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生産者の終焉

プロットの練り込みと一発投稿の難しさを思い知りました。

設定の練り込みが甘かったりと色々あって満足にこの作品は書けませんでした。

 魔力切れ。それは本来であれば起こりうることのない現象である。

 普通に使っている人間であれば容易にコントロールができ、消費の事も視野に入れて使う。そのため魔力切れ……、又は魔力の過剰消耗は本来であれば起こりえないこと出る。

 しかし、外部からの干渉によってそれが起こることはよくある。


「お前に最初に撃った銃弾には毒が塗ってある。エステルは本人も把握していないが毒を生み出す力を手に入れたらしくてな」


「……毒だと? それはどんな」


「お前には即死級の毒も通用しない。お前の神器にはそれこそ、この世のすべての毒に対して耐性をつけるものがあるかもしれないと考えたんだ。だから、お前の生産能力の源となっている魔力を絶つことに決めた。お前に盛った毒は魔力の消費を倍にする効果がある」


 ハイドラは困惑した。なぜなら、それはひどい大ばくちであるからである。いくら消費二倍という状態になろうとも、ハイドラの貯蔵魔力であれば十分に賄える。それこそよっぽど桁違いの消費魔力の神器を使わない限りは取るに足らないのだ。

 つまり、シヅキはハイドラが消費の大きい神器を使うことにかけて毒を盛ったことになる。


「馬鹿な……、私は汎用神器だけでお前たちを倒せる……。それなのに私がわざわざ大型神器を使うことに賭けるなんて……」


「そうだな。だが、使ってくれた。お前なら使うと思っていた。賭けではあったが、俺は最初からそう思っていた。怖かったのは毒に気付かれるくらいか……」


 そう言うとシヅキは銃を手に取った。


「終わりだ。お前の理想は果たされない。お前は、長く生き過ぎたんだ」


「……そうか。私は生きすぎたか」


「そうだ。だからもう休め。お前には同情の感情もわかないし理解なんて出来そうにないが、お前の苦悩だけは少しだけ理解できた気がするよ。だからもう苦しむな」


「……お前は、どうするんだ?」


「俺は、俺は……、そうだな。ロベルトを探して、リリアを探して、エステルを治して、そして、この力を捨てようと思うよ」


 シヅキの答えにハイドラは満足したように目を閉じた。


「すべて叶わなかったが、一つだけ叶ったよ。これで、もう呪われたろくでなしは生まれない。思えば私はやり過ぎた。対して力もないのに、神のような力を手に入れてしまったばっかりにこのざまだ。何でも作れる力なんて、人間にはいきすぎている。だから、すべてなくなるのであれば私の生涯に意味はあった」


「結局、お前は神になろうとしたのか?」


「ああ。すべて無駄だったがな。この世界にそもそも神なんて必要じゃなかったんだな」


 生まれたのは小さな小屋だった。育ったのはまずしい集落だった。

 自分はまだいいほうで、もっと貧しい人たちは誰にも救われずに死んでいった。

 だから、万人を救う方法はないものかと考えた。自分が神になれば、どんなものでも作れれば、きっとどんな困難も乗り越えられると、そう思った。

 異世界に来てからもそれは変わらず、ひたすらそのことに妄信した。

 そして、ほしかった力を手に入れて狂った。


「馬鹿みたいだろ? お前の最後の敵になる、人類の敵になる存在が毒で、しかも自己管理不足で死ぬなんてさ。俺も変だと思うよ。魔王が石で転んで大けが追うようなものさ。でも、それが俺さ。どんなにいいものを持ったって、ずっと人間だったんだ。そんな俺が勝手に突っ走って、勝手にズッコケて世界を二度も滅ぼしたんだ……。笑い話にしてはたくさん殺したな」


 そう言うとハイドラはそれっきり何も言わなくなった。何を考えているのかは分からない。しかし、シヅキはハイドラが満たされているような気がした。決して幸福でもない人生だったのに、自分が世界の害だということに苦悩していたのに、その顔は穏やかであった。やり遂げたという達成感に満ちていた。


「……じゃあな」


 だからシヅキもこれ以上問答を続けようという気はなかった。

 せめて死神からの温情を受けられればいいなと、そう祈った。


次は、しっかりと練り込んで、しっかりと見直して書きたいですね。


まだ終わるわけではありませんが。

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