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パパと娘⁸のらぶらぶライフ ~うまれたときからアイしてるっ!~  作者: カンサー・プロジェクト
第二章 家族の一歩 ~父娘+恋人のステップアップ~
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第一話 五年後の娘たち

 出張からの直帰。普段より早い時間の帰宅。

 夕空のホームで電車を待つ。

 今夜は庭で、家族そろってのバーベキューパーティーだ。

 娘たちは随分大きくなり、交友関係も広がっているが、変わらず家族の時間を大事にしてくれるのは嬉しい。

 しかし、理沙と翔子はもう高校生。凛、美貴も中学生だ。

 さすがに昔とは父娘の距離感も変わってきている。


「あっ! いた~~~っ! ダ~~リ~~~ンっ!!」


 制服姿の美少女が、こちらにぶんぶんと手を振り、ツーサイドアップを揺らしながら駆け寄ってくる。

 途中で振り返り、改札の向こうで別れたばかりの友人たちにも手を振る。


「えへへ~っ、よかったっ! 今日はラッキー☆」


「美貴。偶然だな」


「そーそー、ぐーぜん! 待ってたわけじゃないんだからねっ?」


 俺の手を取り指を絡ませてくるのは、中学二年生の四女、美貴。

 その華やかさは成長とともに磨きがかかり、制服もよく似合っていた。


「ダーリンといっしょの電車で帰れるなんて新鮮~。あ、お外じゃダーリンって呼んじゃいけないんだっけ。ゴメンね、パパぁ~♡」


 甘えた声を出す美貴と手をつないだまま、電車に乗り込む。


「うん、どっちでもいいけれど、少しだけ落ち着こう」


 壁際に立つ俺に、美貴は抱きついてくる。この状況では、パパと呼ばれたほうがむしろまずい気がしないでもない。


「あ、これ美貴だ。カワイ~」


「本当だ。この前撮ったものだね」


 小さな車内広告で、アイドル衣装の美貴が笑顔を弾けさせていた。トップアイドル級の可愛さだ。

 小学生の頃から町内会のイベント等でステージに立つようになった美貴は、今や立派なアイドルとなっている。


「アイドルになったおかげで、パパとの関係もみんなに言えたんだよね。全世界公認のカップルなんだから、ダーリンって呼んでもいいよねっ?」


 そう、俺と娘たちの関係はここ数年で変わった。

 バレンタイン等の折に娘たちから想いを告げられ、美貴には、ステージ上で公開告白をされた。

 娘たちの気持ちを受け入れることにした俺は今、八人の実の娘たち全員の、父親にして恋人、ということになっている。


「あ、ダーリン。もう着きそー。もっと電車でしたいコトあったのに。こんなのとかっ♪」


 ネクタイを引っ張り、俺を引き寄せる美貴。その口づけをかわして頬で受けた。

 美貴曰く、「ファザコンJCアイドル☆美貴@パパとの結婚資金準備中~♡」として活動しており、ファンもみんな理解し応援してくれているので、スキャンダルを気にする必要はない、とのこと。


 電車を降り、あと七人の恋人と、一人の妻が待つ我が家へ向かう。

 ほどよく(ぬる)い空気の中、涼を運ぶ風が心地いい。




---




「もう少し左かな。愛、そっち持って」


「こーう?」


 家の庭では、三女の凛と七女の愛が、バーベキューのセッティングをしていた。


「あっ、パパ、お帰り~! 美貴お姉ちゃんも!」


「あら、お帰りなさい。……美貴もいっしょなのね」


 気付いた愛がツインテールを跳ねさせながらぶんぶんと手を振る。

 中学制服を着たままの凛は、きれいに伸ばした髪を揺らし振り返ると、眉を寄せ、俺にしがみつく美貴を見た。


「も~、美貴がいっしょじゃダメなの!?」


「ダメじゃないけど……」


「ほら、ダーリン。凛姉さんがすねてるよ。早くしてあげて」


「うん、ただいま」


 凛と互いの頬にキスを交わす。

 娘とのキスの場所は、基本的に頬か、額や鼻だ。恋人になってもそれは変わらない。変えていない。


「……なによ」


 思わず漏れた笑みを見咎められた。


「いや、ちょっと昔を思い出してね。頭を撫でたら叩かれたこともあったなって」


「そういう話はしないでよ! ……あの頃はあんたも悪かったのよ」


「そうだな、ごめんな」


 小学生の一時期だけ反抗期の気配を見せたようにも思えた凛は、ある頃からみるみるトゲが取れていき、今では少し照れ屋で優しい中学三年生になっていた。

 凛と接していく中で、俺は娘に過度に遠慮したり、触れ合いたい気持ちをセーブしたりしてはいけないと学んだ。


「はい、パパ。おまたせ」


 まぶしい笑顔で両手を広げる愛の、小さくも弾力のある身体を抱き上げる。


「よくできました。いい子のパパには、あとでもっとごほうびあげるわね♡」


 抱き上げた愛から、頭を撫でられた。小さな頃からお姉さんぶりたい傾向のあった愛は、小学四年生の今、すっかり俺まで甘やかすようになった。小学校でも面倒見のいいお姉さんで、下級生から人気らしい。


「お着がえしなさい、パパ。お庭のじゅんびは、愛たちがしっかりしておくわ」


「お肉やお野菜も、中で準備中よ」


「行こ、ダーリン」


 美貴と手をつなぎ家に入る。


「おっ、とーちゃんに美貴。おかえりっ!」


 まず出迎えてくれたのは、高校一年生の次女、翔子。制服の上からエプロンを付けている。


「準備は順調だよ。もうすぐ、おっにっくっ♪ えいっ」


 エプロンを外し一息に距離を詰めた翔子は、家に上がったばかりの俺に飛びついた。


 陸上部で鍛えられたしなやかな身体による、力強いハグ。小学生時代から比べるとやや伸ばされた髪が当たり、くすぐったい。

 間近で見る頬は赤く染まっている。その大胆さは変わらないが、恥じらいは身に付いているようだ。


「近付いたらとーちゃんのにおいがする♡ あ、ボクはどうかな。シャワーあびてないケド――びゃあっ!」


 その時。翔子の背後から小さな手がにゅっと伸び、その……胸をつかんでいた。


「んっんっ、きもちいい……」


「ちょっと優結、とーちゃんが見てるよ……」


「翔子ちゃん、きもちいいよ……。パパもしよ? にひっ」


 翔子の後ろから顔を出したのは、小学三年生の末っ子、八女の優結。きょとんとした顔で首を傾げた後、にっこり笑う。


「ほら、はやくはやく……」


 俺の手を取り引っ張る。

 翔子は顔を赤らめて腕を組み、距離を取りつつ、こちらをちらちらと見ている。


「とーちゃんには、とーちゃんの都合があるんだし……」


 俺はしゃがんで優結を諭す。


「優結、いけないよ。優結も、勝手にあんなことされたらイヤでしょ?」


「優結は、いいよ。家族だったら、何されても」


 ちょっぴり下唇を噛むように口を尖らす。優結はなかなかのポーカーフェイスで、考えを読みづらいこともある。


「でも、パパが言うなら今日はやめる。ねっ!」


 そして、満面も笑みである。

 ポーカーフェイスと弾ける笑顔のコンビネーションで、こちらは翻弄されてしまう。


「そうよ、優結。自分がいいからって、みんなが同じではないんだから。お父さま、美貴姉さま、お帰りなさいませ♪」


 続いてやってきたのは小学五年生の六女、華弥。伸ばした髪はお姫さまのようにきれいに整えられている。

 我が娘ながら気品があり、六年生や、交流の多い中学のお姉さまたちからも人気が高いというのもうなずける。


「優結、いつも言っているでしょう? 好みは十人十色。華弥だって、せっかくなら、こんなところじゃないほうがいいわ。お部屋でね、カーテンを閉めて、電気を消さなきゃ……♪」


「華弥、ちょっと違うんだよ。ボクはどこでもいいんだけど、それだと――」


『まあ、おのおのがた……』


 どこからか、スピーカーを通した声が響いた。

 ウィィィィィ―――ン……。ガション。ウィユーン……。


 天井がスライドし、機材に囲まれた半球状のリフトが垂直に降下してきた。そこに埋まるように収まるのは、眼鏡をかけた小柄な少女。小学六年生の五女、巴だ。


「こちらの準備も……整ったゆえ……まずはこれをご覧あれ……」


 手元で何かを操作すると、照明が暗くなり、複数のハートマークが床を回って俺に集束した。何やらムーディーな音楽まで流れ出す。

 先日、優結に僅かに追い越され、姉妹で最も身長が低くなった巴であるが、その不思議な多才さは、身体的な発育とは異なり、日々進化している。


 とうとう家族パーティーのためにプロジェクションマッピングを用意するまでになったか。企業数社から技術提供を受け実装を進めていると聞いてはいたが、一体何者なんだ……。いや、俺の娘なんだけど。


「おー」


「かっこいい……!」


「美貴のステージにも使いたいなっ!」


 優結や翔子らの喝采を浴びる巴は、片目を閉じようとまぶたをぴくぴくさせつつ、手カメラで俺を見る。


「ふむ……」


 音楽に合わせて体を揺らしながら俺に近付く美貴たちを見ると、ぐっと親指を立てた。


「これにて一件落着……」


 何がだ。


「しかし、すごいな」


 巴に驚かされることにはもはや慣れているが、今回も感心のあまり言葉が出ない。もっと巴を褒めてあげられる言葉が出てくればいいのだが。


「そう、すごい……。しかし、忘れちゃいけないのは……これを作ったのが……パパの娘だということ……。つまり、本当にすごいのはパパ……♪ とはいえ、これは副産物……。寄り道の一つ。世界の景色を変えるには……灯す明かりがまだ足りない……」


「お父さん、お帰りなさ――わっ、きれい」


 巴が滔々と語るうちに、奥から長女の理沙がやってきた。

 制服の上からエプロンを付けた、眼鏡の似合う高校二年生。髪を後ろでゆるくくくり、バーベキュー用の皿などを持っている。


「あらあら、本当にできたのね。すごいわ、巴」


 妻の沙織もいっしょだ。沙織も娘たちと同じく、年々美しくなっている。


「えっと、何だっけ――そうだ翔子ちゃん、これお願い」


「はいはい~」


 理沙からクーラーボックスを受け取った翔子は手際よく飲み物を入れ、優結と運ぶ。


「それでは、すぐ後ほど……グッドラック」


 ウイイィィ―――。照明を戻した巴が、親指を立ててながら二階へ吸い込まれていく。


「お父さま、お着がえして、いっしょに行きましょう♪」


 部屋で、リラックスできる服装に手早く着替え――その際、華弥の要請に応えて三十秒だけスキンシップを取った――庭に出ると、準備は万端整っていた。

【次女・翔子のウワサ 2】

色々な運動部の助っ人もしているらしい。


---


【第二章の娘たちの学年】

長女・理沙:高校二年生

次女・翔子:高校一年生

三女・凛:中学三年生

四女・美貴:中学二年生

五女・巴:小学六年生

六女・華弥:小学五年生

七女・愛:小学四年生

八女・優結:小学三年生

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