表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【一発ネタ】 危険な男シリーズ

【一発ネタ】危険な男 4

作者: まい

 変な趣味を持つ男が、変なモノ・瞬間を目撃する話。

 とある中途半端な田舎によくある、年々田畑が減り続ける中で住宅もアパートも商店も飲食店も、スーパーもチェーン店もホームセンターもカーディーラーも町工場も混在する町。


 そんな町のとある住宅に、変な趣味をいくつも持つ男がいた。



 その男の職種は不規則な就業時間であり、平日が休日になる日もちょくちょくだ。


 そんな男の変な趣味の1つなのだが、冬の平日に住んでいる家の縁側(えんがわ)に座り、外をのんびり眺める事だ。


 この趣味が発揮されるのは冬の日中で、しかも風が強い日に限られる。




〜〜〜〜〜〜




 男は縁側に座っていた。


 そして暴風とも言える強風が吹き荒すさぶ屋外で、のんびりと文字通りの風景を楽しんでいた。


 その顔には期待の色が強くでていて、風によって発生する出来事を心待ちにしているのが、ありありと読み取れる。




 …………と、そこまでは良かった。


 良かったのだ。



 ガタンっ!!


「あ……」



 すぐ近くから、細長くて重いモノが落ちた音。


 具体的には、洗濯物が帆船(はんせん)()の様に風を受け、ずれ、物干し竿が落ちた音。


「落ちにくくする為に縛ってたのに……」


 物干し台に物干し竿を紐やバンドで縛って工夫しても、落ちる時は落ちるのだ。


 男が面倒臭そうに腰を上げ、落ちた物干し竿を台に掛け直す。


「あー、面倒臭い」


 男は愚痴(ぐち)りながらも、再び丁寧にバンドも掛けてから縁側へ戻る。






 ガタンっ!!


「うわ……」


 あれから男の体感10分位だろうか。


 そんな間隔で再び物干し竿が落ちる音。


「風の強い日は、これだから……」


 うんざりする男だが、風の強さが極まる日は大体こうなるのだ。


 ちゃんと対策をしても、それを簡単に上回って物干し竿は落ちるのだ。


 それでも対抗して徹底的に対策を始めると、今度は物干し台の方が耐えきれず、台そのものが回転して動いて竿を落としにかかるのだ。


 なので簡単な対策に(とど)めないと、面倒事が大きく重くなる。


「今日は何回落ちるのかな……」


 なので、男がこうして少し暗い顔をするのだ。



 ガタンっ!!


「またか……」

 物干し台で干す際は、風に気をつけましょう。


 昼前の買い物へ出る前に一度、帰ってきて一度、昼食が済んで一度、昼休みに一度、取り込む前に一度等、まあ落ちる。


 容赦なく落ちる。


 ホント、ホントにね……(クソデカため息)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ