい、僕から離れられるようにしてもらいたい。
スケさんは相変わらず胸がデカ……、じゃなく、元気だ。魔法にも磨きがかかりオリジナリティーに溢れた魔法を使い、将来が楽しみだ。
カクさんは、真面目すぎるのが欠点だが、長所でもある。どっちに転ぶか不安だが、期待はしている。
タイポイは言うことは無い、まだまだ未熟だが若い。天使と対等に戦えるレベルにはなってほしい。
今後のことを考えていると、イケさんが
「あそこに見えるのが、領主の城です」とはるか先を指差した。
僕は指差した方向へ視線を向けると、城は日陰になり、黒く浮かび上がっているように見えた。それが不気味に感じて、何事もなければ良いのだが……、と不安がよぎった。




