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正義を捨てた勇者の末路

そろそろタグのほのぼのを消そうか考えてます。

 ロベルトは死んだはずであった。体の痛る箇所は砕け、出血は致死量。どこを見ても生きている保障などない姿をしていた。

 しかし、そんな彼に死神は手を貸した。かつて彼が異世界の地に来る前も彼に手を貸した死神ではあったが、またも死神の個人的な好意でロベルトにチャンスがもたらされる。


「ロベルト、死んでしまうには早いだろう。だからお前の都合によく合った契約を見繕ってきた。お前は今まで手に入れた全てと引き換えに再び生を得る。仲間はお前の事を思い出せないし、お前の残した軌跡はすべて泡と消える。どうだ?」


「……決まっている。シヅキが、俺の大切な仲間たちがそれで助かるのなら、俺は構わない」


「そうか。……お前は強いな。やはり、お前をこの世界に呼んだのは正解だったな」


 そして、ロベルトは何もかもを捨てる代わりに再び這い上がった。すべては仲間の未来を守るために。

 ロベルトはハイドラを蹴り飛ばすと剣を天に掲げた。それはリヒト・クローネの体勢。しかし、剣から発せられる光は黒く濁っていた。


「お前、魔に身を落としたか」


「どうだっていいだろう。俺のことはさ」


 ロベルトは赤く充血した目をぎらぎらと光らせた。その目に宿るのは凶器ともとれる感情と捨てられた人間性だった。


「お前はそれでいいのか? 人間を捨てて、借りに私に勝てたとしてもお前は永遠に仲間と同じ場所には立てないんだぞ!」


「だから、どうだっていいだろ? 俺はさっさとお前を殺して、それで……」


 何かを言いかけたがグッとこらえた。その言葉を言ってしまうと無性に人間に、仲間の元に帰りたくなる気がしたのだ。

 よどんだ光は勢いを増し、それをロベルトは容赦なく振り下ろした。即座にハイドラは壁を用意するがそのすべてが灰燼に帰し、ことごとくが破壊された。

 ハイドラは間一髪でそれを回避することに成功したものの、右腕を失うほどの傷を負った。

 ロベルトは止まらなかった。相手が生きているとわかるとすぐさま接近、徹底的に切り込んだ。ハイドラは人形兵を生み出し、時間を稼ごうとしたがまったく意味がなく、神器に頼った防御を行うもごり押しによって破壊された。


「はあ、はあ、……お前、お前は……」


 バラバラになった神器を捨て、ハイドラは新たな神器を取り出した。しかし、それがどんなものであろうともロベルトには関係ない。


「お前は死ね。無残に残酷に美しく醜く断片となって塵すら残さず、ただ死ね。お前の考える理想とやらが人類を救うだとか、そんなことは知らないし知りたくない。死ね。ただ死ね。無意味に死ね。死ね、死ね」


 今までの優しげな雰囲気とは一転、相手が苦しんでいる姿を喜びながら最大級の罵倒と侮蔑の言葉を浴びせかける。腹の底が煮えくり返っているのだろうか? 

 いや、違う。彼は純粋にそう思っている。そこには怒りや使命感と言ったものは存在しなかった。ただ相手が苦しむさまを腹を抱えて笑っている。そんな人ならざるものとなったのだ。

 ロベルトは笑いながら切りかかる。神器による反撃で腕が砕けようとも、足を折られようとも、首が曲がろうとも、ロベルトは変わらずただ相手を殺そうと剣を振る。その姿は人ならざるものとしての再生力があると言っても異常な姿であった。


「はは、はは、お前案外どうってことはないな。もっと早く気が付くべきだった」


 最初の不意打ちで手傷を追ったのもある。しかし、それ以上にハイドラは逆境に弱かった。心が付いていかないというのだろうか? とにかく彼は体が固まって思うように動けなかった。

 そして、徐々に押されていたハイドラは初めて地面に膝をついた。


「……さあ、まだ倒れるなよ。もっと借りを返させてもらわないとな。絶望して死んでもらわないと」


 ロベルトは再び剣を振り上げた。黄昏の光を黒い闇の光が黒く照らしていた。

 空は日が落ち始め、かなり長い時間を戦っていたことを物語っていた。


あれ~? 最初はハーレム路線の女の子しか出ない物語を書く予定だったのに男しか今書いていない件について。

……どこで間違ったんだ。

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