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時間の整理をしてみましょうかーー解決の糸口を見つけるどころか、謎は深まるばかりのようだ

昨日は更新できず、申し訳ありませんでした

今日からまた、宜しくお願い致します

 


解決してみせましょう、なんて大した自信だわ

まあまあ、星読みからその答えを導き、既に全ての出来事を知っているのだとすれば、その自信も頷けるけど



でも、それはないこともまた、私は知っている


何故か、簡単な話、彼がまだ7歳だからである


彼ことクラウス・ホロスコープは名だたる呪術師を生み出してきたホロスコープ家の中でも歴代トップと言っても過言ではない天才的な呪術師だ

だが、それは()()()()()


このファンタジー世界、未来をも見通せるような能力、どのような力を使って使いこなしているのか。お分かりだろう、《魔力》だ

剣術や話術、腹の探り合いなんかには魔力は関係ないが、こと不思議な能力には魔力がほぼ必ずと言っていいほど関係してくる。御約束というものだ



《魔力》

皆さんご存知魔法を使うために必要な不思議エネルギーだ。魔力と聞いてパッとどんなものか思い浮かべてほしい、つまりはそういう力である


では、この魔力がどう関係しているのか

これも想像に固くない話だ。まだ齢7歳のクラウスは自身の魔力を制御しきれていない


クラウスが高い性能の星読みを出来るのはセンスや才能もあるが、生まれもっての魔力量の高さにある。

星占いは多くの精霊の力を借りる、その為には多くの魔力が必要。でも、それは使いこなせて初めてその真価が発揮される力だ

素晴らしいセンスがあれど、身体が出来上がっていない以上、クラウスの力はゲームの時とは程遠いはず

今のクラウスは飄々とした態度で巧みな話術を用いて上手く誤魔化しているだけで、自分の望むタイミング、望む度合いで星読みを行うことは無理だ



なお、ゲームの攻略時の初期のクラウスは進んで運命に深く関わる星占いはほとんどしない。簡単な星占いですらやることは皆無だった。占う占うと言いながら多くの女の子たちを口説くのだ

クラウスが星占いをするようになるのは主人公であるヒロインとの親密度が一定度上がってからのイベントを経てからになる


その理由はまた追々思い出しなおすことにしよう。また考え込んでいると話についていけなくなる



「その言葉、偽りはないだろうね」


硬い声で、お父様がクラインに声をかける


「勿論でございます」


クラインが自信満々という笑顔を貼り付けながら肯定する。さあ、どうするつもりなのだろうか


なんせ、この展開が未知なんだ。この先の流れは今の私にはわからんぞ…よくある話なら、クラウスが犯人を見つける→父が話を受ける形でクラウス同居→なんやかんやでルーナと婚約する、かな?


婚約の件は置いておいても、時間が解決してくれるかな

そうなると、次の問題はクラウスの真の目的は何か、になるな。でも、これも今の私じゃわからないだろう

もう、クラウスの考えていることがわからない

出会ってまだ十数分だけど、ゲームの時のキャラと違い過ぎてる


二次元あるあるで幼少期と青年期では性格に違いがみられ、新たなギャップが生まれることでますますキャラのことを好きになる、というものがある(私談)

青年期では女好きで軽いチャラ男なセクシーboy、幼少期は大人顔負けの話術を持つちょっと意地悪な紳士ショタ…あぁん!好き!!キャラとして!!


ごほん、ごほん。脱線した

クラウスにギャップ萌えしているタイミングじゃない。今はもう、私に出来ることは何もない。うん、本当に何もない!

実際問題、まだルーナになって日が浅いどころか1時間も経っていないのだ。ゲームやらの内容もしっかり思い出せていない自信はある。私が何かできるとしても今じゃない…諦めよう、なるようになるさ、うん


「では、解決してもらおうか」


「はい、では折角です。ルーナ嬢が倒れた時にいらっしゃった方々を交えながら話しませんか?その方が、話を何度もする手間も省けますし」


早速とクラインの推理を聞こうとしたお父様だったが、主導権は圧倒的にクラインのようだ。言ってることもまあ、間違いではないと思うし、お父様も私と同じことを思ったのか一度黙ると顔を出入り口である扉に向けた



「エミリー、あの日に関わったメンバーを食堂へ呼んでくれ」


「は、はい!旦那様!」


今の今まで気づかなかったが、お父様たちを呼んできてくれたエミリーはずっと扉のところに立っていたらしい。多分、中に入ってくるタイミングを逃しちゃってんだろうな…中々に濃い時間だったもんね、わかるよ。仮に私がエミリーなら、面倒そうだからその場から逃げるかもね


エミリーは自分に話を振られるとは思っていなかったようで、一瞬反応に遅れたものの、直ぐにピシッと背筋を伸ばして返事をしたかと思えば最初にお父様達を呼びに行った時のような急いでその姿を消した


あの日関わったメンバーとなると、叔父様夫婦と料理長と執事か。あ、あとは多分もうここに到着しているお爺様と。うーーん、ルーナとして残ってる記憶を思い返してみるけど、やっぱり5歳となるとそんなに鮮明なことは覚えてないな

私は、まあ、前世の記憶の話をすると正直なところ高校生の頃だって記憶が曖昧なことが多いから仕方ないのかもしれないな。アニメについては覚えてるけど



さて、叔父様たちのことも覚えてる限り振り返ることにしよう


ジョン・ナハトヒンメルン叔父様

お父様の三つ下の弟。ナハトヒンメルン家は長男であるお父様が継いだので爵位はお持ちではない。お父様と似た整った容姿ではあるけど、仕事柄なのか眼鏡をつけていらっしゃる

仕事は王宮勤めの財務官でかなりのお偉いさんだ。性格は温厚で心配性、ついつい細かいことが気になってしまう性分。ルーナともよく遊んでくれる素敵なおじさまだ


オリビア・ナハトヒンメルン叔母様

元は伯爵家のご令嬢で叔父様とはお見合い結婚のはず。貴族にはよくあることよね、よく聞くでしょ?

叔父様の職場の関係で王都に住んではいらっしゃるけど、生まれは西の方だった気がする。

おしゃれに敏感で会う度にドレスや装飾品の趣味が変わってるよう。お金使いが荒いのか、それが当たり前なのか…

思ったことをすぐ口にしてしまう素直な人。ルーナにも会うたびに王都のお土産をくださる優しいおばさま


2人がルーナに手をかけるとしたら、最初に考えてた通り公爵家を従兄弟(彼らの息子)に継がせるため…だけど、それは考えにくいというのが私の結論だし…

それに、問題がそう簡単ならお父様が解決してる気がするのよね




「お待たせ致しました。皆さまお待ちになっています」


ああ、もう時間のようだ

エミリーが私たちを呼びに来た


さあ、天才呪術師のお手並み拝見といきましょうか


ブックマーク、コメントありがとうございます!

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