夏空 ハイビスカス
あの 赤いハイビスカス咲く島
どんなだろう
君の生きる島
青空よりも深く溶ける海
スカイブルー 沈み込む マリンブルー
あの 水平線の 彼方に
君がいる
遠く みつめれば みつめるほど
分からなくて
沖の彼方
ハイビスカス浮かぶ島
遙かな島に
秘密の赤い花
神隠しと呼ばれた 風の通り道
異世界へと続く 森
モスグリーンの深いさらに その奥
ハイビスカス咲き乱れる 小径
上下左右360度の僕の視界を一周して
つつむ
あたたかな場所 かつて
どこかで 出会った
その先へ
風に つれられて
迷いこむ
どこかの 山
鏡写しのように
氷山の奥で眠る
生き写し
自分によく似た 裸の姿
彫刻のように 眠る
抱かれた 石板
天空からの 雫
たくさんの雨粒ふらし 泣いている
天にいる 女神
オーロラに つつまれて
溶かし出される 氷の人
抱かれて
真っ直ぐに差し込む 光
翼広げて 十字架 描く
天空 ぬけて
雲間から
君の生きる島が みえる
あの 赤いハイビスカス咲く 島
青空に 溶けて
手のひらの 中
溶けない雪の 結晶
頬 つたう
君の 雨粒
握りしめ
今度は 間違えないように
君の待つ島へ
降りてゆく
光差し込む 木漏れ日の森
目が覚めると
あたたかな日差し
懐かしい匂い
言葉しゃべらない獣たち
瞳の奥で 誰かを 待つ
風の正体
君の声が
空を一周して
みあげた 快晴
眠りに落ちた ハイビスカス 匂い深く
光の輪っか 胸に 吸い込まれる
どこまでも続く この 空と 海と 大地の果て
この島を めぐる 夏