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やっと事件解決へむかうんですね!!ーーでも、何考えてるのかわからないから困ったものだ



本来なら、3日前に死んでいる


それは、本来の『ルーナ・ナハトヒンメルン』の運命だろう。そして、世界がそれを許さなかった

だからこそ、選ばれた理由はわからないが私の魂がこの身体へと入れられたのだろう

随分と勝手な話だ。何様なんだと言いたい。きっと神様だ、なんて答えられるんだろうな


二次元での神様というのはさまざまなタイプがあるが、どれも大していいものではないイメージだ

何故かむやみやたらに本来殺してはいけない人物を殺してしまったり、手違いで別の世界に召喚してしまったり…でも、元には戻せないから新しい世界で暮らせとか言ってくるやつ。

世の理不尽というものはそういう、私達では手を出せない所から悪戯に手を加えられているのかもしれないな、なんて。前世では冗談で語ったそういう考え方も、間違ってない気がする


「私は、星の導きが変わったことに興味を持ち、ここへと参りました。呪術師をお持ちでない公爵様たちが星を変えるのは限りなく不可能に近い…なら、理由は一つかと思いましてね」


意味深に言葉を繋げたクラウスは私へと視線を向ける

自然と両親の目も私へと向けられる


気まずい…!クラウスが来た理由はまあ分かったけど、理由を私に求められても知らないからね!こっちだって目覚めたばっかでよくわかってないんだから!星(運命)が変わったとか言われても、神様に聞いてみろとしか言えないから。原作小説とかあれば説明できるけど、こんな展開はどこにも書いてなかったから知らないしね!


こういう時は


「わたしには、なんのことか…」


知らんぷり⭐︎

必殺技である。どんなにクラインが優秀な呪術師で、本来なら私が死んでいなければならなかったとしても此方は見た目は5歳児…問い詰めるわけにはいくまい

ついでに怖がるフリでお母さまへと身を寄せながら弱々しくしがみつく

もう!わたしったら女優!


「今はそれで構いません。公爵、私をルーナ嬢の側に置いていただけませんか?」


「ほう…?それは難しい相談だね」


私の素晴らしい演技に周囲は騙されたようで、この話については終わったようだ。よし、なんとか助かったな

そうこうしているうちに話をまた進められる。話の中心はルーナ(わたし)のはずなのに、何故だか蚊帳の外である。黙って様子を見てることしか出来ない

クラインがさっき言ってた屋敷に置いてほしい発言の回収かな。うん、自分で自分の行動に責任をとるのは素晴らしい。立派な大人になれるぞー

でも、話は簡単には済まないようだ。お父さまがピリピリしてる


「婚約者でもない異性を娘のそばに置く、それなりの理由が必要なことくらいはわかるだろう。同時にこちらにメリットも必要だと」


うぉっ!?ここで婚約者フラグ立つの!?

フラグ立てるにしても適当すぎません?もうちょっとついていきやすいようにしてもらえないですか!?

いくらオタクをして長いから異常事態への適応力がパンピーよりも高いと言っても予想できない事態には弱いのよ!?


「ええ。私はご存知の通り星読みにて星の導きを得ることができます。その力を使えば…今回のようなことを未然に防ぐことができますよ」


ああ!もう!婚約者フラグほっぽってメリットプレゼン始めてるし!あと、そのメリットは確かに有り難いけども!死にたくはないし!ただ、そう説明して簡単に納得なんてさせられる訳ないで


「なるほど…」


うっそーーん。嘘でしょお父様。もうちょっと警戒心というか疑うことというか…うまい話を疑おうよ…。え、公爵がこんなんで大丈夫なの?心配になってくるんだけど


「それに僕は伯爵家の次男、家督を継ぐつもりはないですし、わりと家からは自由が許されている。万が一悪い噂が出ようものならその時は…責任を取りますよ?」


「責任?子供から聞くような言葉ではないな」


「若輩ではありますが、僕も貴族です。発言や行動に責任がついて回る事くらいは理解しています。だからこそ、まだ幼いルーナ嬢を守る盾にも剣にもなれるでしょう」


「ふむ…」 


まるで最初からこうならことを知っていたかのようにスラスラと言葉を繋いでいくクラウス。よくもまあ幼く回りにくい舌を絡まらせずに話せるもんだ

それに、子供といえどもメインキャラになる美貌を持つクラウスの胸に片手を当ててピタッと背筋を伸ばして立つ姿はさながらスチルのように出来上がっている。眼福


2人の会話はよくわからないけど、つまりは星読みを使って死なないようにクラウスがボディガードをしてくれる、ということなんだろうか。え?マジでクラウスは何でそこまで私に執着するわけ?星が変わったくらいでそこまでなるものなの?

うーん、星が変わるっていう展開はなかったからどういうものなのかわかりにくいけど、何か裏がある気がするなぁ…


「婚約者に、というのなら僕の意見としては文句はありません。むしろ、名家ナハトヒンメルン公爵家と繋がれるとなると父も祖父も喜ぶでしょう」


あ、帰ってきた婚約者フラグ。いらないよ?

確かにクラウスは攻略したし、楽しんだし、感動もしたけど、それは自分が恋をしたいということに繋がりはしない。この手の世界の楽しみはモブに達することだと思うわけで

そばでヒロインとの関わりを見て楽しんだり、液晶が邪魔しないそのイケメンを鑑賞したり、そういう楽しみ方をしたいだけ。だから私はヒロインではなかったことを実は喜んでいたのだ


なにより、中身との歳の差について一考してもらいたいところだ


転生先に文句は言いたくないが、私は私である限り自由に生きたい。好きなものを愛で、楽しんで人生を過ごしたい訳。主人公ことヒロインはなんか、こう…補正が強そう。悪役令嬢(ルーナ)もなかなか補正がありそうだが、まだ希望はある


ずっとよくわからないで話を聞いては思考を飛ばしていたのだが、今の段階で確実にわかるのは、私はクラウスと結婚したいという願望はないという確固たる意志のみ。いや、ゲームの時は目指していたエンドではあるけれど

さて、お父様の意見次第では横から口出ししますか

という訳で、お父様が口を開くのを待つことにした


「か」


「「か?」」


「可愛いルーナは!まだまだ!お嫁に出しません!!」


ぽそっと、か細い声で何か言ったかと思えばでっかい声でお嫁に出しません宣言。よし、よく言ったぞお父様!それでいい!親バカ宣言だけど、親バカなことは私にとって悪いことではないはず!


「はい、まあ、婚約者の件はそれで構わないです」


って、構わんのかい!!あっさり引き下がられるとそれはそれでちょっと複雑な気持ち…

私、そんなに魅力がないですか?


「ですが、この屋敷には置いていただきたい。なんせ、星が勝手に変わることなんてないのですから…そうだなぁ…」



まだ諦めてない。私じゃなくてこの屋敷にいることに執着してるの?何故に?

ダメだわ、わからん。前提知識がない以上私にはどうしようもなかった。無念




「ルーナ嬢に起こった一連の事件について、僕が解決しましょう。なので、解決できれば屋敷に置いてください」


なんてことない風に、クラウスは買い物を提案するくらい軽い口調で簡単にそう言ってのけた



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