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今日もまた一日が終わる

作者: 下田ぱん
掲載日:2026/02/03

 今日もまた一日が終わる。

 寒い部屋で、布団の中で過ごした一日が終わる。


 去年は良かった。

 FXで1億以上も勝って、贅沢三昧だった。

 美味しいものを食べ、お金が無い人に配ることで感謝され、充実した日々だった。

 税金で何割持っていかれようが構わなかった。

 ずっとこのまま勝ち続けられると思っていたから。


 しかし現実はそう甘くはなかった。

 簡単に1億勝てるということは、簡単にそれ以上負けられるということだった。

 今年は年初から相場が荒れて、暮れには負けが積みあがっていった。

 いくら負けたか、その数字とはまだ向き合えない。

 幸いなことに、借金だけはまだしていない――。

 そんな風に――下には下がいると自分に言い聞かせている。

 言い聞かせることで、安心したがっている。

 なけなしのプライドを守っている。


 鬱になった。

 薬が無いと生きていけない。

 病気になって初めて、健康の大切さを知った。


 それでも僕は、ギャンブルをやめられない。

 FXはやめられたし、株や先物もやめられた。

 ただ、人生のギャンブルはやめられていない――僕は、相も変わらず、小説家になりたいと思っている。

 小説家になるために、人生を費やしている。

 仕事選びも、時間の使いかたも、何を決めるにあたっても、小説家になるために適しているかどうかという基準で判断している。


 書かないといけない。

 書いて書いて、書かないといけない。


 暗い部屋の中で、ようやく僕は布団から起き上がった。

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