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03

 契約社員として手続きをしてから、カンノカズキは『ミヤシロタケル』の名でMIROC本部技術部特務課に配属となった。

 コードネームは『ライトニング』。


 まずは研修三昧、そして総務部の手伝い仕事をあてがわれた。

 それでもライトニングは新しい職場で早速パワー全開、三週間ほどしごく楽しげに社内を動き回っていた。


 そんな様子を見てから、急に総務部庶務課健康係より連絡を出す。

 精密検査の結果、気になる点があるので専門機関で再検査をする、という通知をみてライトニング、ぎょっとしたような声をあげた。

「オレ、何かビョーキあったんスか?」

「福島にね、専門の機関があるから少し泊まりになる。出張だと思ってくれ」

「……地元なんスよね」

 少し複雑な表情になる。

 それでも、業務命令ということで仕方なく出かけていったのだった。


 サンライズに回復の見込みがなかなか見られない、という頃だった。


 水城は支部長からまた呼ばれた。

「ライトニング、無事に福島の開発センターに入ったよ。少し怒ってはいたが」

 再検査と言いながら、彼にとってはほとんど毎日何もない日が続いていた。イライラが募る頃だろう。

 そろそろ行動を起こす時期だった。


 支部長は水城に自分のアイディアを話して聞かせる。

 水城は途方にくれたように、支部長をみた。

「本当に、サンライズにまかせるおつもりなんですか?耳が……あんな状態なのに」

「あんな状態だからこそ、任せるんだ」

 支部長がうれしそうに笑った。

 いつも笑顔のようなのに、実際に声を出して笑っているのをみたのは、水城も初めてかもしれない。

「見ててごらん、彼はやるよ」






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