表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

5 閑話休題 現実とファンタジー

休日の昼。メガネと短髪はサウナで我慢大会を実施中。



「はい、今回は某温泉施設からお送りします。レビューレビュワー、メガネです」

「短髪です。よろしくお願いします」

「今日はメガネを着けていないのにメガネ。実に面白い(ガリレオ風に)」

「お前では福〇にはなれない。そのキメ顔を止めろ」

「はい」


「で、メガネよ。こんなところで思いつきのようにレビュー始めたのはなんでだ?数か月音沙汰なしだったのに」

「そこには色々事情があってな……」

「事情」

「あれからいろんなレビュワーさんの動画を見てみた。次の話のネタを作るためにな。だけど、筆が進まない」

「どうした?何かあったのか?」

「別の作品を書き出してしまったというのが原因の一つなんだが、それ以上に重大な事実に気が付いてしまってな……」

「前半のメタい発言は一旦置いておくとして、後半の重大な事実ってなんだ?」


「ネタが尽きた」

「早っ!ちょっと待てよ。なろうレビュワーさんはいっぱいいるだろ。全員見たのか?ネタなんていくらでも出てくるだろ?」

「いや、某動画サイトでワード検索して出てきた人を二桁ほど見てみたのだが、なんというか、難しくて……」

「具体的に何が難しい?」

「尺が稼げない。書いたプロットを読み直しても面白くない。どのレビュワーさんの動画を見ても、私が感じたこと、受けた印象は前回までのレビューレビューで説明済。これといった新しい発見がない」

「辛辣な意見。というかそれはメガネの能力が足りないってことじゃ(小声)……」


「そこは申し訳ない。こんな技術があるぜ!と鼻息荒く説明したい内容がなかなか見つからないんだ。あっても小粒ネタでね。筆が進みません」

「自慢げに言うことじゃないぞ!……だが、今日こんな話題を振ったということは、何か思いついたことがあるんだな?」

「はい。今日はネット上に少し面白いやり取りを見つけたので、それに対する意見と考察をしたいと思います。短い内容なので、箸休め的な回です」

「よし、では始めよう」



サウナを出て露店風呂に移動して話を続けます。



「今回は閑話休題ということで特定のレビュワーさんを対象にしたものではありません」

「ほう。ということは、貴方メガネの思うレビュワーさんの分類分けとかランキングとかそういう話でしょうか?」

「違います。今回の話はツイッターのある騒動についてです」「

「また随分と毛色の違う内容ですね……」


「まぁまぁ、聞いてください。さて、最初にそのツイッター騒動の経緯を説明します。始まりは、ある元JA〇A職員のツイートです。‘宇宙を題材にした某有名漫画を読んだところ、自分には何が面白いのか分からない’という内容でした」

「ふむ。まぁ、作品を批判することは自由ですからね。そのツイート主さんにとってはその漫画が面白くなかった。それだけのことですね。騒動になるとは思えませんが」

「はい。ですが、そのツイートは炎上します。上記の言葉と前後して ‘その漫画の影響で宇宙に対し誤解をしている人が多く、プロとして迷惑している’ ということ投稿をしています。どちらかというと、こちらが騒動の原因だと思います」

「自分の好きな漫画を否定されるわけですからね。その漫画が好きな人の中に怒り狂う人が出てくるのも理解できます」


「この炎上に対する周囲の反応は、大別すると2つ。一つは‘科学的に間違っているのだから、元ツイートの内容は間違っていない’。もう一つが‘漫画はフィクションなのだから、そこにツッコミを入れるのは野暮だ’」

「ふむ」

「短髪さん、この話、何かに似てませんか?」

「分かりました。メガネさん、あなた、これがなろうレビューと似ている、と言いたいんですね?」


「その通りです」

「上記二つの意見、どちらが正しいかというのを論じるのは意味がありません。ロジカルに考えるとどちらも間違っていない。厳密には、上記二つの意見は対立すらしていない。特定の前提を置いたときのみ、この二つの意見は互いを排除しようとするのですが、その前提は最初のツイートの時点では言語化されていませんから」


「特定の条件というのは?」

「間違っているから、その漫画の内容を修正しろ、という意見を言った時点で、上記二つの意見は対立します」

「なるほど、どちらも正しいよ。がどっちかが正しい、に変わるんですね」

「はい。上記のような対立を引き起こす原因になるツイートを有名人(元ツイートの方とは別人)が表明したことも、騒動に拍車をかけたのだと思います」


「本人にそんな気持ちがあったのか分からないので、色々と周囲の人間に神輿にされてしまった感がありますね。最終的には元ツイートの方が謝罪したようです」

「悲しい事件ですね」

「そう思います。さて、では話を戻して……この騒動をなろうレビューに応用すると、どうなりますか?」

「ちょっとざっくり過ぎる質問ですね」


「おっと、すいません。具体的にしましょう。そうですね……異世界転生もののテンプレで考えましょう。引きこもりの現代日本人であった主人公が転生して、チートを授かりました。とんでもない思考回路の持ち主で、おおよそ常人とは違う判断基準でもってハーレムを作りました。ハーレムメンバーの思考は現代日本人の感覚とはかけ離れている……この作品に対して、先ほどの元ツイートを参考に意見を言ってください」

「元ツイートの方ですね。えーと……‘異世界転生をテーマにした作品をよんだが、現代日本人である自分にとって何が面白いのか分からない’」


「続けて」

「このツイート主が引きこもりに関する研究者、あるいは一般的な生活をしている人物だと仮定し、‘引きこもりの現代日本人がいきなり異世界でハーレムが作れるわけがない。ハーレムメンバーの思考があまりに普通の思考とかけ離れている。日本人として迷惑している’ これでどうでしょう?」

「マイルドな表現でいいですね。後半の‘日本人として迷惑している’を‘読んでいて気分が悪くなった’や‘作者の知識不足・ねじ曲がった思考はいかがなものか’という文言に変えると、様々なバリエーションでの表現ができますよ」

「ありがとうございます」


「今回のポイントは、自分の意見として引用するところが、何か特別な専門家でなくてもいいということです。前述の例でいうと宇宙に対しての深い知識が必要な所を、後述の例では、自分の生活の判断基準を、一般的な日本人として見なせばOKです。これで、貴方立派なもなろうレビュワーです」

「以外と簡単……なのか……?」



風呂を上がり、フルーツ牛乳を飲みながら話を続けます。



「前述のツイートに対する回答、そこにもレビューのネタがあります」

「というと?」

「レビュワーの皆さんは、ツイートの反応1に対応したレビューばかり上げています」


「反応1というと、‘科学的に間違っているのだから、元ツイートの内容は間違っていない’の方ですね」

「そうです。その上で‘ここが間違っている’‘こういう問題がある’‘ここはこうすべきだった’という構成になっています。具体的に言うと、‘引きこもりの現代日本人がいきなり異世界でハーレムが作れるわけがない。もっと一人の人物と真面目に向き合い、少しずつ性格が改善されていく描写を入れるべきだ’ ‘一回助けられただけで一目ぼれするなんてありえない。親切で強い人だと認識するだけだ’ となります」

「納得できる構成ですね」

「そこで、あえて注目したいのが反応2の内容です」


「反応2というと、‘漫画はフィクションなのだから、そこにツッコミを入れるのは野暮だ’のほうですね」

「そう。自分が引っかかる部分についての考察で‘フィクションなんだからこれもあり’ ’そこはこの作品のメインではないのだから、重箱の隅をつつくのは無意味’という視点にたったレビューです。今回の騒動の意見バランス的に、フィクションに対してこちらの印象を持つ方も多い。ということはレビューでもこちらの反応に基づくものの需要はありそうだと思いませんか?」


「うーん。そういう内容のレビュー、実際あるんですか?」

「あることはあります。が、この反応2は反応1の前座になることが多いです。ここはまあフィクションだから許せるとしても、その次のここは許せない。というように、賛否両論の帳面消し的に使われます」

「ふむふむふむ」


「クッションとしての使い方はよいのですが、反応2をメインにしたレビューもたまには見たい」

「でも、‘なんでもあり’ならそこでレビューが終わりませんか?」


「いえ。そこから広げることくらい簡単です。実際、やっている方もいます。例えば、集団で異世界転移した作品について ‘異世界に転生したときに人格が変わる、という裏設定があるかもしれない。そうなると、複数人の性格が別々の方向におかしいのにも、何か意味があるのかもしれない。性格の傾向から見るとうんぬんかんぬん’というのはどうでしょう」

「そこまで行くと、もうレビューというよりは考察、陰謀論になってませんか?反応2からずれてきてます」

「正解率0.1%の某ノベルゲームを出題編から追っていた身としては悲しいですが、今はそういうのは流行らないんですよね……そうですね……この方法は、あえて ‘重箱の隅’ に注目するやり方です。本質的には反応1と同じ、かつ作者を攻撃することはない内容なので、うまくやれば違ったスタンスの動画が作れると思いますよ。題して【全肯定なろうレビュー】。イメージはぺ〇ぱです。面白いかどうか、人気になるかどうかは知りません」


「じゃあ、お前がやってみろよ」

「それはまた別の話です。我々はレビューレビュワーですので……」





「さて、今回のレビューレビュー如何でしたでしょうか」

「当分別の作品を書く予定ですが、何かネタを思いついたら突発で投稿するつもりです」

「では、次の話で会いましょう」

「「ありがとうございました」」


もしよろしければ、現在投稿中の'幼馴染は美醜逆転世界出身の転生者'も読んでいただけると嬉しいです。

よろしくお願いします。


リンク↓

https://ncode.syosetu.com/n0076hk/

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ