タイムマネージャー2
「それで飯を食ってアレコレしていたら、自分達が予想していた時間よりも、更に時間がオーバーした……と?」
「すみません。あ、良かったらこれどうぞ。」
「シレーノダイスキナ、タコヤキダゾ!」
「おぉ、これは美味そ……じゃないわ!ボケなくていい!」
「すみません」
「ゴメンナサイ」
ユウと二人で深々と頭を下げた。
「遅れて来た事は、取り合えず置いておこう。ただ……要件は分かっているな?」
「いつもの言っていますが、僕は……」
「分かっている。しかし、お前はまだ証明出来ていないのだ」
証明……それは、ユウがこの世界で危害を加える存在ではない事。僕がユウと一緒に居る方法はこう言うしかなかった。
しかし現状、未だに何も解明出来ていない。このままだと近い内にユウは……
「処分……するつもりですか?」
「悪く行けばそうなる」
「でも!ユウがあの時僕を助けてくれていなかったら、今頃僕は……」
「それは、そいつがその時純粋だったからだ。穢れた心を手にした時、お前は対処出来るのか?彼女を……殺せるのか?」
「やめてください!ユウが……怖がってます」
両腕を僕の右腕に強くしがみ付き、小刻みに震えている。「大丈夫」と一言彼女に伝え、頭を優しく撫でる。
「取り合えず、この世界にお前が来てもう三年になるんだ。そろそろ何かの手がかりだけは掴んでくれ。私も相手が誰であれ、無駄に殺したくないんだ。それも、死を怖がっている相手なら猶更な……」
「分かっています。指令が残虐な人じゃなくて、心の優しい人だって。だから証明して見せます。だからもう少し時間を下さい。」
「分かった。とにかく報告を寄越せ。どんなに小さな事でもな。ただ、都合の悪い情報だけ隠すのは無しだ。いいな?」
「はい。それは約束します。ユウを完全に信じて貰うには、悪い情報でも伝えます。それ以上の良い情報を示せばいいんですから」
「よし!なら今日は帰れ。お前明日は、出撃の予定なんだからな。宜しく頼むぞ」
「ハッ!」
左腕で敬礼をし、指令室から出た。
「ユウ、もう大丈夫だから。もう怖くないよ」
「ウー……ウー……」
恐怖で僕の声が届いていない。
僕は、ユウの視線に入るように、腰を落とした。
「ねぇユウ。大丈夫だから。怖がらないで?指令も、ユウを傷つけたくて言ったんじゃないんだ。皆、ユウの事をを知らないから怖がってるんだ。だから皆に「自分は皆の味方だよ」って教えてあげよう?」
言葉を伝えると、ユウはゆっくり僕の目を見て頷いた。
「リョータ、キョーノ、ゴハン、カレーガイイ」
「分かった。明日に備えていっぱい食べて頑張ろう。」
「ウン!」