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ある老掃除夫の回想

作者: 上山悟


あれはもう三十年前じゃ


夏休みの小学校に仕事に行った


廊下の掃除を終えて、バケツを持って去ろうとした時、うっかりモップの柄の先が廊下の端にある消防警報機のボタンに当たってしもうた


それはもう、けたたましい音が廊下中に響いた

わしはどうしていいか分からなんだ


用務員さんが駆けつけ、ふたりでなんやかやしてるうちに、音がやんだ


しかしじゃ

一分もたたんうちに一階の警報機が、そして隣校舎のが、つぎに体育館のがと、どんどん伝播していった

わしはどうしていいか分からなんだ


あげくには消防隊まで出動する始末


それはもう耐えられん音じゃた

気が狂わんばかりじゃた


そして、そん時のわしがモデルになったのがじゃ


ー刹那、老人の頬の辺りに微笑のかげが走ったー


そん時のわしがモデルになったのがじゃ

あのムンクの叫びじゃ

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