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箱の中の君  作者: 無気力
8/11

第七話 焼きもち

今日はすき焼きだから・・コンロ出して・・・鍋出して・・


私は急いですき焼きの準備をしていた!


【正人】「ママ、久し振りだね!みんなでご飯食べるの」


【好美】「そうだよね~、久し振りだね!」


正人はソファーに座ってテレビを見ている・・・


ガチャ・・・・バタン!


【康夫】「ただいま~」


夫が帰って来た!


正人が最初に玄関に走って行った!


【康夫】「おっ!正人、パパを迎えに来てくれたのか?」


夫は正人の頭を撫でた後靴を脱ぎ私を見た!


【康夫】「・・ただいま!」


【好美】「お帰りなさい」


夫は鞄をソファーの上に置くと上着を脱ぎネクタイを緩めながらダイニングのイスに座った。


【康夫】「お~、今日はすき焼きか~」


【正人】「そうだよ!パパが早く帰ってくるからママが張り切ってたよ!」


【康夫】「好美・・・」


【好美】「ふふふ・・・さあ、食べましょうか!」


【康夫】「おい、ビールあるか?」


【好美】「勿論よ!」


【正人】「あ~パパ!肉取りすぎだよ!」


【康夫】「正人、こういうのはな、早いもん勝ちなんだ」


【正人】「よ~し、僕も負けないぞ~」


【好美】「あらあら、子供が二人いるみたいね・・ふふふ!」


久し振りのすき焼きは美味しかった~!


家族と一緒に食べるから美味しいのよね・・・


これも雅樹さんのおかげだわ。


私がすき焼きの後片付けをしていると、夫が風呂からあがってきた!


【康夫】「お前一体どうしたんだ?」


【好美】「ん?何が」


【康夫】「急に手紙なんて・・・結婚当時以来だろ」


【好美】「別に、たまたまよ、たまたま!」


夫はタオルで頭を拭きながらリビングのソファーに座った・・


【康夫】「おい、好美」


【好美】「何?」


夫に呼ばれたので、洗い物を中断して夫の元に歩いて行った!


【康夫】「お前に言おうと思ってたんだが・・」


【好美】「何?なんなの?」


【康夫】「俺会社の晴海ちゃんから告白されて、付き合ってくれって・・」


【好美】「えっ?晴海ちゃんって貴方の後輩の子よね・・」


【康夫】「その、まあ、奥さんが最近冷たいって相談してたんだ・・・


私は夫にむしょうに腹が立った!


【好美】「何でそんな事を晴海ちゃんに話すのよ!」


【康夫】「その、お前も昨日まで冷たかっただろ・・」


【好美】「で?貴方なんて返事したの?」


【康夫】「まあ、考えとくよって・・」


【好美】「何それ!信じられない!なんでスッパリ断らないのよ!」


【康夫】「いや、だから、今こうやって話を・・」


【好美】「その晴海ちゃんと結婚でもしたらいいわ!!」


【康夫】「おい・・・・」


バタン!


私は着けていたエプロンを投げ捨てるとリビングのドアを思いきり閉めて階段を上がり、自分の部屋に入った!


バタン!!!


【好美】「なんなのよ!せっかく家族で楽しんでたのに!!」


私は自然と涙を流していた・・


【好美】「もう駄目だわ!」


私はパソコンの電源を入れると、雅樹さんに2チャットの誘いメールを送ってみた!


【好美】「雅樹さん・・パソコン見てるかな?」


ピロリン!


雅樹さんからOKメールが届いた!


【好美】「良かった!雅樹さん見てくれたんだ」


ルームに入ると私から話し掛けた!


深雪:一日に二回もスイマセン!


【好美】「雅樹さん怒ってないかな?」


雅樹:僕は全然大丈夫ですが、論文の方は大丈夫なんですか?


【好美】「そうだったわ!そんな理由で止めたのよね・・」


深雪:まだ途中なんですけど、また友達から相談されまして、よろしいですか?


【好美】「夫が何故私にあんな事を言ったのか!」


雅樹:そうだったんですか・・深雪さんは大変ですね・・僕で良ければいつでも力になりますよ!


【好美】「はあ・・雅樹さんやっぱり最高の男性だわ・・」


深雪:旦那さんが友達にいきなり、会社の後輩から告白されたって、しかもその旦那さんは考えとくってその子に言ったんです!


【好美】「ちょっと感情的になっちゃったかな・・・」


雅樹:今日の今日でそんな事旦那さんが言うのはおかしいですね・・・


【好美】「おかしい・・・そうかしら?」


雅樹:旦那さんはその友達の人を前より好きになっている筈です・・・


【好美】「ふ~ん、そうかしらね・・・」


雅樹:僕が思うにその旦那さんは友達に隠し事をしたく無かったのだと思います。


【好美】「隠し事・・・」


雅樹:告白された事を黙っているとそれは隠し事になります!

多分今までの友達だったらそんなふうに思わないでしょう・・


【好美】「今までの私か・・」


雅樹:あと、これは僕の憶測なのですが、旦那さんは友達に焼きもちを焼いてほしかったのでは・・・


【好美】「あの人が私に焼きもちを焼いてほしかった?」


雅樹:焼きもちを焼いてほしいと思うのはその人を愛している証拠です!

そういう時は正直に言ってくれた事を誉めてください。

そして、怒ってください!

そうすれば旦那さんともっと仲良くなれる筈です・・・・


もう私も寝ないといけないので、申し訳ないのですがこれで失礼します!

そのお友達が旦那さんと仲良くなれるように願っています。

では


【好美】「終わっちゃった!雅樹さん一人でしめちゃったわ!」


私は部屋を出て、夫のいるリビングに向かった・・・


ガチャ・・・・


リビングのドアを開けると夫が一目私の方を見て、また目をそらした・・・


【好美】「あなた・・さっきはごめんなさい・・」


夫が驚いた顔で見ている!


【好美】「正直に言ってくれたのよね・・・ありがとう」


【康夫】「好美・・お前!」


【好美】「そのかわり、その晴海ちゃんのにキッパリ断るのよ!あなたには私の様な綺麗で美人な奥さんがいるんですからね!わかった?」


【康夫】「ああ!分かったよ、明日ちゃんと断ってくる!」


夫は私を抱き締めた!


私は夫の愛を静かに受け止めていた・・・・・








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