修行の身でございます
言葉はジャックナイフの
ように鋭くあるべきで
また、傷を癒す薬であるべき
と
ある詩人が詩を書く者に贈った
言葉があった
私の詩は、
バターナイフのようにぺったりして
肌を一時的にしっとりさせるクリーム
くらいの効能しかない、と思っている
それでも書くのは、
バターナイフでも弾丸を真っ二つにできる
と思って、一時的でも効能はあるかもしれない
と、密かに期待しているからだ
そのためには、
言葉をポケットに入れて、自由自在に
取り出せるようにならないと
心に合う言葉のサイズをいちいち測らなくても
いいようにしないと
人の言葉と比べて
羨んでいるようじゃ、まだまだ
いきとしいける者をとらえる目を
常に養わないと
言葉は使う人の心を酷いほど反映するから、
心はまっさらで淀みなく濁りなく
上手いと言われたい、という媚りつき汚れに
いつも手をやいているけれど
言葉修行の身、楽しみながら
努めます
この世には美しく、汚く、ろくでもなく、
素晴らしいものが山とあるから
それを色彩もたない文字だけで表すのだから