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キングタイム  作者: 箱ロボ
カーナ
3/4

タイムマネージャー2


「それで飯を食ってアレコレしていたら、自分達が予想していた時間よりも、更に時間がオーバーした……と?」

「すみません。あ、良かったらこれどうぞ。」

「シレーノダイスキナ、タコヤキダゾ!」

「おぉ、これは美味そ……じゃないわ!ボケなくていい!」

「すみません」

「ゴメンナサイ」


 ユウと二人で深々と頭を下げた。


「遅れて来た事は、取り合えず置いておこう。ただ……要件は分かっているな?」

「いつもの言っていますが、僕は……」

「分かっている。しかし、お前はまだ証明出来ていないのだ」


 証明……それは、ユウがこの世界で危害を加える存在ではない事。僕がユウと一緒に居る方法はこう言うしかなかった。

 

 しかし現状、未だに何も解明出来ていない。このままだと近い内にユウは……


「処分……するつもりですか?」

「悪く行けばそうなる」

「でも!ユウがあの時僕を助けてくれていなかったら、今頃僕は……」

「それは、そいつがその時純粋だったからだ。穢れた心を手にした時、お前は対処出来るのか?彼女を……殺せるのか?」

「やめてください!ユウが……怖がってます」


 両腕を僕の右腕に強くしがみ付き、小刻みに震えている。「大丈夫」と一言彼女に伝え、頭を優しく撫でる。


「取り合えず、この世界にお前が来てもう三年になるんだ。そろそろ何かの手がかりだけは掴んでくれ。私も相手が誰であれ、無駄に殺したくないんだ。それも、死を怖がっている相手なら猶更な……」

「分かっています。指令が残虐な人じゃなくて、心の優しい人だって。だから証明して見せます。だからもう少し時間を下さい。」

「分かった。とにかく報告を寄越せ。どんなに小さな事でもな。ただ、都合の悪い情報だけ隠すのは無しだ。いいな?」

「はい。それは約束します。ユウを完全に信じて貰うには、悪い情報でも伝えます。それ以上の良い情報を示せばいいんですから」

「よし!なら今日は帰れ。お前明日は、出撃の予定なんだからな。宜しく頼むぞ」

「ハッ!」


 左腕で敬礼をし、指令室から出た。


「ユウ、もう大丈夫だから。もう怖くないよ」

「ウー……ウー……」


 恐怖で僕の声が届いていない。


 僕は、ユウの視線に入るように、腰を落とした。


「ねぇユウ。大丈夫だから。怖がらないで?指令も、ユウを傷つけたくて言ったんじゃないんだ。皆、ユウの事をを知らないから怖がってるんだ。だから皆に「自分は皆の味方だよ」って教えてあげよう?」


 言葉を伝えると、ユウはゆっくり僕の目を見て頷いた。


「リョータ、キョーノ、ゴハン、カレーガイイ」

「分かった。明日に備えていっぱい食べて頑張ろう。」

「ウン!」

 


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