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遠距離恋愛その2 女性目線

遠距離恋愛その1の女性目線バージョンです。


離れるのは嫌だった。でも、別れるのはもっと嫌。

だから我慢しての遠距離恋愛

覚悟はしてたけどこんなに辛いなんて、、、


ほんと言うと毎日電話したい

顔に似合わず、意外と渋めな声

あの声でおやすみを言ってもらえたら疲れなんて吹っ飛ぶのに


あれから半年が経ち、私は実は不機嫌だ

新しい職場で慣れないし、忙しいしでなかなか時間が作れないのに電話するのはほとんど私から。

そのことを気にしてるけど離ればなれで久しぶりに話すのに、そんな時にケンカしたくないし、、、

でも渋めな声が聴けて幸せ。あぁ、電話なんかじゃなくて耳元で、息が届く距離で囁いてほしいな。。


それから半年

結局、

私たちはだめになった。

久しぶりに逢いに来てくれると言われた時は死ぬほど嬉しくて改札でワクワクして待っていた私に

偶然通りかかった職場の男性に声をかけられ、親しく話していた私

もうすぐ彼氏が来てくれるんですと満面の笑みを向けている私を遠くから見た彼

異性と親しく話してるのを見られて少しばつが悪い顔をしたのが悪かったのか彼は久しぶりに会う私に、ほんとに久しぶりに会う私に

待ち合わせよりだいぶ早く到着して悪かったな、と一言めに言った。


そこからお互い気まずくなって、会ったらこんな話をしようとか人がいて恥ずかしくても改札で抱きついちゃえとか考えてたのに

お互い無言で、やっと口を開いたと思えばお互い傷つけるようなことばっか口にして、、、

結局、なんだかうまくいかないまま帰っちゃって。


それからは電話でもケンカばっか。改札で言われた、職場の男にあんな満面の笑みを見せるんだなとか、じゃあなんでばつの悪そうな顔してたんだよとかがずっと頭の中でリピートされてて、優しくなんて出来なくて、でも電話しないと別れるに決まってるからしないわけにはいかなくて、、、


そうやって、どんどんうまくいかなくなって私たちは別れた。


こんな風に、お互いを傷つけてしまうなら遠距離になる時点で別れるべきだったね、と最後に彼は言ったけ


でもそれは違うと思う。私たちは遠距離になれば苦しいと分かってたはずだ、それでも別れなかったのは、苦しかろうが傷つけてしまうことがあろうが別れたくなかったからだ。結果はだめだったわけだけど遠距離を選んだことを私は絶対後悔しない。


そうやって後悔しない、後悔しないと、はりつめた気持ちのまま1ヶ月がすぎ、たまたま実家に帰る機会が出来た私は、彼の住む街に来てしまった。実家に帰るのに来てしまったなんておかしな言葉だけど。


そこで彼に会う確率は分からないけど、会ってしまったらどうしようなどと考えていると肩を叩かれた。驚いて振り返ると、、、残念ながら彼ではなかった。落胆したらいいのかほっとしたらいいのか分からなかったが、それどころではない。何故なら肩を叩いたのは彼に目元が似ている人、つまり、彼のお姉さんだったからだ。


彼の姉に会う確率も分からないけど、けして高くはないと思うんですが、、、


そんなことを思いながら、私は彼の姉と実家まで一緒に歩くことになった。

私としては少し気まずいけれど別れたからと言って今まで仲良くさせてもらっていたお姉さんによそよそしくなるわけにもいかないし。


歩いてる途中、お姉さんは弟が悪かったねと言ってくれた。あいつも頑張ってたんだよ、と。やったことない営業に飛ばされて、なかなか顧客とれないもんだから、仕事の時間も長くなっちゃって、精神的にもきてたみたいで憔悴しきっちゃってさそんな時は彼女に甘えて元気になればいいじゃんって言ったら新しい職場であいつが頑張ってるのに男の俺が甘えてどうするよ、だってさ。男って意地っぱりだよねとお姉さんは笑って言ったが、私は笑えなかった


私は、、、私は知らなかった。営業に飛ばされたことも、かかってくる電話が少ない理由も、、、


お姉さんがそういえば、だめな弟だけど、改札のサプライズはよかったでしょ?と聞いてきた。

なんのことだか分からないと答えるとお姉さんはひどく悲しい顔になり少し気まずそうに教えてくれた。

弟が、仕事で顧客が取れるようになって落ち着いたらさ、あいつと改札で待ち合わせするって。それで、早めに行って花屋で花束買って、改札見ながら待ってるあいつに後ろから花束でサプライズすんの。それが今の俺の目標で、顧客が取れてない俺の唯一の元気な源

憔悴しきった彼に心配の声をかけるといつもその言葉が返ってきたという。

そのときは、ほんとに幸せそうで憔悴しきってたのが嘘のように元気になってたと。


私は、改札での事を思い出す。久しぶりに会える嬉しさに、信じられないくらい早く改札に来てしまったこと。彼が改札に来たのが約束の40分以上前だったこと。


私は、、、私はどうしようもない気持ちになって何故か歩く速度が早くなっていた。どうしようというのだろう、そんなこと分からない

でも、一歩でも早く、そんな気持ちになっていた。


途中で信号につかまり、イライラと反対側の道路を見る。


そこに


お姉さんに目元が似ている人が立っていた。


そこに、顔に似合わず渋めな声をだす人が立っていた。


自分が大変な時に、遠距離の私に心配かけまいと何も言わずに頑張って、離れている私には分からなかったけど、ずっと私のことを考えてくれてた彼がいた。


お姉さんは私が凝視しているほうをみて、あいつ、まだ独り身、ってかしょっちゅうメールや着信履歴みて溜め息ついてる、ほんと男はしょーもないよねと笑って言われ、今度は私も笑った。


道路に鞄を置き、手袋も外す。少しでも早く、肌で彼を感じたかった。ふと、改札で待ち合わせしてた時の事を思い出す。あのときは少し恥ずかしいけど改札で抱きついちゃえなんて考えてたな。今は横断歩道だから恥ずかしさは何倍も上だ。それでも、、、、私は1ヶ月の間、ずっと心の中で唱えていた言葉を口に出した。


後悔しない。


彼に会える確率だとか、恥ずかしさとかそんなのどうだっていい

私は後悔しないため、青信号になった横断歩道を彼に向かって走り出した



少しだけ時間感覚が男目線と違いますが割合で。自分で書いた作品ですがこの作品読むとなんか元気になります笑

読者に満足してもらえる作品を書けてたら幸いです。


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