表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/46

04



 尋問は四〇分は続いただろうか。そのうちに、男の消耗が激しくなってきたのが、サンライズからも分かった。

 ふらふらする頭を、ライトニングがしっかりおさえてやっているかのように見えた。

 しかし、ちゃんと答えているらしいのが、書記の手の動きからも分かった。


 恐るべき能力だ。ライトニングはちゃんと力を使っている。


―― オレはだめだった。何か、見えかけた気がした。白い点のような光が。

 しかし、何も聴こえてこなかった。


 以前東京の開発部で練習した技術だった。

 スキャニングの基礎を学んでいる頃のことだ。

 水城によく、言われたものだ。

「いい? まず白い光がみえると思うの、それに集中して。集中」

 光が広がる、もしかしたら映像もあるかもしれない。光がはっきりすれば音も聴こえてくる。声とかもね。それに訊ねるのよ、そうすればその人間の心の中が分かる。アナタの場合は、まずそこから。他のシェイカーが同じことをできるかはまた別。やり方は色々あるけど、基本は同じ。まず、相手の心に近づく、そして、集中。


 喜びより、むしろおののきに近い思いで、聴きとりをするライトニングを見ていた。


 自分のように、頭痛はおきていないようだ。目をしっかりつぶっているが、特に苦しそうな表情はない。男はすらすらと答えているし、力も長時間、影響を与えているらしい。

 男が、泣き出したのがみえた。わななく口が何か告げている。

 ライトニングが、ぱっと手を離し、汗だらけになった手を椅子にかけてあったタオルで拭く。困ったようにサンライズをみた。

「どうした」

「もう眠らせてください、って。限界のようだ」

 サンライズは書記をみた。書記もかるくうなずいたので、立ち上がりながら言う。

「終了しよう」

 ライトニングがインターコムを取り上げた時には、男はすでに机に突っ伏して爆睡していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ