1/1
時を旅する少女の物語
時間の流れは一つ一つの生命によって違う。
よって、各々に世界があり、それは各々の中に存在する。
「時とは世界にして時にあらず。世界は時にして世界にあらず。」
人の創造では超えることのできない壁。それが時である。
目覚めた私は、訳のわからない世界に放り込まれていた。そこには無数の世界が存在しているかのような、いや、存在していたのだ。
事実、私の目の前には玉のようなものが並び、各々が全く違う景色を映し出していた。
ある一つは、いままで私が見てきたものと同じもの。またある一つは、崩壊した世界のようなもの。またあるひとつは、一つの惑星が誕生する瞬間のようなもの。夢のような光景、いや夢なのだろう。だが、その光景は妙に現実味を帯びていた。
「生命体であるのにここにきてしまったか。今戻してやろう。」
すぐ後ろから、目の前から、右から、左から、遠くから、隣から、音が響いた。




