第2話 ステータスとスキル
ここで俺は大事なことを思い出した。そう幼馴染達のことである。出来ることなら彼らだけでもこの世界から帰還させたい。そう思いコアに尋ねてみた。
「コア他のプレイヤーと連絡が取りたいのだがどうすればいい?」
『名前をフルネームで仰っていただければ、コア同士で通話できます』
「なら、斉藤剛史、斉藤楓、小夜凪真奈美。この3人に連絡してくれ」
『3人同時のグループ通話か1人1人話すか選んでください』
まるで携帯電話のようだと俺は一人で笑ってしまった。
「グループで頼む」
『報告。斉藤楓はマスター登録されていません。原因としては、未だコアに触っていないか、既に死亡しているかが考えられます。』
「……ならば斉藤楓が登録され次第グループ通話を繋いでくれ」
『了解しました』
まだ、ダンジョンが外に繋がっていない現状から考察して楓が死んだとは考え難いと判断した俺はグループ通話を少し先延ばしにした。
(まあ、常識人の楓のことだ今は絶賛混乱中といったところだろう)
そして、まず自分の力の確認を優先することにした。
「コア、俺のステータスを表示してくれ」
『了解しました』
コアのその言葉と共に俺の目の前にゲームのように青い半透明の画面が表示された。
名前 :鳴海 海斗
年齢 :17
種族 :ヒューマン
職業 :ダンジョンマスター
レベル :1
称号 :ダンジョンマスター・委員長
ダンジョンレベル:1
HP :250
MP :600
STR :60
VIT :50
AGI :150
INT :300
DEX :200
固有スキル :異世界言語理解・鑑定・アイテムBOX・スキル管理
戦闘スキル :射撃1・柔道1・剣術1・投擲2・逃走5
魔法スキル :
生産スキル :溶接1・料理5・木工1・電子工作1・プログラミング1・裁縫2
生活スキル :掃除5・洗濯4・計算7・数学5・文書作成3・
「これは…………すごいのか?」
俺は純粋にそう思った。当然他人のステータスなんて知らないし当たり前だ。
『異世界人と比べると平均的です。ですが、レベル1の一般人と比べると格段に差があります。異世界人でこのステータスに対応できるのは、勇者やや英雄といった存在だけでしょう』
なるほど、俺のステータスはそこまで悪いものではないようだ。しかし、改めてみると完全に後衛型だな。
そして、もうひとつ気になる物がある。
「コア、この固有スキル、戦闘、魔法、生産、生活は何だ?」
大体予想はつくが、一応のためコアに聞いた
『固有スキルとは異世界人が此方の世界の渡る時に自動的に付与される特殊なスキルです。今回の場合、異世界言語理解・鑑定・アイテムBOXは全員共通に配られ、もう一つのスキルは各々ランダムに配られます。』
「コア、俺の固有スキルの詳細を教えてくれ」
『了解しました。スキル管理は①マスターか配下がこのダンジョン内で生き物を殺害した場合、その対象が持っていたスキルをランダムで取得できます。②配下が持っているスキルをコピーぢ所持できます。③自分が持っているスキルを配下にコピーし与えることができます。以上の三つがスキル管理の能力となります』
何だと、だとしたらスキル管理はかなり当たりかもしれない……いや当たりだな!!……でも最初に入ってきた奴が強すぎたりすると詰むな……うん、留意しよう!!
『続いて、戦闘スキルはそのスキルがあると戦闘時に補正を受けるという物です。また、魔法スキルとは魔法使用時に補正を受けるという物です。』
まあ、こちらは大体予想通りだ。
『次は生産・生活スキルに関してです。こちらは、それぞれ生産・生活時に必要となるスキルです。』
こちらも予想通りだ。だが、これらの説明を聞いて幾つか疑問が出てきたな……
「コア、スキルの取得条件とスキルの横にある数字の意味を教えてくれ。」
『スキルは一度体験すると○○1とステータス欄に出ます。これが一般的な方法です』
「ん?じゃあ一般的じゃない方法もあるのか?」
『禁則事項に抵触するためお答えできません』
「……おいその答えはどうなんだよ……お前の製作者絶対こっちの世界覗いてたろ……」
『禁則事項に抵触するためお答えできません』
「……もういい。何か脱力したわ……」
『続いてスキルレベルについてです。スキルのレベルの内訳はこうなっております
1体験済み
2~3初心者
4~5経験者
6~7達人
8勇者/英雄
9化物
10神
これらのレベルは経験することで上がっていきます。また生活スキルなどは簡単にあがりますが、戦闘スキルなどはただ経験しただけでは上がり難い場合があります』
なるほど先程といい細かい条件などは聞くことは出来ないわけだ。あくまで、このコアはダンジョンのコアであり、ダンジョンに関わる以外のことはあくまでオマケ機能というわけだ。
しかし、スキルそのものは簡単に得ることが出来るようだ。だが、そこからのスキル上げが大変ということか。
「わかった。では次に『斉藤楓がマスター登録されました。通話を開始しますか?』……よし、登録したか。」
俺は意気揚々とコアに対して許可をだすのだった。