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生産者の日常

表現ぼやかしてるし読む人少ないからセーフ。

後タイトル変えました。

あらすじも変えます。

「ロベルト雑貨屋マスコット計画とは全く関係ないんだが薬学のスキルを習得し、俺はついに自力で傷薬を作成することに成功した」

シヅキはビンを天井に掲げながら唐突にそんなことを言い出した。

エステルはそれを呆れながら見ている。

「買った方が安いでしょ」

「効果はこっちのほうが上だ。即効性の高い薬でなかなか使いやすい」

「ちゃんと試しに使って効果を試したのか?」

ロベルトは棚の整理と掃除をしている。


「ふっ、そんなに効果を見たいか。ならば見せてやろう!」


そうシヅキが言うとエステルの前に立ち、人差し指で目の前の真っ平らな表面にかすかに膨らんで見える凸部分を押した。

「ポチ」


いきなりのことに驚いて固まっているエステルは時間が経つとともに顔を耳まで真っ赤にして腰に下げている剣を鞘から抜かずに手に取った。

「そんなに怪我したいなら思いっきりやってやるよおおおおおお!」

ゴツンゴツンと剣で叩きまくる。

「あば、あばば! いぎゃああああああああああ!」

鞘に納められているが普通に痛い。

最後の一撃でバットを振るかのようなスイングで吹き飛ばされて彼は地面を舐めた。

エステルは胸を押さえながら鬼のような形相で這いつくばる男を威嚇していた。

「い、痛い、だが、これくらいダメージを受ければ効果は、一目瞭然だ!」

シヅキは薬を試しに顔に塗る。

そして更に体の痛い部分に塗っていく。

「復活! ムツキシヅキ、復活ッ! お買い得商品の誕生!」

「すげえ、マジで治ってる」

「俺の生産能力を舐めないでほしい。他はともかく俺は物作りを妥協するつもりはない。これくらい作るのなどちょろいのだああああああ!」

初めて作ったものが成功したためかいつになくテンションの高いシヅキ。

エステルはやや納得のいかないと言った表情をしていた。

「エステル、相変わらず板みたいな胸だったが凸部分はいい感じだったぞ。ナイスおっぱい!」

「やかましいわ! くたばれ変態!」



戯れも早々に材料の調達も済んだので早速製作にかかる。

「マスコット、日本で言うゆるキャラを作るのだから可愛い感じに作りたいな」

「デザインはどうするんだ?」

「それは昨日寝る時間を削って考えたとっておきがある。任せろ!」

親指を立ててシヅキは自信ありげに答える。

シヅキは設計図なるものを取り出すと早速制作に取り掛かった。

そして数分の内にそれは完成する。

……。


ぎょろりとしていて、なんか吸い込まれるような恐ろしさのあるマスコットヘッド。

全体的に暗めの色。

猟奇的なものを思わせるボディ。

クマを模したものであるというのは分かるがそれはそれはひどいものだった。

「ます、こっと?」

怖い。

凄まじく怖い。

今にも食われそうだ。

(こんなん夜に見たら子どもどころか俺でも失禁する自信あるわ)

ロベルトは恐怖した。


「どうすか!」

「いや、どう考えてもマスコットからかけ離れているんですが。作り直してどうぞ」

「え、だって最近のトレンドってキモカワじゃないですか。だったらその路線で行ってみようと思いまして」

「線路から外れて脱線してるのでやり直してどうぞ」

無表情で威圧する様は店の将来を案じてなのか、なんにしてもこの化け物を世に送り出すわけにはいかなかった。


「お、俺の作ったものが不良在庫になってしまった」

絶望の表情を浮かべてシヅキは膝をついた。


「え、ちょっとかわいいのに」

後ろで感性のずれた声がしたがロベルトは無視。

そいつは倉庫の奥にぶち込まれた。

倉庫に入れる際、やけにリアルな目玉がこっちを見たとロベルトは錯覚した。


~次の日~

今日は朝から店がにぎわっていた。

もっともこの日は雑貨目当ての人は一人も来ない。

目当てはシヅキの能力の一つ、修理能力である。

p能力は一からの生産のほかに修理や解析などの多様な能力を持っている。


お客は徴兵時代に知り合った騎士や兵士たち。

彼らの武器や武具の整備が仕事内容だ。

「あ~、いっぱい修理するんじゃ~」

いつになくシヅキは元気だった。

実はこの雑貨屋、主な収入源はこの月一の大整備であったりする。

今日もいつものメンバーである屈強な戦士たちが……、と思ったが今日はいつものメンバーでない人が混ざっていた。


「シヅちゃん、また壊しちゃった……」

「アイリさん? この前来たばっかりなのにまたぶっ壊したんですか!?」

アイリと呼ばれた女性は半べそを掻きながらいつもの愛用の杖を見せた。

見事に折れていた。

この杖は魔法使い用の杖に細工したシヅキの改造品。

アイリは性格のわりに豪快な人で魔法主体でなく杖で殴るのを基本攻撃にしている。

魔法使いなのにである。

杖も本来の正規品より二十キロも重い。

何という剛腕であろうか。


アイリはその豊満な胸に杖を挟んでめそめそと泣く。

「私って魔法使いの才能ないんでしょうか……?」

彼女は魔法が使えないわけではないのだが、自己強化系のものしか使えずそのためにぶん殴るのが基本戦術になっている。

(黙って剣士になればよかったような……)


ちなみにこの人はロベルトが通う喫茶店に働く巨乳で若いお姉さんである。

冒険者として活動しながら足りない資金をバイトで稼いでいるのだ。

「昨日リザードと殴り合ったのですが、勝ちはしたものの力いっぱい地面を殴ってしまって」

それでも折れるわけないんだよなとシヅキは思った。

多分本気で手とか握られたら折れると思う。

「ではもう一回りの強化をしてみますね」

「お願い~」

シヅキにすがりつくお姉さん。

何ともダメ人間臭の漂う人だと思った。


夕方、仕事がひと段落したころに店の扉が開いた。

「こんにちはー。あ、パイタッチ魔人だ」

入るなり不審者を見る目になるエステル。

「違う。先端部分を突いただけだ」

「むしろ規制対象的な意味で悪化してると思うんですが」

エステルはそう言うと店の奥から椅子を持ってきて腰かけた。

「で、今日は誰々来たの?」

「いつものと後アイリさんが来た」

ふーんと不機嫌そうにうなずく。

「セクハラしてない?」

「してない。お客だぞ。生産者は消費者を大切にするもんだ」

そう言いながらシヅキは棚からビンを持ってきた。

「ところで新しい薬を作ってみたんだが」

「使わないぞ」

拒否された。

エステル殿はこれからエロ担当。

そしてシヅキは外道なドラえもん枠で頑張ってもらおうと思います。

そしてブックマークまた増えた。

やったぜ。

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