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パパと娘⁸のらぶらぶライフ ~うまれたときからアイしてるっ!~  作者: カンサー・プロジェクト
第二章 家族の一歩 ~父娘+恋人のステップアップ~
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第四話 キスから始まる新世界 ~小学生篇~

「――――!」


 ……見事なまでの不意打ちだった。

 全く反応ができないまま――俺は、優結にくちびるを奪われていた。


「ぷはっ」


 満足げにくちびるをなめる優結を茫然と見る。


「え、え、え――!」


「優結―っ! 勝手にしちゃダメよ。順番はパパが決めるって言ってたでしょ!」


 華弥と愛が驚くが、俺はまだ反応できない。

 つい最近までおむつを替えていたような気すらする優結。そのぷるぷるした桜色のくちびるの、柔らかな感触が、熱を持ち残っている。


「ごめん。でも、すきあり! だったから。もう、いつでも仕留めれるもん……」


 優結は上唇をvに近い形にして下唇を噛み、謝る。


「巴お姉ちゃんの番なのに……」


「いや、むしろでかした……」


 華弥が気遣うが、巴は寛容だった。


「これでスムーズになる……。パパはどうやら……私たちのベビーフェイスを前に……躊躇(ちゅうちょ)されていた……ようだから。でも、優結と済ませた以上……退路はない……♪」


 全て見透かされている。


「パパ、怖がらないで……。すぐに済むから……♡」


「ああ――」


 覚悟を決め、腕の中にすっぽり収まる、巴のコンパクトな体を抱く。

 巴が小さな口を開くと、やはり小さな歯と舌が見えた。そこへ、触れにいく。


「――ん!?」


 キスの瞬間、その舌が予想外の動きをした。


「どうしたの……?」


 戸惑う俺に対し、巴はポーカーフェイス。口元は笑っている。

 完全に一本取られた。今の動きはどうやったんだ……? 後でじっくり訊かなければ。




 華弥は思い詰めたような表情をしていた。緊張しているだけではなさそうだ。


「お父さま、華弥は今、とてもうれしいです。欣喜雀躍(きんきじゃくやく)。悲願成就の心持ち――。でも、いいのかな。こんなに早く、願いをかなえて。姉さまたち、特に理沙姉さまは、ずっと我慢してきたのに――」


 なるほど。そういうことを気にしているのか。

 気にしなくていい。急がなくていい。

 どちらも正しいが……。


「いいんですよ」


 理沙が言った。その声は、我が子を慈しむ聖母のよう。


「待った時間は一番長いけれど、その分、お父さんと過ごした時間だって、一番長いもの。私は十分、いい思いをさせてもらっています♪ それにお父さんは、これまでできなかった分、これからたくさんしてくれるはずだから――♡」


「そうそう! めいっぱい喜んじゃって! ボクも、妹には少しでも早く、幸せをつかんでほしいからねっ!」


「今の私と……父さんの関係は、華弥のおかげだもの。私より先に結ばれたっていいくらいだわ」


「凛姉さん、いつも言ってたもんね! 妹には、同じ思いをさせたくない、って。美貴だって、妹ちゃんたちに幸せになってほしいよ」


「減るものではないので……」


 五人の姉たちが順に言うと、華弥は涙を流しつつ笑顔になった。


「うっ……えうっ……ありがとうございます……っ! 今から華弥も、幸せになりまっすっ……!」


 涙をぬぐう華弥の姿に俺も微笑ましい気持ちになるが、そんな場合ではなかった。他人事ではないのだ。


「じゃあ、お父さま――」


 お嬢様然とした華弥が、深呼吸して、手を組み、上目遣いに見つめる。薄紅の頬には、まだ涙滴が残っている。潤んだ目を閉じ、濡れたまつ毛が艶めいた。


「お願いします……!」


 張り詰めた呼吸から伝わる、痛切なまでの想い。震える姫に答えるため、誓いのキスを捧げる。




 最後は、愛。

 父親に対してもリーダーシップを発揮する、小さな女王様のことだ。さあキスをしろと、ご指示があると思っていたが――何やらもじもじしている。


「んーんーんー……」


 ……これは、恥ずかしがっているな。

 ひざまずいて、目を合わせ、尋ねる。


「愛。パパはキスをしたい。キスをしても、よろしいですか?」


 途端に、笑顔がぱあっと広がった。


「もっちろんよ! いくらだってするといいわ!」


「やったぁ!」


 俺も大げさに喜び、愛を抱き寄せようとするが――。


「ちょっと待って!」


 両手を突き出し、止められる。


「ふーふーふー。よし、どうぞ! ……やっぱり、まだだめ!」


 なかなか始められない。

 焦ることはない。このまま気が済むまで付き合ってあげよう。と、いつもの俺なら思うところだが。


「愛、もう待てない」


 その柔らかな体を抱き上げ、くちびるを重ねた。


「!!! ……パパったら、強引ね……♡」


「焦らすからだ」


 俺も、抑えが効かなくなりつつあった。

 一度してしまえば、愛も一転して吸い付きだす。そのまま、しばらく抱っこし続けた。


 照射されたハートが周囲を飛び交い、弾ける。




 ぱちぱちぱち――。


「おめでとう……! みんな、よかったわね……!」


 我に返った俺は、沙織の拍手を聞く。沙織の目も潤んでいた。


「お母さん、ありがとうございます」


「ママがおうえんしてくれたからよっ!」


「父さんだけだと、進まないもの」


「実績解除。コンテンツ開放……。これで自由だ……!」


「順風満帆、大団円ですね」


「ここからが本番よ!」


「また仕留める!」


「ボクも、仕留められるかな……!」


 理沙、愛、凛、巴、華弥、美貴、優結、翔子――みんなに囲まれる。誰も、まだ満足していない。

 八人の娘にもみくちゃにされながら、俺も新しい喜びを感じていた。

 今さらながら自分の気持ちに気付く。何が、娘を幸せにしたい、だ。俺のほうがずっと幸せだ。こんなにも、娘を求めていたんだ。

 キャパシティを超えた多幸感にくらくらする。このときを迎えられてよかった――。


「よい、しょ……」


 そんな俺たちの横で、沙織が片付けを始める。

 それをきっかけに、皆の意識が引き戻される。睦み合いを中断し、沙織に続いた。まずは庭からの撤収だ。熱された心身を、夜風が撫ぜる。


 生まれたときからずっといっしょ。産声を上げた赤ん坊のときから、ともに過ごしてきた娘たち。そんな八人姉妹と――今、恋人としての関係を一歩進めた。

 そして、これからも、ともに歩んでいく。

 この夜が来る前とは、少しだけ違う世界を。

【五女・巴のウワサ 2】

お部屋の中にたくさんの設備があるが、その規模は間取り図と合わないらしい……。

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