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第27話 鬼族ー角を生やした亜人達2ー

遅くなりました。


短いですが更新です。

「さて、それじゃシロマ、改めて…

我が名はガジャラ、上位グレート痩身鬼ライトオーガだったが、その肩書きは捨てた。

今はただの痩身鬼ライトオーガだと思ってくれていい。

獲物はこの鬼剣きけん、名を【オード】という。

これからよろしく頼む。」


片角になったガジャラが、刀を地面に置き、片膝を地面につけて頭を下げる。


「儂はボルグ、ガジャラと同じ痩身鬼ライトオーガじゃ。

獲物は重剣グレートソードと、この大盾タワーシールド、ともに名はないが、儂とともに死線を潜り抜けてきたものじゃて、役には立てるじゃろう。

この命、好きに使ってくれい。」


ボルグもガジャラに習い、武器を地面に置き、ガシャガシャと鎧を鳴らしながら、すぐ横に同じ様に並ぶ。


「…ティアーバ…ダガー…」


最後になったティアーバは、言葉少なくそれだけ言うと、ガジャラに寄りかかるように座った。


「えっと…シロマです。

…じゃなくて、よく分かんないんだけど…とりあえず、けんぞくってのはなんなの?」


戦闘していた相手が、たった数分で仲間になりたいと言っている。

訳が分からない状況に、ガジャラに説明を求めたシロマだった。


「あぁ、眷属が何かって?

そうだな…ちと待ってな。」


片膝のまま、ゴソゴソと腰の袋を漁ったガジャラは、小さな盃を取り出した。

それを地面に置くと、刀を持ち上げ、少しだけ出した刃で指を切り、血を盃に垂らす。

同じようにボルグとティアーバも自身の獲物で指先を切ると、ガジャラの前に置かれた盃に血を垂らした。


小さな盃は、すぐに3人の血液で満たされていったが、それが何を意味するのか、シロマには分からなかった。


「それ、なにしてんの?」


疑問を口にしたシロマだったが、ガジャラが答えることはなく、代わりにガジャラの質問を受けることになる。


「これにシロマの血を…あー…シロマって、血出るのか?」


「?

いや、出ないと思うよ、ぬいぐるみだし。」


「そうか…どうするかな…」


少しだけ考えるそぶりを見せたガジャラだったが、シロマの身体を眺め言葉を続けた。


「その毛、少しもらっていいか?」


「は?

や、やだよ!ただでさえお前に切られたのに、そうだよ!これどうすんだよ!」


モフモフ感のなくなった腕を、ガジャラに見せながら、シロマが文句を言う。


「いや、それは仕方ないだろ…

んー、ティアーバ治せるか?」


「ン…」


頷いたティアーバが、腰に付けたポーチのような物を探り始める。


「え?治るの?まじで!?」


「…」


驚いたようなシロマの問いかけに、ティアーバは反応を示さなかったため、微妙な静寂が流れてしまった。


『(ぷ…無視されてんの…)』


何も言わないティアーバに、理由の分からないシロマが固まっていると、嘲るようなサティの笑いが聞こえた。


サティの声は聞こえなかったガジャラだったが、何も答えないティアーバの様子に、低い声で命令する。


「ティアーバ…シロマは、俺達のあるじなんだぞ。

今直ぐに答えろ。」


ガジャラの言葉に込められた圧力は、殺意こそ無かったものの、ティアーバは震え始め、関係のないボルグまでも冷や汗をかくほどのものだった。


「シツレイ…シマシタ…

ソザイアレバ…ナオセマス…」


即座に平伏したティアーバは、シロマの質問に答える。

その様子を横目で冷ややかに見ていたガジャラだったが、力を抜いて自分も頭を下げる。


「と、言うことだ。

根はいいやつなんだがな、許してほしい。」


「は?え?…あ、答えてもらえれば別にいいよ。

でも、素材か…」


『(…多分無理だぞ〜。)』


何を使っていたのかを、思い出そうとしていたシロマに、サティの声が聞こえた。


「(え?そうなの?)」


『(腕ってか全身の毛に使われてる毛は、天馬ペガサスって天界の生物の鬣みたいなんだけどさ…

こっちじゃ神獣扱いになってるからさ、出会うだけでも珍しいのに、その鬣を手に入れるのなんて簡単な事じゃねぇよ。)』


「(そうなのか…困ったな…)」


声にこそ出さなかったが、自然と溜息が出てしまう。


「どうした?

その身体を作った奴なら、余りの素材くらい持ってるんじゃないか?」


「あ、あぁ…多分ね…」


「なら、その余りがあれば治せる…そうか…」


生返事のシロマに、何かを感じ取ったガジャラが他の2人に指示を出す。


「ボルグ、ティアーバ、俺が斬ったシロマの毛が、向こうの通路に落ちている筈だ。

白く細いが、薄っすら光っているから、、探せるだけ探すぞ。」


言うなり立ち上がったガジャラの後ろから声がかけられた。


「探しとるのはこれじゃろう?」


片手に乗るほどではあるが、真っ白な毛の塊がガジャラに差し出され、ごく自然に受け取ってしまう。


「おう、探す手間がはぶ…ん?」


正面から見えていたシロマにだけは、ガジャラの背後に地面から浮かび上がる様に出てきた角の生えた人型、顔は仮面を付けていたため分からなかったが、おそらくは男であろう者の姿が…


少しづつ登場人物が増えてきました、そろそろ街に帰したいのですが、何時になるのでしょうか?


御指摘、御感想、なんでも書いて言って下さい。


次回は、5月21日を予定しています。

宜しくお願いします。

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