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02

 詰所には誰もいなかった。今いる所員たちは、ライトニングの追跡に追われているらしく、どこもかしこも人出が足りていないようだった。

 サトウキョウコの名札はまだ勤務に入ってなかった。

 自分の業務用携帯では番号が分からない。備え付けの外線をみてみる。

 電話の短縮に『佐藤(京)』とあった。

 ボタンを押してから液晶をじっとみつめ、『通話中』の表示に変わるのを待つ。


―― 頼む、出てくれ。


 少し待って、ようやくつながったようだった。

 通話中の表示になるとすぐ、彼は言った。

「アオキです。ぜんぜん聴こえていないので勝手にしゃべる。ミヤシロタケルがセンターを出た。捜したいが手伝ってくれますか? オレは歩いてセンター裏手のリサイクル倉庫影に隠れる予定です、一時間くらいそこに待機しているのでぜひ来て下さい」


 二回目を繰り返す間に、電話が切れたようだった。

 あたりをうかがいながら外に出て、倉庫の影に入りしばし待つ。


 一時間近くたった頃、つながってなかったのだろうか、いったん戻ろうか、と業務用携帯を見るともなく見ていると、倉庫の外壁に軽い振動を感じた。

 黒っぽいバイクが近づいてきてそばに停まった。

 カワサキの、ええと。サンライズは名称を思い出せない。

 ヘルメットを外したサトウはいつもの優しい看護師の貌ではなく、精悍な戦士の表情でにっこり彼に笑いかけた。

「私も調べたら、センターの軽で土湯に行ったことまではわかった」

 手早い手話。

 さっそく本題に入る所がさすがオネエサマだ。

「後ろに乗って。十分で着くから」

 投げられたヘルメットを受け取る。


 ヴァルキューレに相乗りとなった。

 明け方前の風が気持ちいい。

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